エキスパートがお届け!!Site of RSNA@松田 恵先生(愛媛大学医学部附属病院放射線科) Part3

RSNA2017 Report:エキスパートがお届け!!Site of RSNA
2017.11.30

 学会も本日で4日目になりました。
 今回の速報は、おすすめ演題としてお伝えしていた演題について報告させていただくことにしました。

①演題名:Microvascular Invasion of Hepatocelllar Carcinoma Predicted By T1 Mapping at Gd-EOB-DTPA Enhanced Magnetic Resonance Imaging: The Role of Texture Analysis.
日程:11月28日 火曜日 11:10-11:20、カテゴリー:MRI

 テクスチャー解析は画像の空間パターンを数値化し画像分類を行う手法です。本演題は肝細胞癌の微小脈管浸潤をEOB造影MRIでのT1マッピングの画像を用いたテクスチャー解析により評価するという内容の演題でした。演者らは、本方法によって、主に腫瘍内の不均一性や細胞への造影剤(EOB)の取り込みを評価することで、肝細胞癌の微小脈管浸潤の有無や程度を予測出来る可能性があると述べ、未来へのさらなる発展性が感じられます。

②演題名:Comparison of Fat Quantification Accuracy between Spectral CT Imaging and IDEAL-IQ Techniques: A Phantom Study.
日程:11月28日 火曜日 15:00-15:10

 本発表では、①脂肪と水、②脂肪と肝臓をそれぞれ様々な割合で混ぜた試料を用いて、CTやMRIでの脂肪含有量(%)の定量、各モダリティでの測定精度に関して評価を行っていました。演者らは、CT、MRIのいずれも脂肪の定量に関しての信頼性が高く、有用な方法であると述べています。どちらも非侵襲的に脂肪定量が可能で、今後一般臨床への普及が期待されます。さらにNASHの診断に関しては、肝臓の脂肪化程度が5%前後など、比較的少ない脂肪含有量の症例での評価も必要になってきますので、本演題で脂肪含有量が少ない場合、MRIでの定量が、実際の脂肪含有量とより強く相関していたと述べられていた点は注目すべきと思われます。今後は実際の症例による検討結果の報告が待たれます。