セント・ジュード・メディカル(株)(以下、セント・ジュード・メディカル)は、Quadra AssuraTM両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)に対し、MRI対応の医療機器製造販売承認を取得、5月よりMRI対応CRT-Dとして日本で上市すると発表した。Quadra AssuraTM CRT-Dはこれで、最大強度1.5テスラ(磁場強度の測定値)の磁気共鳴画像法(MRI)スキャンシステムの使用が条件付きで承認されることになる。
このMRI対応の医療機器製造販売承認取得により、デバイスを植え込んだ患者様が従来は絶対禁忌であったMRI撮像による画像診断を一定の条件下で受けることができるようになったことは、患者様のQOL(生活の質)にとって非常に大きな意味を持つ。
「今回、Quadra AssuraTM CRT-DがMRI対応になることにより、新規に植え込む患者様はもちろん、既にこのデバイスを植え込んでいる患者様も、一定の条件下でMRIスキャンを受けることが可能となります。これは左室4極ペーシング技術による、両心室ペーシング治療を受けている患者様およびこれから受ける患者様双方にとって大きなメリットです」と、自治医科大学附属さいたま医療センター循環器科准教授三橋武司医師は述べている。「すなわち治療に関する決定について妥協することなく、従来であれば制限を受けていたMRIスキャンによる診断の制限が緩和されることとなります。」CRTは、心不全患者様でしばしば拍動がずれる両心室の動きを再同期させる。試験では、心臓が弱って十分な量の血液を送り出す能力を失う進行性の疾患である心不全を有する多くの患者様の生活の質を、CRTにより改善する可能性のあることが示されている1。世界で約2,300万人がうっ血性心不全に罹患しており、毎年世界中で200万例が新たに診断されている2。
Quadra AssuraTM CRT-Dにより、生活の質を改善すること、また入院率を53パーセント低下させることが実証されています3。これらの機器を植え込んだ心不全患者様は、今後は安心して必要時にMRI検査を受けることができる。
セント・ジュード・メディカルのMRI対応Quadra AssuraTM CRT-Dは、市場初の4極CRT-D技術を提供し、これによって医師は心臓の左室の複数箇所でペーシングを行うことができます。また、4極ペーシングシステムによるCRTを最適化することによって、再インターベンションによる高額かつ侵襲的なリード変更の可能性やCRTの効果がないという症例を低減し、医師にとっては患者様のニーズに基づいた選択肢の幅が広がる。
「弊社の市場トップの4極技術にMRI利用可能性が加わることにより、患者様の選択肢が広がり、心不全の治療で将来的に必要となる可能性のある画像診断に対応できます」と、セント・ジュード・メディカルのチーフメディカルオフィサー兼グローバルクリニカルアフェアのバイスプレジデント、マーク・カールソン医師は述べている。「私たちは、患者様の生活の質を改善するMRI対応技術を引き続き開発しながら、4極技術のリーダーとして今後も力を注いでいきます。」
Quadra AssuraTMは、遠隔モニタリングによる患者管理を目的としたMerlin.netTM患者ケアネットワーク(PCN)に対応している。この遠隔モニタリングシステムによりデバイスによる治療の実施、治療後の状態を的確に把握できるとともに、心房細動関連事象の早期発見と心不全関連に伴う入院期間の減少*4に貢献することが期待される。
セント・ジュード・メディカルは、現在販売している他のICDやCRTについても、医療機器製造販売承認の一部変更申請を行うことを考えており、より多くの患者様がそれによって安全にMRIスキャンを受けられるようになる。
販売名:クアドラ アシュラ
承認番号:22500BZX00326000
販売名:カルテット
承認番号:22400BZX00028000
1.AHA(American Heart Association) website “Cardiac Resynchronization Therapy(CRT)”
http://www.heart.org/HEARTORG/Conditions/HeartFailure/Cardiac-Resynchronization-Therapy_UCM_452920_Article.jsp#.Vl_6na3otKN
2.Nature Reviews Cardiology 8, 30-41(January 2011) doi:10.1038/nrcardio.2010.165
Epidemiology and risk profile of heart failure, Anh L. Bui, Tamara B. Horwich & Gregg C. Fonarow
3.Forleo G, Panattoni G, Bharmi R, et al. “Hospitalization Rates and Associated Cost Analysis of Quadripolar versus Bipolar CRTD:A comparative analysis of single-center prospective Italian registry 2014”:AB39-02. HRS 2014. San Francisco, California. May 7-10, 2014
4.Faulknier B, Richards, M. (2012年12月4~7日)「The Association of the Use of the Ventricular Intrinsic Preference(VIPTM)
Feature with Heart Failure Hospitalization in Pacemaker Patients(ペースメーカ患者における心室自己心拍優先機能[VIP]の利用と心不全入院の関連)」。本論文は、ローマ(イタリア)で行われた第15回国際臨床ペーシングシンポジウムにて発表されました。
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