(株)日立製作所(以下、日立)は、マイクロソフト社のMR(Mixed Reality:複合現実)ヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」(マイクロソフト ホロレンズ、以下 HoloLens)を利用した手術室構築イメージを体験できるコンテンツを開発した。本コンテンツにより、これから手術室を新設する予定の病院や、機器の新規導入を予定している既存の手術室空間をMR空間としてバーチャルの医療機器を配置し、実際の手術室構築イメージや機器の導入を体験することができる。
本コンテンツは、2018年4月13日(金)から4月15日(日)にパシフィコ横浜で開催される「2018国際医用画像総合展(ITEM2018)」の日立ブースで体験ができる。脳神経外科手術での使用を想定したMRIシステム、手術台、生体モニタ、麻酔器、手術顕微鏡などが配置された手術室の中にいるかのような視聴体験を提供する。
手術室には手術台や生体モニタ、麻酔器、各機器からの情報を表示するディスプレイなどさまざまな機器が配置されている。また手術は執刀医、麻酔科医、看護師など複数人のスタッフで対応するため、効率的に手術を行うための機器のレイアウトが重要となるが、実際に 機器を配置するまで、導入する手術室をイメージすることが難しく、事前に機器の運用などをシミュレーションすることができない課題があった。
日立は、1999年に手術中に脳腫瘍の位置を把握する目的で、漏えい磁場の範囲が狭い永久磁石型オープンMRIシステムを大学病院の手術室に設置して以来、多くの大規模病院にオープンMRIシステムを納入し、治療成績の向上に貢献してきた。2018年3月から販売しているデジタル手術支援ソリューション「OPERADA」は、オープンMRIシステムを中心に手術支援を行うナビゲーションシステムや映像統合配信システムをパッケージとしたソリューションだ。
今回、開発したコンテンツはHoloLensを用いて、デジタル手術支援ソリューション「OPERADA」を導入した手術室イメージを体験することが可能である。HoloLensは没入型のVRヘッドマウントディスプレイと違い、視界を遮ることなく装着した状態で現実の周囲や自分の手元が見える。このため、新設予定の手術室の空間や、機器の新規導入を予定している既存の手術室空間をMR空間とし、ホログラムによるバーチャルの医療機器を配置し、実際の手術室構築のイメージや機器の導入をリアルに体験することができる。「実際の医療機器を配置した手術室をイメージしたい」「導入した機器をどのように操作するか事前にスタッフ間でトレーニングしたい」という医療現場のニーズに応える。
今後、デモや医療現場での実証を通して、現場のニーズに応える手術支援や教育分野のコンテンツの拡充を図る予定だ。
■日本マイクロソフト株式会社のエンドースコメント
日本マイクロソフトは、日立製作所様が「Microsoft HoloLens」を活用した手術室導入イメージを体験するコンテンツを開発され、デジタル手術支援ソリューション「OPERADA」の体験に活用されることを心より歓迎いたします。「Microsoft HoloLens」は2017年1月より国内での販売を開始し、医療、教育、製造、建築・不動産などの、法人のお客様のデジタルトランスフォーメーションを推進するツールとして活用が進んでいます。とくに医療の分野では、手術トレーニングや医療器具配置のシミュレーションでの活用が検討されており、今回の日立製作所様が開発されたコンテンツによって、医療分野におけるデジタルトランスフォーメーショ ンが推進されることを大いに期待しています。
日本マイクロソフト株式会社業務執行役員Windows & デバイスビジネス本部 本部長 三上智子
■用語解説:MR(Mixed Reality /複合現実)
これまでのAR(拡張現実)やVR(仮想現実)を包含する概念であり、現実世界とデジタル世界を融合することで、全く新しい体験を提供できる世界。「Microsoft HoloLens」を通して実現されるMRでは、実際の空間で物理的な環境においてホログラムを配置することができ、その世界を見たり、そこでデジタルコンテンツを操作したりすることが可能となる。
■他社商標注記
Microsoft HoloLensは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。
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外科治療ソリューション本部 [担当:都澤]
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