近年では、特に細胞治療関連の市場が国内外で急速に拡大しており、三洋電機は、国内で培った独自技術と細胞治療分野の実績をもとに、機器とサービスのトータルソリューションで細胞治療事業を海外へ展開する。
2011年6月の米国アラバマ大学バーミングハム校への納入を機に、京都大学iPS細胞センターにも昨年納入した、細胞調製作業に不可欠の無菌環境を低コスト・省スペースで実現するセルプロセッシングワークステーションの海外向け販売を開始した。現地でのサービス・メンテナンス体制も立上げた。
一方、2010年9月には、米国サンディエゴのSANYO E&E Corporation(SEE)で、北米向け保存機器*の現地生産を開始している。今後、細胞治療事業の基盤である研究支援機器の現地ニーズに合った商品開発、世界最大市場である北米での現地生産を拡大して、2013年度には、海外向け保存機器の海外生産比率を50%にまで高めることでグローバルシェアを拡大し、細胞治療事業の海外展開を進めていくとしている。
* 保存機器;薬用保冷庫、バイオメディカルフリーザー、超低温フリーザーなど
●2011年度商品の紹介
超低温フリーザーとは、細胞・組織などのサンプルを-80℃以下に冷凍することで、物理的化学的な変化を抑制させる機器。これにより細胞・組織の長期保存が可能。
●VIP超低温フリーザー(MDF-U700VX)【国内生産;全世界向け】省エネ運転(ECOモード運転)
2つのコンプレッサーをそれぞれ個別・独立制御することにより、フリーザーの負荷状態を監視し、エネルギー消費を最小限に抑えながら運転することができ、当社従来機種比約17%*2の省エネを達成した。
●リスク回避(デュアル冷却システム)
-70℃まで冷却可能な独立冷凍回路を2基搭載することにより、-85℃の超低温域をつくり出します。万が一片側冷凍回路にトラブルが発生しても、もう一方の冷凍回路で約-70℃を維持することが可能です。
メンテナンスフリー(フィルターレス構造) 新開発冷凍回路により、フィルターレスを実現。面倒なフィルター清掃が不要、メンテナンスが容易です。
*2 従来機種MDF-U73Vと比較して
品番 | MDF-U700VX |
内容量(温度制御範囲) | 728L(庫内中央到達温度-85℃) |
幅×奥行×高さmm(外寸) | 1010×870×2010 |
電源 | 三相200V 消費電力1060/1170W |
製品質量 | 375kg |
●省エネ超低温フリーザー(MDF-U56VC/MDF-U76VC)【SEE生産;北米向け】業界最高レベルの省エネ運転*3
新しく改良した熱交換器と、多層の高性能真空パネルの組み合わせにより、当社従来機種比、MDF-56VC 32%*4、MDF-76VC 29%*4の業界最高レベルの省エネ運転を達成した。
●現地ニーズに対応した使いやすさ
北米現地のニーズに応えた新規設計により、収納ラック数を従来機種*4よりも大幅に増やすことができた。また、温度警報の設定値幅を広げることにより、より柔軟な運転管理に対応可能となった。
*3周囲温度23℃という条件下において、2011年6月時点
*4従来機種MDF-U54VC、MDF-U74VCと比較して
品番 | MDF-U56VC | MDF-U76VC |
内容量(温度制御範囲) | 526L(庫内中央到達温度-85℃) | 728L(庫内中央到達温度-85℃) |
幅×奥行×高さmm(外寸) | 770×870×1990 | 1010×870×1990 |
電源 | 単相220V 消費電力740W | 単相220V 消費電力980W |
製品質量 | 300kg | 355kg |
●お問い合わせ
三洋電機株式会社コマーシャルカンパニーバイオメディカ事業部
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