Pivotalジャパン(株)、「PivotalCloudFoundry」を強化し、新たなサーバーレスコンピューティング製品を発表

2017.12.06

2017年12月5日、米国サンフランシスコ発:企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するPivotal®は、世界で最も強力なクラウドネイティブプラットフォームの一つである「PivotalCloudFoundry®(PCF)」の次世代バージョンを発表する。これには
(1)「PivotalFunctionsService™(PFS)」と呼ばれる新しいサーバーレスコンピューティング製品、
(2)GoogleCloud/VMwareKubernetes向けコンテナ製品である「PivotalContainerService™(PKS)」ならびに
(3)GitHub、Splunk、NewRelic、Apigee、IBMをはじめとする企業のサービスをアドオンできるマーケットプレイス「PivotalServicesMarketplace™」の拡張版が含まれる。

「PivotalCloudFoundry」:ビジネスを前進させる統合プラットフォーム
 「PivotalCloudFoundry」は、数千名規模のITチームや数千のアプリケーションに単一のソフトウェアプラットフォームで対応する、拡張可能な基盤として構築されている。エンタープライズの顧客に提供されるメリットは、以下のとおりだ。

●開発者の生産性向上:ソフトウェア開発者は、オペレーション業務に代えて迅速な機能提供に注力できるようになる。エンジニアは、PCFに含まれるモダンランタイムのポートフォリオを通じて、コードのプッシュやコンテナの管理、機能実行などの作業に適切なツールを活用できる。
●オペレーターの効率化:PCFを導入して大規模な開発を行う場合、開発者とオペレーターの比率を500:1にすることが可能だ。オペレーションチームはダウンタイムを最短に抑えながらシステムをアップデートできる。また、PCFはパブリッククラウドやエンタープライズデータセンターと同様に実行されるため、管理も容易だ。
●包括的なセキュリティ:InfoSecチームは人的作業に伴うリスクを軽減して、PCFを導入した顧客のデータを保護する。PCFはシステムの迅速な修復(repair)、環境の頻繁な更新(repave)、証明書の定期的入れ換え(rotate)を自動化する「3Rアプローチ」を採用している
●高度な可用性:オペレーションチームはPCFの自動化機能を使い、最も厳しい状況下においてもアプリケーションをオンライン状態に維持する。

 Pivotalの開発者向け年次カンファレンスSpringOnePlatformでは、以下の内容をはじめとする主要なイノベーションの数々を新たに発表した。

PCF:サーバーレス
 Pivotalの新しいサーバーレスコンピューティング製品「PivotalFunctionService」は、今後6か月以内に提供開始される予定だ。開発者はPCFを用いて、ユーザーから送られるデータや、RabbitMQやApacheKafkaなどのメッセージングシステムからのデータに基づいてアクティビティを起動することができる。
●エンジニアがスニペットと呼ばれる短いコードによる機能を構築する。
●これらの機能は発生したイベントに応じてPCFにより実行される。
●ソフトウェアはユーザーの要求やビジネスデータにあわせて、インテリジェントに対応できるようになる。
 2017年12月6日に開催されるSpringOnePlatformでは、PKSを広範囲にご覧いただける機会が設けられる予定だ。

PCF:コンテナ
 PivotalがVMware、GoogleCloudと共同開発した新しいコンテナサービスが当初から利用可能だ。同サービスは「PivotalContainerService」と呼ばれ、企業が自社のデータセンターやパブリッククラウド内で、人気のあるコンテナオーケストレーションツールであるKubernetes®を実行することを支援する。これはGoogleContainerEngine(GKE)への適合性を常に維持する、数少ないサービスのひとつだ。
 これには以下の機能も含まれる。
●オープンソースのKubernetesのサポート:同サービスは現在の安定したKubernetes上で実行可能だ。開発者は専用の拡張機能を用いることなく、すべてのKubernetesAPIを利用できる。
●迅速な調達:開発者は、Kubernetesの新しいクラスタを短時間で作成できる。
●高可用性:PKSはアプリケーションからインフラストラクチャまで、スタック内のすべてにわたり高度な可用性を実現している。状態チェック、拡大縮小、自動修復、ローリング方式のアップグレード機能も含まれる。
●ネットワーク管理とセキュリティ:同製品には、IT管理者がサービスのネットワークポリシーを遵守・管理するためのVMwareNSX-Tが組み込まれている。
●GoogleCloudPlatformの各サービスへのアクセス:Googleのデータと機械学習サービスを自社のコンテナに容易に接続できる。

PCF:アプリケーション
 Pivotalの新しいアプリケーションランタイムである「PivotalApplicationService」が、PCF拡張の一環としてアップグレードされた。このクラウドネイティブのプラットフォームでは、世界最大規模のブランド数社が自社の最重要業務を実行している。主な特長は以下のとおりだ。
●WindowsServer2016コンテナに対する最高水準のサポート:マイクロソフトの.NETFrameworkで構築したアプリケーションを実行する顧客は、Linuxシステムで使用されるものと同様なコンテナ機能を利用できるようになる。PCFの機能の多く(たとえばCPUの自動スケーリング)が、Windows上の.NETアプリケーションについて「通常通り利用できる」ようになった。
●Healthwatch:PCFの運用ダッシュボードであるHealthwatchは、PCFのパフォーマンスを監視し、重要なデータを表示する。詳細がビジュアルベースのダッシュボードに表示され、ITスタッフによる円滑なシステム運営を支援する。
●NSX-Tの統合:ネットワーク管理者はVMwareのNSX-TをPCFと共に利用し、クラウドネイティブと従来型の双方のアプリケーションに向けた共通の運用モデルを構築できる。これは企業が組織全体にまたがってネットワーキングとセキュリティのポリシーを作成し実施することを支援する。

「PivotalCloudFoundry」:これまでの歩み
 Pivotalは2013年に、Fortune500企業がモノのインターネット(IoT)、インターネットに接続された自動車や家屋、および人工知能や高度なアナリティクスなどの分野において、「大きな一手となる」アプリケーションを構築し、その実行を支援する次世代のクラウドプラットフォームを構築するために設立された。このような洗練されたクラウドネイティブのアプリケーションは、AmazonWebServices、GoogleCloudPlatform、MicrosoftAzure、VMwarevSphere、Openstackなど、あらゆるパブリックまたはプライベートクラウド上で実行できる必要があった。

 2015年には世界最大級の企業による要請に基づき、レガシーアプリケーションへのサポートも追加した。Fortune100企業の開発者とオペレーターは、より小規模でアジャイルかつ髙パフォーマンスのITチームを作成し、何千ものレガシーアプリケーションをPCFに移行し、以下のような成果を期待することが可能となった。
●フォルクスワーゲン社において、ITインフラストラクチャコストを50%削減
•Allianz社において、開発者の生産性を2,000%向上
●Allstate社において、将来のテクノロジーや商品に注力する新たなビジネスへの投資とその立ち上げに資金を振り向けることが可能に

 2017年半ばには、Fortune500企業によるビジネスのさらなる迅速化を支援するため、PivotalはVMworld2017にてGoogleCloudとVMwareと共同で
「PivotalContainerService™(PKS)」を発表
した。PKSはPCFのコンポーネントとして、コンテナにさらに適したより多くのレガシーアプリケーション、市販ソフトウェア、および複雑なネットワーキングを要するソフトウェアを実行できるよう開発されている。

 2017年後半にはPCFの拡張を継続し、サーバーレスコンピューティング製品の「PivotalFunctionsService™(PFS)」を最新のコンポーネントとして発表した。このサーバーレス製品は、新しいタイプのイベント駆動型アプリケーションを実行できるよう開発されている。たとえば大規模な銀行は、モバイルバンキングアプリケーションを利用する顧客が国外にいる場合、その国でのクレジットカードの利用意向を当人に確認することができる。

 PCFの拡張を通じて世界の大手企業がクラウドネイティブプラットフォームを活用できるようになったことで、スタートアップ企業や巨大インターネット企業の特権だった俊敏性を獲得することが可能となった。

「PivotalCloudFoundry」:エコシステムの導入
 Fortune500企業がスタートアップ企業と同等のスピードで業務を推進するためには、既存の数千ものアプリケーションをPCFに移行する必要があり、そのためにはクラウドネイティブモダナイゼーションのノウハウと補完的サービスの容易な利用環境が必要となる。結果的に、顧客からはビジネス全体を運用できるよう設計されたクラウドネイティブプラットフォームの構築に加えて、テクノロジー業界の名簿として機能する幅広いPFCエコシステムの構築が求められていた。

 SpringOnePlatformでは、PCFエコシステムのパートナーに関する以下の発表も行った。

 GithubPivotalとGithubはPKS上でGithubEnterpriseを提供し、クラウドネイティブのアプリケーションを開発する顧客が利用可能な、DevOpsツールのポートフォリオを拡大することを目的とした戦略的提携を発表した。GithubEnterpriseは安全なコードリポジトリ管理機能を提供しており、この提携はパブリックとプライベートクラウド双方の復旧力と拡張性を備えたプラットフォーム上において、一体化されたクラス最高のツールを利用したいというニーズに応えたものだ。

 IBMPivotalとIBMは、モダンなエンタープライズ向けJava開発、マイクロサービスならびにクラウドネイティブのデザインパターンに関連した共同プロジェクトを発表した。両社は以下のイニシアティブで協力している。
●OpenLibertyをSpringBoot内の埋め込みサーバオプションとして追加。
●PCF内にてIBMWebSphereApplicationServerLibertyBuildpackを商業ベースでサポート。
●IBMのミドルウェアとデータベースソフトウェア製品への、SpringCloudStreamのバインダ/コネクタを構築。IBMMQ、IBMDb2、IBMIntegrationBus、IBMWatsonSDK、IBMCloudant、IBMAPIConnectならびにAMQPとの統合計画。
●PKS上で実行されるIBM製品のためのDockerイメージ。当初はWebSphereLibertyとMQ、第一四半期中にAPIConnectやIBMIntegrationBusを含むその他の製品にも対応予定。

Microsoft
 PivotalとMicrosoftは、今回の「PivotalCloudFoundry」最新版において、AzureStackをベータレベルでサポートすることを発表した。顧客はこのMicrosoftAzureのオンプレミス用拡張の上でPCFをテスト出来る。オペレーターはAzureStackに対応した設定(たとえばドメイン、認証、エンドポイントのプレフィックス)が可能だ。PCFの設定と管理に関する他の項目は、その他のインフラストラクチャの場合と同様である。

Virtustream
 PivotalとVirtustreamは、「VirtustreamPivotalCloudFoundryService」を発表しする。これにより、VirtustreamEnterpriseCloud上でのPCFの最新版を運用することが可能となる。日常的なプラットフォームとインフラストラクチャの管理・メンテナンスはVirtustreamの技術スタッフが担当し、企業の負担を軽減する。

Pivotalについて
 Pivotalのクラウドネイティブなプラットフォームが、世界中で最も高く評価されるブランドの数々においてソフトウェアイノベーションを促す。世界中のコミュニティにおける何百万もの開発者により、Pivotalの技術は毎日何十億ものユーザーに触れています。10年以上にわたってシリコンバレー有数の企業でソフトウェア開発の文化を形成してきたPivotalは現在、世界のソフトウェア開発の在り方を変える技術的な動きを先導している。
 Pivotalは、EMC、VMware、GEの投資に基づく新しいソフトウェア・カンパニーとして、ビッグデータ分野ではPivotalHDやGreenplumDB、クラウド分野ではPivotalCloudFoundryを提供しているのに加え、アジャイル開発サービスやデータサイエンスサービスなど様々な事業を展開している。

●お問い合わせ
Pivotalジャパン(株)
URL:https://pivotal.io/jp