RSNAではそれぞれの領域でQIBAに取り組んでいるstudy groupの報告もあります。MRIではDWI、ASL、 DCEに関するファントムが報告されていました。特にASLのファントムは非常に興味深く入手困難とは感じましたが、利用して各ベンダーでの定量値を比較してみたいものです。ファントムによって各装置がチューニングされればQIBAもさらに躍進すると思いました。
展示ブースでは、シーメンス社が3Dカメラを搭載したCT(下記写真)やセンサーを搭載したMRIを揃えていました。ソフトウェアでも多断面同時励起がDWI以外にも使用可能になるなど魅力的なものがありましたが、ハードウェアがさらに改良されている印象を持ちました。MRIで特に注目したいのはベローズや心電図を使用せずに装置に備えるセンサーで同期撮像を行うという技術です。ビートセンサーと呼ばれる心臓の同期法はこれから臨床に導入されるとのことでしたが、3.0Tなど心電図同期の不具合が多い場面での改善が期待できそうです。また、センサーの準備が不要であるため検査スループットも向上が見込めます。圧縮センシングや多断面同時励起等の高速撮像技術に加え、ハードウェアによるスループット向上もあればMRIも「時間がかかる検査」ではなくなるのかもしれないとあらためて感じました。