アボットの InfinityTM 脳深部刺激用(DBS)システムとディレクショナル DBS
リードは、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアの患者様のために開発された製品である。
2017 年 7 月 5 日-アボットは本日、Infinity™脳深部刺激(DBS)システムとディレクショナル
DBS リード1が医療機器製造販売承認を取得したことを発表した。
本システムは、患者様および医師用に開発された世界初、唯一2,3のワイヤレスiOS™
ソフトウェアプラットフォームを使用した DBS システムであり、必要な部位に狙いを絞って症状
を緩和し、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアに苦しむ患者に、目立たず、また一人一人の
症状に合わせた最善の治療を提供することができる。
Infinity™ DBS システムは、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアなど一般的な運動障害
の治療に適用される。運動障害は神経学的病態で、中枢神経の運動回路に異常が生じることで、
筋肉制御機能が失われ、不随意運動をうまく調整できない状態が生じる。確立された根治治療
がないため、治療は症状を緩和し、生活の質を改善することに主眼を置いたものになる。
DBSシステムは、脳内の特定の標的部位に微弱な電気パルスを送り、運動制御に関与する組織を
刺激する。本システムは、電気パルスを発生させる植込み型ニューロスティミュレータと、DBS
リードと呼ばれる細いワイヤで構成されている。DBSリードはパルスを脳に伝え、運動障害の原因
となる異常な神経シグナルに作用する。
従来の DBS リードでは、電極から送出される電流に指向性を持たせることに限界があり、医師
が脳内の特定の部位に効果的な刺激を与えようとしても、うまくいかないことがある。アボット
の Infinity™ DBS システムは、同社のディレクショナル DBS リードと併用でき、医師は副作
用が生じるおそれのある部位に刺激を与えることなく、患者様の症状に合わせて刺激の方向を調
整することができる。Infinity™のプラットフォームとディレクショナルBS リードは、より正確
な位置に刺激を送出し、機器の耐用年数をより長くし、そしてメンテナンスが少なくて済む非充電
式電池にして欲しいという医師の声に基づいて設計された。
倉敷平成病院 倉敷ニューロセンター長・上利 崇先生は、「Apple 技術を使用したプラットフォ
ームは、既に SCS(脊髄刺激療法)で使用していますが、日本語で表記されているため使いやすい
メリットがある。iPad mini を使用することで医師用プログラマの立ち上がりも速く、インピー
ダンスチェックも 2 秒程度で済むため、医師にとってもストレスがない。エクステンションは、
既にアボットから販売されている Brio DBS システムで使用している eXtend 技術を採用して
おり、径が細い上に伸縮性がある、人体構造を考えたデザインになってる。InfinityTM DBS
システムでは、ディレクショナル DBS リードで電界に指向性をもたせることで、刺激による副
作用を軽減し、刺激の効果を最大にできることが期待される。これにより、患者の QOL の向上
が大いに期待できる」と述べている。
現在4日本で承認されている DBS 機器の中で、日本語が表示される初めてのイン
ターフェースであり、世界初、唯一のワイヤレス iOS™ソフトウェアプラットフォーム上で作動す
る本システムは、患者に新たなメリットももたらす。医師は iPad mini™を用いてプログラミング
を行い、患者はiPod touch™のコントーラを使用しているため、Bluetooth® Smart ワイヤレス技
術により医師はスムーズにプログラミングを行うことができ、患者に最適な治療を提供できる。
電池は本体の種類に合わせて2つのサイズから選ぶことができ、メンテナンス不要で、長期的に充電
の必要もなくDBS を用いた治療を行える。
アボットのニューロモジュレーション部門のメディカルディレクターでありメディカルアフェ
アーズ ・バイスプレジデントのアレン・バートンは、「Infinity™ DBS システムとディレクショ
ナル DBSリードは、運動障害による消耗性症状の治療サポートを行うアボットの取り組みを体現する
ものである。
本システムは、プログラミングを効率化し、医師がより多くの患者様に対し十分な治療時間を確
保できるよう開発された。また患者様に可能な範囲で最善の治療を経験して頂き、日常生活に取り
入れやすい目立たない方法で症状を管理していただけるよう設計されたものである」と述べている。
注:Apple、iPod Touch および iPad Mini は Apple, Inc.の登録商標。Bluetooth は
Blue
tooth SIG,Inc.の登録商標。iOS は Cisco Technology, Inc.の登録商標。
運動障害と症状について
運動障害は、運動を妨げる神経学的病態である。人間の動作には、脳、脊髄、神経、筋肉の複雑
な相互作用が関係している。これらの部位の損傷または傷害が原因で、運動障害が起きることが
ある。考えられる原因として神経疾患、自己免疫疾患、感染症、傷害、特定の医薬品などがあり、
遺伝による場合もある。
運動障害の症状には重篤で進行性のものもあり、しばしば生活を変える症状を引き起こす。
脳深部刺激療法(DBS)は、パーキンソン病、本態性振戦、ジストニアなど最も一般的な運動障害の
症状軽減に役立つ治療である。
アボットについて
アボットは、健康の力を通して人々が最高の人生を送ることができるよう注力するグローバル
ヘルスケア企業。125 年以上にわたり、栄養剤、診断薬・機器、医療機器およびブランド ジェ
ネリック医薬品分野で、人生のあらゆるステージにおいて、健康が持つ可能性を実現するため、
新たな製品・技術を提供してきた。現在、世界150カ国以上、約94,000 人の社員が、人々が健康
で長く充実した人生を送ることができるよう活動している。
1 2015 年 11 月に EU 諸国、オーストラリアで承認、2016 年 10 月に FDA 承認、
2017 年 5 月に厚生労働省の承認を取得した DBS システムとディレクショナル DBS リード
2 St. Jude Medical. (2015). St. Jude Medical Infinity™ IPG Clinician’s Manual. Plano, TX.
3 2017 年 6 月時点
4 2017 年 6 月時点
●お問い合わせ
アボット(セント・ジュード・メディカル(株))
URL:アボットhttp://www.abbott.com
URL:アボットジャパンhttp://www.abbott.co.jp/