日本ストライカー、人工関節置換術の患者満足度に関する調査

2017.11.24

人工関節置換術を受けた患者の約8割が手術満足を実感
主治医との対話や術前の情報収集が「手術を決心」「治療の満足」の鍵に

 日本ストライカー(株)は、2016年9月に、膝・股関節の疾患により人工関節手術の提案を受けた全国40~69歳男女(560人)に対して人工関節置換術に関する調査を実施した。
 厚生労働省が平成28年に行った「国民生活基礎調査」によると、日本人が要支援となる原因の第一位は関節疾患だった。健康寿命の延伸や現役で働ける期間の延長(ライフシフト)が求められる中、寿命100年を自分の足で立って歩ける人生にするためには、関節の症状が重症化する前に人工関節置換術を含めた適時の治療選択が求められる。本調査では、人工関節置換術を提案された患者さんの知識や行動の違いが、手術の満足度にどのように影響するかを調べ、患者さんのよりよい治療選択のヒントや課題を明らかにすることを目的に実施した。

【調査結果のポイント】
1.医師とのコミュニケーションが患者さんの手術への決心を後押し
 医療機関受診後、人工関節置換術を提案された患者さんが手術を決めた理由は「激しい痛みを感じたから」(58.3%)、「医師の説明に納得できたから」(55.1%)、「信頼できる医師・病院だったから」(52.9%)などが上位にあがった。また、手術を決心する際に後押しとなった要素として最も多かったのは、「提案した医師」(72.9%)、「人工関節の性能」(35.6%)であった。

2.手術後の満足度は8割以上、医師から術前に十分な説明によって術後満足度が高く
 人工関節置換術を受けた患者さんのうち82%*が、術前に期待していた改善効果に対して満足していると回答。手術を提案された際に、医師から術後の回復度合や術後のリスクについて十分な説明を受けていた患者さんは術後の満足度が高い傾向があった。 *数値は「期待以上」と「期待通り」の合計値

3.手術の決断や術後の満足度を左右するのは「術後の回復度に関する情報」
 人工関節手術を提案されたが実施しなかった患者は「術後どれだけ回復が見込めるかの情報」(61.3%)があれば手術をより決断しやすかったかもしれないと回答。また、「主治医との相談時間」が必要だという回答も(52.7%)あった。また、術後の満足度が低い患者さんの39.2%は、手術を提案された際に術後に活動に制限がかかることを知っていれば安心して手術を受けられたかもしれないと回答した。

【帝京大学医学部附属病院整形外科教授 中川 匠先生による、調査に対するコメント】
 「今回の調査で、手術や入院の負担、術後の回復度などに多くの患者さんが不安を覚え、治療を迷っている実態が明らかになりました。近年人工関節置換術の技術は進歩して、術後4、5日程度でほとんどの人が歩けるようになっているのですが、その事実が患者さんに十分伝わっていないのだろうと思います。悩んだ末に人工関節の手術を受けた患者さんからは、「もっと早く受ければよかった」という声をよく聞きます。膝や股関節に痛みを感じたら、我慢せずに早めに整形外科を受診し、納得いくまで相談できる先生のもとで、いつどんな治療をすればいいかしっかり相談して最新情報を集めていくことが大事だと思います。」

調査概要
調査期間:2016年9月2日~9月14日
調査対象:全国40~69歳の男女のうち、膝・股関節の疾患により人工関節手術の提案を受けた方
有効回答:560名 (手術実施者:410名 手術非実施者:150名)
調査方法:インターネット調査 (実施機関:(株)マクロミル)
調査に対するコメント:中川 匠先生 (帝京大学医学部附属病院整形外科教授)

●お問い合わせ
日本ストライカー(株)カスタマーリレーションシップマネジメント(担当:橋本 あさ子)
TEL: 03-6894-0000 (代表)
URL:http://www.stryker.co.jp/