富士フイルム、医療施設向けクラウドサービス「ASSISTA Portal(アシスタポータル)」7月より本格スタート

2011.07.12

富士フイルム株式会社(社長:古森 重隆)は、病院や診療所などの医療施設にオンラインで地域医療連携やリモート保守などのさまざまな付加価値サービスを提供し、診療業務を支援するクラウドサービス「ASSISTA Portal(アシスタ ポータル)」を、富士フイルムメディカル株式会社(社長:平井 治郎)を通じて、平成23年7月より本格的に提供開始した。

昨年6月に、診療情報を患者や受診者と共有し、より効率良く質の高い医療につなげる目的で、厚生労働省、経済産業省、総務省が連携して設立した高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部より「新たな情報通信技術戦略工程表(*1)」が提示された。これにより医療分野のIT化やクラウドサービス利用の流れは、ますます加速すると考えられている。そのため、2010年度には20億円に満たなかった医療分野でのクラウドサービスの国内市場は、2015年度には1160億円まで急速に拡大すると見込まれている(*2)。

今回スタートする「アシスタ ポータル」は、今まで富士フイルムが提供してきたさまざまな医療施設向けクラウドサービスに新たな機能を加え、一つのポータルサイトから提供できるようにしたものだ。

「アシスタ ポータル」で提供するサービスは大きく3つある。
(1) 地域医療連携サービス「C@RNA Connect (カルナ コネクト)」
診療所と地域の中核病院をオンラインで結び、検査や診療予約などを可能にする地域医療連携サービスである。平成17年5月よりスタートし、すでに全国で約70病院1,100施設に利用されている。
(2) 診療支援サービス「ASSISTA Contents (アシスタ コンテンツ)」
今回新たにスタートするサービスで、最新の医療ニュースや解剖図などの提供や、顧客の指定の時間に電話による対応を行う。
(3) 保守サービス「ACTIVE LINE (アクティブライン)」
X線画像診断装置などの医療機器の操作支援や、導入機器のトラブルを未然に察知する予兆監視などをリモートで行うサービスである。平成21年4月よりスタートし、現在は、約1600施設が利用している。検診車に搭載された機器にもサービスを提供できるように、今回からモバイル通信装置を搭載した医療機器にも対応した。機器の故障を未然に防ぎ、万一故障が起きた際にも修理時間の短縮を図ることができ、医療施設の業務を強力に支援することができる。

「アシスタ ポータル」は、今後も順次、さまざまなサービスやコンテンツを拡充していく。IT技術を駆使して、医療施設で快適な診療業務ができるよう、サポートする。

同社は、「先進・独自の技術をもって、人々のクォリティ オブ ライフのさらなる向上に寄与していく」という企業理念のもと、今後も各施設の幅広い画像診断ニーズに対応したソリューションを提供し、医療の質や効率の向上、人々の健康の維持増進に貢献していく。

*1 本工程表には、「どこでもMy病院」構想の実現、シームレスな地域連携医療の実現、レセプト情報などの活用による医療の効率化、医療情報データベースの活用による医薬品など安全対策の推進を実現するために、各府省の具体的取り組みを年度展開として示すとともに、各府省連携の在り方が記述されている。

*2 医療分野におけるクラウドコンピューティング活用サービスの現状と今後の方向性(2011年2月:シード・プランニング調査)より。

1. サービス名称
「ASSISTA Portal (アシスタ ポータル)」

2. サービス開始日
平成23年7月1日

3. 主なサービス内容と特徴

(1)地域医療連携サービスC@RNA Connect (カルナコネクト)
診療所、地域中核病院、遠隔画像診断センターの地域医療連携を提供するソリューション。診療所と地域中核病院(検査実施施設)をオンラインで接続し、検査や診療予約業務が行えるため、患者や医師の負担を軽減する。大規模病院が保有する医療機器を有効活用し、より高度で専門性の高い医療を実現。

(2)診療支援サービス ASSISTA Contents (アシスタ コンテンツ)
診療に有用なコンテンツを提供することで、よりよい診療環境を実現。

①医療ニュース : 最新の医療行政、医療技術などを毎日(土日を除く)配信する。

②コールバックサポート : お客さまが使用する製品・サービスに関するお問い合わせに対し、お客さまの指定の時間にテクニカルサポートセンターから電話による対応を行う。

③解剖図 : モニター上で解剖図と検査画像を並べて表示することで、患者に的確でわかりやすい説明(インフォームドコンセント)を行うことができる。

④カンファレンス : ほかの医療施設と同じ画像を見ながら専用掲示板に書き込むことで、情報を共有化することができる。

(3)保守サービス ACTIVE LINE (アクティブライン)
お客さまの医療機器とテクニカルサポートセンターを、セキュリティが確保されたブロードバンド回線で常時接続し、保守サービスを提供する。

①リモート操作支援 : リモートデスクトップ機能を使用し、ユーザーの機器画面情報を共有しながら操作説明を行う。

②予兆監視 : 定期的にログデータの自動解析を行い、機器停止につながるようなエラーがないか監視する。必要に応じ、サービスエンジニアが出動し、対応を行う。

③リモート定期点検 : 予兆監視結果および稼働実績をサーバで自動解析し、毎月1回通知する。

④アンチウイルス : アンチウイルスソフトで、施設の内外からのウイルス感染を防ぐ。

⑤保守履歴管理 : サービスエンジニアが実施した保守サービス結果(履歴)を一覧で表示し、日常の機器管理業務の手間を省く。

【アシスタポータルのシステム概要図】

お問い合わせ
富士フイルムメディカル株式会社 マーケティング部
TEL 03-6419-8033
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