【エキスパートがお届け!!Site of RSNA】中村義隆先生(平成紫川会小倉記念病院) Part2

RSNA2016 Report:エキスパートがお届け!!Site of RSNA
2016.11.30

② < CT >
Transcatheter Aortic Valve Replacement (TAVR)
Sunday 2:00-3:30 PM | RC112 | Room: S404AB

本セッションはTAVR/TAVIに関する教育講演であり、心臓外科医、循環器内科医、診療放射線技師によるTAVI CT imagingについて基礎から、最新トピックまで学ぶことができた。
特に今回はスタンフォード大学病院の診療放射線技師の発表に関して報告する。
TAVIに欠かせないHeart Teamのメンバー(スタンフォード大学では3D labo technologist)としてTAVI planingに必要なCT imagingの作成、計測、カンファレンス参加をされているようだ。
日本国内ではHeart Teamへの診療放射線技師の関わりは施設によってかなり異なるが、スタンフォード大学病院での技師の関わりはひとつの理想形であるように感じた。特に気になった3点について記述する。

CT imaging 解析3phaseプロトコル
1. Screening & Evaluation phase これは大動脈弁狭窄症疑いの患者が来院して検査を受け画像を出すまでを90分以内とされており、診断に必要な画像を迅速に提供する。
2. Treatment Planing phase 治療方針( follow up, SAVR, TAVR )を決定するための画像
3. Procedure Assistance phase TAVIの手技手順決定(TAVI カンファレンス)に必要な画像
これら3段階で画像提供を行うことで時間的、業務的効率を高めているように感じた。

TAVI CT analysis のトレーニング
マニュアルや提供画像のチャンピオン画像一覧を作成し、比較的簡単な処理から学習し、再現性の高い画像解析や計測が実施できるように上級技師が教育を行なっている。anulusなどの径の計測には手計測ではなく、profile curveの中央値を結ぶ距離を径とし、ww/wlの違いによる計測誤差がうまれないように、精度と再現性に十分な配慮を行なっているように感じた。

Quality Control
TAVI解析を行うのに必要なqualificationを設け、必ず作成画像のartifact checkや計測のre-check、転送確認などをdouble checkしているようだ。TAVI CT imagingに対して非常に丁寧かつ正確な仕事をされていることに感銘を受けた。

機器展示でもいくつかのsemi autoのTAVI解析が行えるアプリケーションを見学したが、技師や医師の負担軽減、ワークフロー向上に力を入れた開発が行われているようだ。
今後もTAVI CTを始めとした、Structure CTの発展と普及が日本でも期待される。

※ 国内でのTAVI CTの研究会についてもここで紹介させていただきます。

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今回の内容に関係する研究会のご案内をいただきました。

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