医療情報システム
アゼモトメディカルのDOORS WEBは医療被ばく情報管理システムだ。
クラウド型、スタンドアローン型の2種類を展開しており、それぞれの利点を生かした運営ができるだろう。
DOORS WEBではHIS、RISと連携した検査状況の管理や患者・プロトコル別での被ばく線量管理が可能となっている。さらにDOORS WEBではマルチベンダーに対応しているため、製造元やモダリティに左右されない運営ができる。マルチベンダーに対応していると、同じものを指していてもさまざまな名称で表記されていることもあるが、アゼモトメディカル独自のTaggingによって一括で表記することでスムーズな運営・管理が可能だ。そして被ばく量管理という業務が通常業務の負担にならないよう使いやすさを意識したシンプルなUIが魅力だ。加えて検査状況・被ばく線量情報についても上記のTagging技術により「モダリティ」「年齢」などさまざまな条件で検索することができるうえ、クラウド型であれば他施設との撮影条件比較も行え、管理の効率化も手軽になった。
平成30年度の診療報酬改定によっておおきく需要の増した被ばく線量管理システムだが、アゼモトメディカル社長畦元氏は「ここが過渡期だ」という。このタイミングで多くの方に手に取ってもらうため、リーズナブルかつバージョンアップが無料のプランまで用意し、気合は十分。
アゼモトメディカル自体は新興であるが、それを構成する半数以上が放射線医療に長年携わっている。代表取締役の畦元氏と、大阪支社長の田伏氏はこれからの放射線医療について大きな展望があるようだ。
アゼモトメディカル ブースインフォメーション
ブースNo.127
業務拡張に伴い、2018年1月に株式会社WIN17から社名変更した株式会社アゼモトメディカル。
今回インタビューさせて頂いたのは「助かる命を助けたい」この一心で様々な取り組みを行ってきた代表取締役畦元将吾氏。今回の診療報酬改定を踏まえて、新製品「DOORS WEB」について詳しくお話を伺った。
―新製品であるDOORS WEBの名前の由来をお聞かせ下さい。
ドアを開けるとユーザーさんが横に繋がっていて、画像検査のノウハウ・課題・解決法を共 有できるというコンセプトでDOORS WEBという商品名にしました。また医療被ばく情報管理システムとしたのは被ばく管理だけでなく検査情報全般の管理も行っていくのが重要と考えているからです。
―DOORS WEBで出来ることを教えて下さい
大きく分けて3つあり、1つめは自施設の検査状況管理です。撮影線量や検査数管理を行い、検査数の増減や撮影条件の変遷など装置や期間、患者体形別に把握することが可能で検査の安全性や効率性が上がります。2つめは患者様ごとの被ばく線量管理です。検査された患者様すべての医療被ばくデータがクラウドに保存されます。強固なセキュリティによって外部からは自施設データにしかアクセスできず、万が一情報が流出しても個人を特定することは不可能な仕組みになっています。3つめは他施設と線量や撮影条件の比較参照ができることです。これによって自施設の検査の妥当性の判断をしたり、改善の手がかりを得ることができます。
―なぜクラウド型システムを導入したのですか。
他施設との間で検査情報の共有を行うことで、線量をただ下げるだけでなく正しい線量で精度の高い画像を提供していきたいです。また、クラウド型を利用することで従来のようなデータ容量を過度に気にする必要もなくなります。クラウド型なので常に最新バージョンでのシステム利用が可能となり更新の手間も取らせません。
―クラウド型と聞くとまずセキュリティが気になるのですが、個人情報等は大丈夫なのでしょうか。
DOORS WEBが取得した画像やRDSRからは線量指標情報や検査プロトコル情報のみが抽出され、患者名や患者IDなど個人を識別する情報は取得しません。クラウドとの通信も暗号化されていますので、安心してご使用ください。クラウドシステムの使用が難しいご施設様のために、外部に接続しないスタンドアローンタイプも用意しています。
―各施設で診断参考レベルのみでは自施設での条件設定が難しいと言われていますが、こ れを踏まえてどのようにDOORS WEBを利用して欲しいですか。
年齢、性別、BMI、検査部位など細かい検索条件を設けていますのでそれを利用して自施設での撮影条件設定の参考にして欲しいですね。
―Taggingとはどういうものなのでしょうか。
同じ検査でも施設ごとに検査名が違う場合が多くありますので、この検査名をDOORS WEBで使用する統一された検査名にする作業をTaggingと呼びます。DICOMタグに入っている検査情報と紐づけしタグ付けを行います。現在特許出願中です。
―Taggingはどのように行うのですか。
ウェブブラウザ上で作業が可能ですので、空き時間を使って作業が行えます。また1度Taggingされた検査名については次回から作業する必要はありません。変更の場合もウェブ上で簡単に可能です。
―他社からも同系統の製品が販売されていますが、競合会社をどう思いますか?
我々の力だけでは全国各地まで広めていくのは大変ですので、切磋琢磨しながら業界を盛り上げてくれる良き仲間だと私は思っています。
―マルチベンダー、マルチモダリティ対応とのことですが具体的に教えてください。
DOORS WEBではX線を使用する機器だけでなく、MRIやUSを含んだ医療分野におけるすべての画像診断装置の検査情報を取得することが可能です。
―レイアウト等にこだわりがあれば教えて下さい。
画面についてはクラウドシステムの利点を利用し随時更新していきます。現場の方々の声を聞きながら共に良い製品を作りあげていきたいので、こだわりはあります。誰が見ても分かりやすく使いやすい、これが1番です。
また手入力部分を少なくすることで検査数が多くても抜けがなく客観的な管理が可能となります。
―診療報酬改定により、今後さらにDOORS WEBの市場拡大が予測されますが、どのような病院を中心に広めていこうとお考えですか。
すべてのお客様に理解してもらい精度の高い画像を提供したいです。そのためにDOORS WEBをよりたくさんの方に使用してもらいたいと思います。診療報酬改定もあったのでまずは特定機能病院の方々にはこのことを知ってもらって利用していただきたいです。
画像診断管理加算3の施設基準(9)のお手伝いをできるシステムとなっています。
今後は海外進出も考えているので、できるならばいろいろなご施設様と一緒に共同研究も行い、日本企業の製品として良いものを提供していきたいです。まずは、アジア地域への展開を考えています。
◆住所変更のお知らせ
東京都中央区銀座2-9-13 GINZA-2 7階
ITEM in JRC 2018ブース No.127 パシフィコ横浜展示ホール