伊藤邦昌氏
献花の様子
後藤泰輔氏
挽地 裕氏
島津製作所は2月10日、本社(京都市)にて第93回レントゲン祭が開催された。この催しは、ヴィルヘルム・レントゲン氏を偲び、行われているものである。
冒頭の伊藤邦昌氏(同社常務執行役員・医用機器事業部長)による式辞では、レントゲン氏の功績と、近年の同社医用機器事業の展開を紹介。「これからは、X線画像技術を極めていくことはもちろん、分析計測技術によっても、医用分野に貢献していくためたゆまぬ努力を続けていきたい」と表明した。
その後、上田輝久氏(同社代表取締役社長)が祭詞・献花を行った。
続いて、後藤泰輔氏(同社医用機器事業部グローバルマーケティング部)と、挽地 裕氏(佐賀大学医学部循環器内科)による記念講演会が行われた。
まずは後藤氏が登壇し、同社の血管撮影装置Triniasについて紹介した。
同社の医療ソリューションの主な柱は「がん対策」「周産期・小児医療」「高齢化への対応」「急性期医療」である。特に、急性期医療への取り組みとして、脳卒中・心疾患の低侵襲カテーテル治療を支援する最新の装置の開発を進めている。同社の血管撮影装置「Trinias」は世界初のトリプルピポット6軸Cアームを有し、自由度の高いポジショニングを可能にした。さらに、「被ばく低減」「造影剤削減」「治療時間の短縮」をコンセプトにした、Triniasの最新装置「Trinias MiX(Minimally invasive experience)」が登場している。
Trinias MiXに搭載されている「SCORE Imaging」は、インターベンションを支援するアプリケーションである。その機能の一つ、「Score PRO Advance」は高画質と低線量の両立をに、残像とノイズをなくす“モーショントラッキングNR”によって、ガイドワイヤやカテーテルの先端をブレなく明瞭に視認ができる。また、拍動にで動くステントを固定表示させる「Score StantView+Plus」、DSA画像をもとに自動で血管壁のみを抽出、透視画像と重ねることでワイヤやデバイスの視認性を高める島津独自の技術「Trace MAP」なども搭載されている。他装置との融合を図ることによって、X線量や造影剤の減量を実現するという。
挽地氏からは「心臓カテーテル治療の最新動向」と題し、安全で有効なPCIのためにTriniasが果たす役割を主なテーマに、臨床でのTriniasの有用性や、PCI治療の現状と今後についての講演が行われた。日本の冠動脈疾患は今後あと10年ほどは増え続けると予想され、安全で有用な治療が求められている。佐賀大学医学部では、オペレーターの立ち位置を自由に確保し、様々な手技を透視下で行うのに有効なTriniasを導入。実際に使用するうえで、Score StantView+Plusは分岐部治療などの細かい主義の失敗をなくし、ROIモードで認識率が飛躍的に向上した点などを紹介した。一方で、PCI治療の課題として、現在出回っているステントは、種類によって不完全な圧着が発生する箇所が異なり、ある病変に対して、使う道具によって結果が変わることもあるため、使い方を考える必要があることを挙げた。
また、今年から日本で導入が始まる生体吸収型ステント(BVS)についても言及。BVSは留置してから数年で体内に吸収され、消えるという大きなメリットがある一方、造影で見ることができないというデメリットも抱えている。TriniasでBVSを見えるようしたい、というのが同氏の試みだ。現在、stant viewを用いて、検出器のパワーを上げることで薄くBVSを捉えるところまできている。BVSをTriniasで見えるようになるまであと一歩であり、これはPCIの未来にとって大きな一歩にもなるということでもある。
今後の展望について、「他社がtriniasを目標にして改良を続けるだろう」と同氏。更なる切磋琢磨を期待するとともに、自身の取り組みについて「世界に誇れる技術を結集したTriniasをさらに向上できるよう、世界に向けてアナウンスを続けたい」と宣言した。
冒頭の伊藤邦昌氏(同社常務執行役員・医用機器事業部長)による式辞では、レントゲン氏の功績と、近年の同社医用機器事業の展開を紹介。「これからは、X線画像技術を極めていくことはもちろん、分析計測技術によっても、医用分野に貢献していくためたゆまぬ努力を続けていきたい」と表明した。
その後、上田輝久氏(同社代表取締役社長)が祭詞・献花を行った。
続いて、後藤泰輔氏(同社医用機器事業部グローバルマーケティング部)と、挽地 裕氏(佐賀大学医学部循環器内科)による記念講演会が行われた。
まずは後藤氏が登壇し、同社の血管撮影装置Triniasについて紹介した。
同社の医療ソリューションの主な柱は「がん対策」「周産期・小児医療」「高齢化への対応」「急性期医療」である。特に、急性期医療への取り組みとして、脳卒中・心疾患の低侵襲カテーテル治療を支援する最新の装置の開発を進めている。同社の血管撮影装置「Trinias」は世界初のトリプルピポット6軸Cアームを有し、自由度の高いポジショニングを可能にした。さらに、「被ばく低減」「造影剤削減」「治療時間の短縮」をコンセプトにした、Triniasの最新装置「Trinias MiX(Minimally invasive experience)」が登場している。
Trinias MiXに搭載されている「SCORE Imaging」は、インターベンションを支援するアプリケーションである。その機能の一つ、「Score PRO Advance」は高画質と低線量の両立をに、残像とノイズをなくす“モーショントラッキングNR”によって、ガイドワイヤやカテーテルの先端をブレなく明瞭に視認ができる。また、拍動にで動くステントを固定表示させる「Score StantView+Plus」、DSA画像をもとに自動で血管壁のみを抽出、透視画像と重ねることでワイヤやデバイスの視認性を高める島津独自の技術「Trace MAP」なども搭載されている。他装置との融合を図ることによって、X線量や造影剤の減量を実現するという。
挽地氏からは「心臓カテーテル治療の最新動向」と題し、安全で有効なPCIのためにTriniasが果たす役割を主なテーマに、臨床でのTriniasの有用性や、PCI治療の現状と今後についての講演が行われた。日本の冠動脈疾患は今後あと10年ほどは増え続けると予想され、安全で有用な治療が求められている。佐賀大学医学部では、オペレーターの立ち位置を自由に確保し、様々な手技を透視下で行うのに有効なTriniasを導入。実際に使用するうえで、Score StantView+Plusは分岐部治療などの細かい主義の失敗をなくし、ROIモードで認識率が飛躍的に向上した点などを紹介した。一方で、PCI治療の課題として、現在出回っているステントは、種類によって不完全な圧着が発生する箇所が異なり、ある病変に対して、使う道具によって結果が変わることもあるため、使い方を考える必要があることを挙げた。
また、今年から日本で導入が始まる生体吸収型ステント(BVS)についても言及。BVSは留置してから数年で体内に吸収され、消えるという大きなメリットがある一方、造影で見ることができないというデメリットも抱えている。TriniasでBVSを見えるようしたい、というのが同氏の試みだ。現在、stant viewを用いて、検出器のパワーを上げることで薄くBVSを捉えるところまできている。BVSをTriniasで見えるようになるまであと一歩であり、これはPCIの未来にとって大きな一歩にもなるということでもある。
今後の展望について、「他社がtriniasを目標にして改良を続けるだろう」と同氏。更なる切磋琢磨を期待するとともに、自身の取り組みについて「世界に誇れる技術を結集したTriniasをさらに向上できるよう、世界に向けてアナウンスを続けたい」と宣言した。