富士フイルム、携帯型超音波画像診断装置「SonoSite Edge II(ソノサイト エッジツー)」新発売、タッチパネル採用のフルフラット型超音波画像診断装置「SonoSite SII(ソノサイト エスツー)」も同時発売
富士フイルム(株)(社長:助野健児)は、FUJIFILM SonoSite, Inc.の、携帯型超音波画像診断装置「SonoSite Edge II(ソノサイト エッジツー)」とフルフラット型超音波画像診断装置「SonoSite SII (ソノサイト エスツー)」の2製品を、富士フイルムメディカル株式会社(社長:新延 晶雄)を通じて、平成29年4月3日より発売する。
「SonoSite Edge II」は、圧電素子(*1)の周辺設計を工夫することで、高精細な画像を実現する独自のデバイス技術「DirectClear™(ダイレクトクリア)」をプローブに搭載しており、超音波が届きにくい体内深部も鮮明に観察することができる。「SonoSite SII」は、モニターと操作部を一体化し、さらにタッチパネルを採用することで、高い操作性を実現している。
なお、これらの製品を4月14日から15日まで愛知県名古屋市で開催される「第4回日本区域麻酔学会学術集会」に出展する。
超音波検査は、患者の身体的負担が少ない低侵襲な検査であることから、近年、病院の検査室に加え、救急・集中治療(ICU、NICU(*2))などの急性期(*3)医療や、麻酔科、整形外科の処置などでも広く活用されている。特に、救急救命室や手術室など一刻を争う急性期医療の現場では、診断画像が高精細であることに加え、操作が簡単で使いやすいことや、落下などの衝撃に耐える堅牢性を兼ね備えていることが求められている。
(1)携帯型超音波画像診断装置「SonoSite Edge II」
「SonoSite Edge II」は、体内の浅い領域から深い領域まで鮮明かつ高精細な画像を得ることができる携帯型超音波画像診断装置である。本製品に対応するプローブは10種で、そのうち「rP19x」(*4)と「rC60xi」(*5)は、今回新たに開発した独自のデバイス技術「DirectClear™」を搭載している。「DirectClear™」は、①圧電素子から被写体に向かう超音波の減衰を抑えて、超音波を効率よく被写体内に入射させる音響整合層、②被写体とは逆方向に進む超音波を被写体に向けて跳ね返し、被写体に入射する超音波を増やすデマッチング層、③受信した超音波の変換効率を向上させる単結晶材料を採用(*6)した圧電素子、で構成されている。本技術により、超音波の変換効率を向上させ、さらに被写体に入射する超音波の量を増やすことで、深さ方向の分解能の向上と高感度化を実現した。体に厚みがある患者の体内深部も鮮明に観察することができ、診断・処置の効率を高める。
また、本製品は、画質だけでなく堅牢性にもこだわった。落下・振動に対して優れた耐久性を有する堅牢設計を採用したラップトップ形状で、プローブのケーブル内部を通っている電気配線は、金属製のジャケットで覆われているため、重量物で踏み付けたり、強くねじるなど過酷な使用環境下でも断線することなく、画像信号を確実に伝送する。操作部の全面に凹凸が少なく、汚れが入り込みにくいキーパッドを採用している。耐水性にも優れており、清掃しやすい設計である。
(2)フルフラット型超音波画像診断装置「SonoSite SII」
「SonoSite SII」は、モニターと操作部を一体化させた、タッチパネル採用のフルフラット型超音波画像診断装置である。画像の輝度や深さを調整するジョグダイヤルを除くすべての操作部をタッチパネルにすることで、検査時の操作性を向上させるとともに、手術室などで薬品や血液が付着しても容易に清掃・消毒できる。また、プローブを2本同時に接続することができるので、診断部位に応じて即座にプローブを切り替えることができる。
富士フイルムは、POC(*7)市場におけるニーズを的確に捉え、他に先駆けてそのニーズにこたえる機能や製品を提供し、超音波診断装置の新たな応用分野とシェア拡大を目指す。これにより、医療現場を効率的かつ広域的に支援し、医療の質の向上と、人々の健康の維持増進に貢献する。
*1 超音波を発生する重要な部分。圧電素子の両側に電極を貼り付けて、電圧を加えると素子が伸縮と膨張を繰り返し振動し、超音波が発生する。また、圧電素子に外部から振動(超音波)が加わると電圧が発生する。
*2 Neonatal Intensive Care Unitの略。新生児特定集中治療室。
*3 病気を発症し、急激に健康が失われ、不健康となった状態。
*4 主に循環器、肺などの観察に使用するプローブ。接地面が小さく、肋骨と肋骨の狭い間から観察が可能なセクター型。
*5 主に腹部、筋骨格などの観察に使用するプローブ。ある程度の接地面があり、深部では広角の観察が可能なコンベックス型。圧電素子に単結晶材料は採用していない。
*6 単結晶材料の採用により、超音波と電気信号の変換方向と超音波の送受信方向を揃え、圧電素子の変換効率を高める。
*7 Point Of Careの略。救急救命室、手術室、在宅など治療の現場において、医師が患者の目前で検査を実施、治療方針を判断して、医療処置・治療を行うことである。
1. 発売日
平成29年4月3日
2. 販売名
SonoSite Edge IIシリーズ
(認証番号:第229ADBZI00008000号)
SonoSite SII シリーズ
(認証番号:第228AABZI00139000号)
3. 主な特長
<SonoSite Edge II>
(1)独自のデバイス技術「DirectClear™」により、深部まで高精細な画質を実現
超音波画像診断装置は、プローブから発せられた超音波の反響を電気信号に変換して画像化しており、一般的に、プローブから位置が遠くなるほど超音波が減衰されて届きにくくなるため、被写体の深部は解像度の低い診断画像になってしまう。本製品に対応するプローブは10種で、そのうち「rP19x」と「rC60xi」は、独自のデバイス技術「DirectClear™」を搭載。「DirectClear™」は、次の3点から構成されている。
【デバイス技術「DirectClear™」】
①圧電素子から被写体に向かう超音波の減衰を抑えて、超音波を効率よく被写体内に入射する音響整合層
②被写体とは逆方向に進む超音波を被写体に向けて跳ね返し、被写体に入射する超音波を増やすデマッチング層
③受信した超音波の変換効率を向上する単結晶材料を採用した圧電素子
本技術によって、超音波の変換効率を向上させ、さらに被写体に入射する超音波の量を増やすことで、深さ方向の分解能の向上と高感度化を実現。体に厚みがある患者の体内深部も鮮明に観察することができ、診断・処置の効率を高める。なお、プローブ「rP19x」は前述①②③を、同「rC60xi」は前述①②を搭載している。
(2)過酷な使用環境下でも画像信号を確実に伝送するアーマードケーブルを採用
救急・集中治療などの急性期医療の現場では、プローブのケーブルが各種診断装置の車輪や医療従事者に踏まれたり、ドアに挟まれるなどして損傷することがある。プローブ「rP19x」と「rC60xi」は、ケーブルの内部を通っている電気配線が金属製のジャケットで覆われているアーマードケーブルを採用した。断線を抑え、画像信号を確実に伝送する。
<SonoSite SII>
(1)使いやすさを追求したユーザーインターフェース
画像の輝度や深さを調整するジョグダイヤルを除くすべての操作部をタッチパネルにすることで、診察時の操作性を向上させました。フルフラットなので、薬品や血液が付着しても、容易に清掃・消毒できる。
(2)プローブの2本同時接続が可能
プローブを2本同時に接続することができるので、診断部位に応じて即座にプローブを切り替えることができる。
4. 主な仕様
●お問い合わせ
富士フイルムメディカル株式会社 販売統括本部 マーケティング部
TEL:03-6419-8033
http://fujifilm.jp/index.html