島津製作所、「田中耕一記念質量分析研究所」 創設以降の論文発表が100件以上となったことを発表

2018.06.20

 ㈱島津製作所は、同社シニアフェローの田中耕一が所長を務める「田中耕一記念質量分析研究所」および「田中最先端研究所」の現旧所員が筆頭著者または共著者となった論文数が累計100本を超えたことを発表した。

 「田中耕一記念質量分析研究所(略称:MS研)」は、2002年に「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」でノーベル化学賞を受賞した田中耕一の功績を称え、翌年2003年1月に創設した組織だ。田中が実用化に大いに貢献したMALDI法(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)を用いた質量分析技術などの研究を行っており、2018年1月に創設15周年を迎えた。

 「田中最先端研究所(略称:最先端研)」は、内閣府による「最先端研究開発支援プログラム(FIRST)」(2010年3月~2013年3月)を執行するために同社内に設置されていた研究所であり、「MS研」所員と若手研究者を中心に研究・開発を行った。

 100本目、101本目となった論文は、産学官連携によって基礎から開発した分子構造情報入手手法に関する報告であり、いずれも分析化学分野では最も著名と言われる米国の科学雑誌「Analytical Chemistry」の6月19日号に掲載された。
DOI:10.1021/acs.analchem.8b0032210.1021/acs.analchem.8b00344

田中耕一のコメント
「研究者3名から始まった『MS研』は次第に人員を増やし、特に『FIRST』期間中の『最先端研』は若手を中心に約40名に成長し、ハードウェアやソフトウェアの開発者が半数以上だったにもかかわらず、年間最大17本の論文を発表する事ができた。これら成果は、若手や女性の研究者または技術者の独創力、産学官連携、サポート体制の充実、質量分析に対する期待の高さ等々、様々なドライビングフォースの利点が大いに生きた結果と考えられる。この場を借りて、改めて御礼申し上げる。論文の件数は、これらの活動の成果を如実に表す1つの指標として大切にしつつ、今後も基礎科学や応用研究への貢献を益々高めてゆきたいと思う。」

「田中耕一記念質量分析研究所」について
・名称:田中耕一記念質量分析研究所
・設立:2003年1月1日
・研究開発所員数:20名(2018年6月現在)
・主な研究内容:MALDI-TOFMS(マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法)を中心とする質量分析関連の基礎研究および応用開発

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