GEヘルスケア・ジャパン、マンモグラフィ新製品発表会開催

2016.11.01
川上 潤氏
明石定子氏
小山智美氏
 10月28日(金)、赤坂パークビル(東京都港区)にて、GEヘルスケア・ジャパンが同日に販売開始したマンモグラフィ新製品の発表会を開催した。同製品は、敬遠されるマンモグラフィの痛みを考えた新製品で、デモンストレーションなどもまじえ紹介された。
 はじめに、川上 潤氏(GEヘルスケア・ジャパン代表取締役社長)より開会の挨拶として、同社の女性医療へ取り組みが述べられた。日本における女性医療への重要性は増してきており、特に乳がんは1999年以来、女性の罹患率は第1位で12人に1人は乳がんになるといわれていることもあり、女性医療の内でも中核的な位置を占めているのが乳がんであると同氏は語った。同社でも多岐にわたる乳がんに対するソリューションを提供しており、マンモグラフィ装置や超音波診断装置などが挙げられる。1966年当時、世界で初めて乳房用X線診断装置を発売した同社が、この度発売した新製品は、マンモグラフィ検診を世に広めるため、受診者の不安感をとりのぞくことに特に注力されたという。LEDを使用した柔らかい雰囲気の外観に加え、撮影台を従来より薄し、丸みを帯びた形状にすることで、撮影時に腋窩や腹部が撮影台の角に当たっても痛みが軽減されるような工夫もされている。また、MLO撮影時にはソフトアームレストに腕をのせることで、リラックスした状態を保てる。さらに、このような受診者に対する工夫のみではなく、受診者へのケアに集中できるよう、撮影者に対してもワークフロー向上をもたらす機能なども多くある。併せて、3D読影機能を充実させたマンモグラフィ用画像診断ワークステーション「SenoIrisTM」も紹介された。
 続けて、明石定子氏(昭和大学医学部乳腺外科講座准教授)は乳癌検診の問題点とデジタルブレストトモシンセシスについて講演。乳腺濃度が高いほどマンモグラフィでの検出力は低くなるというデータとともに、高濃度乳腺に対して行うべき追加検査について述べた。マンモグラフィと比較するとトモシンセシスを併用することで要精査率を下げることができ、乳癌検出能も高くなる。しかし、乳癌検出能は高濃度ではあまり変わらず、偽陽性改善能についても脂肪性乳腺の場合はマンモグラフィと変わらない。同氏は、トモシンセシスの運用にあたる問題点として、画像容量が大きい点などを挙げたが、読影に関しては2Dマンモグラフィ画像の補助となるためトモシンセシスの画像数に伴う読影時間の増加などはあまり問題ではないであろうと考えを述べた。
 次に、小山智美氏(聖路加国際病院放射線科)は、新製品乳房用X線診断装置「Senographe PristinaTM」の開発背景について、ベルサイユにて行われた開発会議参加などを紹介。GE社製品は欧米人を主に対象とされた製品だと考えていたが、今回は開発にアジア地域も携われたことや、意見が取り入れられたことをうれしく思うと同氏は述べた。装置のユーザーは医師や診療放射線技師ではなく、利益などを受ける受診者であり、受診者がいいと思える装置がいい装置であり、今回発表された「Senographe PristinaTM」はアジア人の受診者にとってもポジショニング時に受ける痛みを和らげる工夫がされていると同氏は説明した。
 最後に新製品デモンストレーションが行われ、ディテクタ後方部の広いワーキングスペースや、MLOポジショニング時に、管球部分のみを傾けることにより無理のない姿勢でポジショニングが行える点など、術者に対する工夫などが紹介された。

デモンストレーションの様子は下記URLよりご覧頂けます。
https://www.facebook.com/medicaleye/videos/1217172315013913/

デモンストレーションの様子
Senographe PristinaTM