超音波診断装置
SONIMAGE MX1は浅部の描出改善と深部の視認性を両立する「Dual Sonic」技術と、容易な操作で画像を深度毎に最適化する「MPA」機能でワークフローの効率化に貢献する、コニカミノルタの超音波診断装置。きわめてコンパクトな本体が特徴で、据え置き型と同程度の性能でありながらコードを気にせずヘッドサイドなどの最適な位置に動かして使用できる。
アメリカではHydro Cision社のデバイスと、コニカミノルタ社の超音波装置との連携によってUSガイド下で手技を行い、低侵襲かつ正確に患部を除去することができるソリューションも展開している。
X線
コニカミノルタ社が掲げるブランド(FDA未承認)。すでに米国でも発売されているワイヤレスDR「AeroDR HD(国内名称「AeroDR fine」)」と、X線動画解析ワークステーション(国内名称「KINOSIS」)と、一般X線撮影装置を組合せ実現する、デジタルX線動画撮影システムのPRが行われた。
1秒間に15フレームのパルス照射を行うことで得られる動画像に様々な画像解析を追加することで、低被ばく・低コスト・短時間でできる単純撮影のスクリーニング性能を向上させることが狙いだ。
「Bone Suppression(骨減弱処理)」は胸部の骨組織を弱めて表示することで肺や軟部組織のX線画像の可視性を向上できる。撮影した動画像に対して適用することで、肺野内の様子や末梢血管の走行など観察しやすくなる。
一方「Field Enhancemen(t 周波数強調処理)」を用いれば、Bone Suppressionとは逆に骨部や血管など構造物の信号を強調して観察を容易にすることもできる。
「DM mode(特定成分追跡処理)」は名前の通り、撮影した動画において特定の成分を追跡してその動きをグラフ化。動画と睨み合うことなく、異常な動きのある箇所を事前に把握しスムーズに確認、同時に定量化することが可能だ。
米国では2015年に買収したVistek社のX線装置と組合せ、整形領域にも展開する予定だ。これからの一層の発展に期待が持たれる。
PACS
アメリカで展開されている、施設や業者間での情報共有をスムーズに行うクラウドPACSプラットフォーム。PACSやRISにあるオーダー情報や画像、レポートなどの各種情報を集約して、
従来は紙で行われていたイメージングセンターとPhysician、技師、患者といった検査関係者のやり取りをデジタル化。データの強みを活かしたスムーズなコミュニケーションが可能となった。
大きな特徴として、一通りのPACS機能を備えていながらChromeなどのWebブラウザからIDとパスワードを入力すれば接続できるという点がある。これによってデバイスに何ら特殊な環境は必要なく、どこからでもアクセスが可能だ。またZero foot printシステムの採用により、画像や患者情報をデバイス本体に残さないことで、高いセキュリティを確保している。海外では一般的なDictation(音声入力)について、Google Voiceを採用。医用辞書にも対応しており高い認識制度を実現している。また従来と異なりデバイス本体に別途音声認識ソフトウェアをインストールすることなくDictationが利用可能となっている。
チャット機能も特徴的だ。受付、技師、Physician、Radiologist、患者といった関係者が同時に参加できるチャットでは、発言に貼り付けたアクティブURLから直接その画像やレポートなどの情報にジャンプできる。個々でリストから探す手間はいらなくなるのだ。
また提携するImbio社が組み上げたAIアルゴリズムによって画像を解析し、診断効率・精度も向上。DICOMという共通規格によって実現したこの機能は、依頼の数はほしいが効率も上げたいというイメージングセンターの要望を叶えてくれる。今後もFDA認可を受けたプロバイダを中心に進めていくという。
PACSは今やEnterprise(企業)Imagingとも呼ばれている。他企業と提携して作りげられ、業者間の連携をより密接にするこのツールは、まさにそれを体現していると言えよう。
X線
アメリカで展開されているX線撮影システム。
コニカミノルタ社製のAero DRを他社製X線撮影装置に組み込み、買収したビジテック社製のコンソールと共に運用する1つのシステムとしてアッセンブルした。全身を3回に分けて撮影し、それらを結合することで長尺の撮影にも対応。
もとより使い勝手に定評のあったビジテック社のコンソールと、これまでノウハウを培ってきたコニカミノルタ社のX線撮影技術。それぞれの長所を活かした形態と言える。
ポジショニングや手技の工夫をメインとする日本に対し、デバイスの性能やシステムの運用でクオリティの水準を向上させるアメリカに適した展開だ。
その他
今春からアメリカで開始された、施設のワークフロー向上のためのサービスビジネス。 メニューのTechnologist Selectorから、技師ごとに検査の写損率や線量をグラフで表示・確認できる。これによって施設の技師長が技師の指導や教育を的確に行いやすくなる。グラフは写損の原因や発生した部屋、部位など多岐にわたる分類で表示でき、原因究明や対策にも円滑に取り組める。多くのグラフを表示して比較できる一方、クリック1つで絞り込むと同時に他の表示情報もそのカテゴリのものに変更されるため、操作は極めてスマートだ。
提供予定の機能として、Reject Visualization Appがある。これは身体の部位をビジュアルで表示し、そこにヒートマップ状に写損率を表示することで、部位ごとの写損率をより直感的に確認可能なUIだ。
またスマートフォンから閲覧することができるのも大きい特徴で、空き時間などを利用して情報にアクセスし、スムーズに日々の振り返りができる。
開始から半年で600以上の施設が利用しているAero Remote Insights。より簡便な現状の問題把握と生産性向上のInsights(気づき)を可能とするこのサービスは、これから一層発展していくだろう。
その他
KONICA MINOLTA社はInvicro社とAmbry Genetics社を買収、医療分野において更に事業の拡大を進めている。今回ブースにおいては、事業の紹介がなされていた。
Invicro社は動物用PET/CTなどバイオマーカー探索技術に長じたイメージングCROだ。KONICA MINOLTA社は「AI for precision medicine」を掲げ、がんや中枢神経系疾患を中心とした創薬企業に対し、Imaging Technologyによる早期段階での支援に踏み出す。
Ambry Genetics社は遺伝性疾患やがんの遺伝子検査に強みを持つ。これによってKONICA MINOLTA社はジャームラインの検査による事前のリスク診断サービスを提供することが可能となった。更に日本において、コニカミノルタプレシジョンメディシンジャパン株式会社を設立。国内向けに乳癌や卵巣癌といったWomen’s healthを中心にサービスを展開していく。
KONICA MINOLTA社は自社の技術と新たに獲得した技術とのシナジーを活かし、幅広い分野から「真の個別化医療」を目指す。
RSNA 2018ブース紹介
○RSNA2018ブースの見どころ
昨年と同じブースメッセージ”Better Decisions, Sooner”に加え、今年は”See the future of Healthcare”をサブメッセージとした。
X線システム/医療ITソリューション/超音波診断装置の展示に加え、医療診断に新たな価値を提供するX線画像動態システムやバイオ技術を紹介する。
◆X線システム:世界最高レベルのスペックを持つAeroDR HDの展示に加え、北米市場での展開を予定しているX線画像動態システムを紹介する。
◆AeroRemote:サービスの利便性向上として、携帯端末でのレポート閲覧機能や教育等のコンテンツ拡充を紹介する。
◆Ultrasound:HS1、J5に加え、新たにリリースされたMX1を展示、高画質による診断精度の向上/簡便性/リアルタイム性によるスループットの向上を紹介する。
◆Healthcare IT:Cloud PACSソリューションを展示/実演、撮影から画像診断/画像保管まで一貫したワークフローを紹介する。
◆バイオ:コニカミノルタグループ入りした遺伝子検査会社Ambry Genetics社および創薬支援企業Invicro社が提供するサービスを紹介する。
Booth: 1919
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