X線
日本でも先日発表されたばかりでの新製品でその鮮烈な印象も記憶に新しい。
CALNEO AQROは、小型・軽量な移動型デジタルX線撮影装置として画期的なものといえ、今後のこの市場を大きく変える戦略型の装置といえるだろう。
大きな特長としては、少ない線量でも鮮明な画像を得られる「新画像処理技術 Virtual Grid」があげられる。Virtual Gridは、撮影条件や撮影部位などで影響を受ける散乱線成分を高速で正しく算出し、画像ごとにコントラストを自動調整している。これにより低線量でもより高精細な画像が得られる。
またVirtual Gridはグリッドの種類を変えた場合と同じように、画像のコントラストを調整することができるのも大きな利点だ。
さらに同製品は、リチウムイオン電池を内蔵し、20ショット/時で最大12時間の使用が可能というのも特筆すべき点だ。
CALNEO AQROは、90kgと超軽量なため、女性の技師でもどこでも移動が簡単で、ベッドサイドでも取り回しが簡単で非常に好評である。
操作はタッチパネル形式で、非常にわかりやすく、簡便でシーンに応じて、画面を自由に動かすことができ、快適な撮影環境を提供している。
この画像は、米国の症例で200kgの高体重の症例だが、2.5mAsの低線量でここまで鮮明な画像が得られる。
PACS
ITEM2016でも展示されていた次世代PACS。サーバ側で処理後の情報のみをクライアント側に配信するサーバサイドレンダリング方式を採用し、画像表示だけでなく、大容量画像の配信も高速化されているが、この度、新しいバージョンが披露された。
PACSと3Dシステム、VNAの連携性を高め、よりスムーズに画像の閲覧を実現。従来では、同社3次元画像解析システム「SYNAPSE VINCENT」の3D画像を観察する際には、VINCENTのビューアを立ち上げていたが、同バージョンではビューアを呼び出さずとも3D画像を自由自在にSYNAPSE上で観察可能。さらなる、医師の読影ワークフロー向上への寄与が期待できる。
また、VNAデータの表示速度については、VNAのデータソースにアクセスしても、SYNAPSE上でPACSデータと変わらないような速度でデータを表示できる。VNA上にある心電図データなども表示可能。DICOM形式には、WADO-RSを採用した。
アプリケーション
富士フイルムの誇る、三次元画像解析ワークステーション。2008年の発売以来、独自の画像処理技術や幅広い分野の解析技術で、呼吸器、消化器領域でも広く浸透しているのはいうまでもない。またアプリケーションも50近くに拡大され、ますます、充実・発展していっているといえるだろう。
今開発中のアプリケーションがMR膝関節解析である。これは画像認識を応用した最新技術で、特に高齢者に多い、変形性膝関節症の診断・治療をサポートする機能である。
具体的にいうと、MRIのデータから軟骨の欠損や半月板の厚みを自動計算し、定量評価していくものだ。従前は、変形性関節症は主に関節鏡などで診断していたが、MR膝関節解析機能により、非侵襲で診断ができるのは患者には大きな福音だということはいうまでもない。時間的にもボタンを押してから、5分ぐらいと短時間で解析できるのも忙しい臨床現場では嬉しい。
同社は今後は診断はいうにおよばず、再生医療か人工関節かといった治療にもこの機能を生かしたいとしている。
臨床・読影・治療までカバーするSYNAPSE VINCENTは今後もますますバージョンアップを遂げていくことになるだろう。なお本機能は、日本では来年度中には搭載されるということである。
超音波診断装置
世界初の高周波数プローブを有する超音波診断装置。国内では薬事未承認。プローブの周波数帯域は、25~70MHzで、中心周波数は50MHz。従来のプローブは1~18MHzの帯域であることから比較しても、同プローブの周波数が高いことがうかがえる。高周波数により高精細な画像を実現し、解像度は30μmと高い。
動脈も壁までしっかりと確認可能。さらに、爪先など、今まで観察が難しかった部位にも使用でき、臨床では新生児の血管などに用いることで、新生児手術時に対応できる。従来のプローブでは、全身の約3割の部位にのみ使用できなかったが、本プローブであれば、残りの7割もカバーし、ほぼ全身に適用できる。今後、同装置のソフトのラインアップもさらに増えていくという。
もともと、実験マウス用プローブに使用していた技術を利用。手根管内の正中神経などの細かい部位でも、同プローブを用いることで明瞭に描出できる。
実際の画像。神経がくっきりと描出されている。
X線
世界初の全脊椎・下肢を対象とする長尺撮影を可能とした17×49インチのロングサイズ型DR。国内でも約2年前から発売されているが、好評を博している。
CALNEO GLでは1ショットでの撮影が可能なので患者様の拘束時間や高画質化により被ばく量の軽減を可能にした。さらに、撮影ワークフロー短縮にも貢献し、検者にも優しい装置に仕上がっている。
ダイナミック処理により、コントラストと濃度を最適化、さらにVirtual Grid処理で、グリッドを使用せずとも明瞭な画質が得られる。長尺撮影では、十分な撮影距離が必要になるのでグリッドの焦点距離が固定されてしまうが、Virtual Gridにより長尺撮影以外のX線撮影において、グリッドを使用時に生じてしまうX線のカットオフも心配不要。展示されているGLのスタンドタイプは国内で販売されているものと異なるが、米国でも大好評だという。
また日本では、先頃発表された電動式立臥位撮影台 FM-PL1が好評。パネルの入れ替えをせずに立位と臥位を簡単に切り替えられ、多彩な長尺撮影に対応できる。
○この製品は見逃せない!!RSNA2016
今回発売する「FUJIFILM DR CALNEO AQRO」は、救急や集中治療室などの現場で求められるニーズに応えた製品。本製品は、同社独自の画像読取技術であるISS方式(*3)とノイズ低減回路(*4)によって、低線量でも高画質なX線撮影を可能にした同社カセッテDR「FUJIFILM DR CALNEO Smart(カルネオ スマート)」(*5)(以下、「CALNEO Smart」)と、X線の散乱線(*6)成分を除去し、低線量で撮影したX線画像でもコントラストと粒状性を向上することができる画像処理技術「Virtual Grid処理」を搭載。これにより、X線出力を抑えても、高画質な画像を得ることが可能になった。そこで同社は、本製品での撮影に見合ったX線出力を実現する、超小型のX線発生機を新たに開発。小型化に加え、総重量90kgと従来機と比べて約1/5の軽量化を実現した。
○URL:
http://fms.fujifilm.co.jp/
○ブース:
McCormick Place north Building Hall B #6713
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○担当者からひとこと
富士フイルムメディカル株式会社 販売統括本部マーケティング部 部長 松山和矢
今年の富士フイルムでは救急や集中治療室などのX線撮影ニーズにお応えるべく
カセッテDR FDR D-EVO Ⅱと 超軽量移動型デジタルX線装置FDR AQROの組み合わせ
さらに、富士フイルム独自の画像処理を搭載することで低線量の撮影を実現しました。
最新の画像処理技術「Dynamic Visualization Ⅱ」もAdvanced Application Areaで展示致します。
是非ともブースにご来場下さい。