バイエル薬品、「ゾーフィゴ®静注」を発売

2016.06.02

□ 国内初のアルファ線放出医薬品
□骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者さんの全生存期間を有意に延長

 バイエル薬品(株)(以下バイエル薬品)は、本日、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌の治療薬「ゾーフィゴ®静注」(一般名:塩化ラジウム-223、以下、ゾーフィゴ®)を発売した。
 ゾーフィゴ®は、日本で初めてのアルファ線を放出する放射性医薬品で、骨転移巣に対して抗腫瘍効果を発揮する。ゾーフィゴ®は、国際共同第III 相試験において、骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者さんの全生存期間を有意に延長することが確認された。2013年にEUおよび米国で発売以来、ゾーフィゴ®は世界40カ国以上で使用されており、安全性と有効性が確認されている。
 前立腺癌は日本でも増加しており、2015年の発表によると、2011年に日本において新たに前立腺癌と診断された男性の患者数は、肺癌を抜いて胃癌に続き第2位となり、約78,700例と推計されている*。去勢抵抗性前立腺癌の大半は骨転移を発症し、疲労や衰弱など日常生活に支障を来す症状が表れることから骨転移の治療が重要となる。
 ゾーフィゴ®の販売にあたり、バイエル薬品は日本メジフィジックス(株)との間で、日本国内におけるゾーフィゴ®の流通や営業支援に関連するサービス契約を締結している。バイエル薬品はゾーフィゴ®の提供を通し、前立腺癌患者さんの治療に新たな選択肢を提供することで、生命予後の改善ならびに患者さんの生活の質(QOL)向上に貢献していく。

*:「がんの統計’15: がん登録・統計」国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターより

バイエル薬品1

ゾーフィゴ®について
 ゾーフィゴ®の有効成分であるラジウム-223は、おもにアルファ線を放出する放射性同位元素で、これはカルシウムと同様に、骨塩(ヒドロキシアパタイト)複合体を形成することにより、骨、特に骨転移巣を選択的に標的とします。高LET(線エネルギー付与)放射線であるアルファ線は、腫瘍細胞に対して高頻度でDNA二本鎖切断を誘発し、強力な殺細胞効果をもたらす。また、アルファ線の飛程は100μm未満であるため、周辺正常組織へのダメージを最小限に抑える。

バイエル薬品2

去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と骨転移について
 前立腺は男性ホルモン依存性の臓器であるため、前立腺癌の手術または放射線治療に続く薬物療法においては、内分泌療法が第一選択となる。男性ホルモンの分泌や作用を抑制する内分泌療法はほとんどの前立腺癌に対して奏効するが、数年後には抵抗性が生じ、この状態を去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)と呼ぶ。転移性のCRPC患者さんのおよそ10人中9人(90%)が骨転移を有し、このことは生存とQOLに影響を及ぼす。実際に、骨転移はCRPC患者さんにおける身体障害や死亡のリスクを増加させる。したがって、早期に骨関連の症状を診断し治療することは、患者さんにとって非常に重要な意味を持つ。

●お問い合わせ先
バイエル薬品(株) 医療用医薬品部門 製品広報
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