島津製作所、第94回レントゲン祭開催

2017.03.02
伊藤邦昌氏
工 幸博氏
芹川正浩氏
 2月10日(金)、島津製作所本社・三条工場(京都市)にて第94回レントゲン祭が開催された。レントゲン先生の94周年祭と、記念講演会では「SONIALVISION G4」について講演がされた。
 まず、伊藤邦昌氏(同社常務執行役員・医用機器事業部長)より式辞が述べられ、昨年の成果として、低被ばくで高画質を実現したX線透視撮影システム「SONIALVISION G4」や乳がんの手術における転移診断を支援する近赤外光カメラシステム「LIGHTVISION」などを紹介。さらに、乳房専用PET装置「Elmammo」も挙げ、「LIGHTVISION」と「Elmammo」でこれからの乳癌診療に貢献をしていきたいと述べた。
 続いて、上田輝久氏(同社代表取締役社長)が祭詞・献花を行い、その後の記念講演会では、工 幸博氏(同社医用機器事業部グローバルマーケティング部)と、芹川正浩氏(広島大学病院消化器・代謝内科診療講師)より講演があった。
 工 幸博氏は「SONIALVISION G4」の「低被ばく・高画質」「安全性」「操作性」を実現する最新技術について語った。高速画像処理技術「SUREengine Advance」と、高速透視画像処理「SUREengineFAST」を搭載した同装置は、低線量・低レートパルス透視により透視被ばくを最大70%低減。さらに、バーチャルコリメータ動作を用いれば、透視を出さずともコリメータの開きを確認できるため、より被ばく低減に寄与すると考えられる。また、被検者へのアプローチが容易で安全性を配慮した天板や、高い操作性を備えたタッチパネル操作リモートコンソールなどについても言及し、同装置の紹介とした。
 芹川正浩氏からは「胆膵系内視鏡治療における透視像の重要性」の題で、膵がんとERCPの説明、さらに同施設で使用している「SONIALVISION G4」について講演した。ERCPに求められることは、膵管・胆管の微細な動きなどを捉えるための高画質な透視画像と医療被ばく対策であると同氏は述べ、「SONIALVISION G4」のシンプルな操作性と安全面への配慮や、同装置にとりつける防護カーテンの改良点などについて説明した。加えて、透視時の各モードの使い分けについて、15パルスは細かな枝を造影で評価するためガイドワイヤの細かい動きまで描出したいときに用い、7.5パルスは静止画でも評価が可能な際に使用すると述べた。最後に、理想的なERCPには高画質・低被ばくと併せ、画像記録システムの構築も大切であるといい、透視画像を他モダリティ画像と連動することで、病変の位置や進展度診断が可能になると語った。
祭詞の様子