富士フイルム、LED光源搭載の内視鏡システム用スコープの新ラインアップ 最短2mmの距離から、高精細・高画質な画像で病変などを細部まで観察可能 気管支内視鏡「EB-580S」新発売 処置具の挿通性と体液の吸引力の向上により、スムーズな内視鏡検査をサポート

2019.03.04

 富士フイルム(株)は、LED 光源搭載内視鏡システム「6000 システム」などに対応したスコープのラインアップとして、気管支内視鏡「EB-580S」を、本日より富士フイルムメディカル(株)を通じて発売する。本製品では、臓器の粘膜表層の微細な血管や構造などを強調して表示する機能「BLI(Blue Light Imaging)」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する機能「LCI(Linked Color Imaging)」などの画像強調機能を用いた観察が可能だ。さらに、従来※1 よりも近い最短2mm からの近接観察に対応。微細な病変などの視認性向上が期待できる。また、処置具のスムーズな出し入れを実現しており、医師の効率的な手技をサポートする。

 気管支の内部を観察する気管支内視鏡検査は、肺がんの診断において重要な役割を果たしている。肺がんは、他の臓器のがんに比べて進行が速く、転移しやすいがんで、日本では1998 年から21 年連続で死亡率が第1 位※2 の疾患だ。肺がんの治療では、気管支内視鏡を用いて採取した検体による病理診断や遺伝子解析などにより、腫瘍の特性に基づいて投与する薬剤を決定する。

 今回発売する気管支内視鏡「EB-580S」は、照射した光と画像処理を組み合わせることで、観察に適した画像を作り出す技術「Multi-Light Technology(マルチライトテクノロジー)」を搭載した内視鏡システムに対応している。通常の白色光観察に加えて、粘膜表層の微細な血管や構造などを強調して表示する機能「BLI」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する機能「LCI」などの画像強調機能を用いて観察することができ、気管支における炎症性疾患や虚血※3 などの微小な病変の発見をサポートする。
 スコープ先端の撮像素子には、高解像度スーパーCCDハニカムを採用。近接観察が可能なレンズを組み合わせることで、対象から2 ㎜の距離まで近づいても、粘膜表層の微細な血管などを高精細・高画質な画像で映し出す。また、検体を採取する処置具を通したり、痰や血液などの体液の吸引に用いる鉗子口径を従来※1よりも大きな2.2 ㎜へと拡張。処置具の挿通性と体液の吸引力の向上により、スムーズな内視鏡検査をサポートする。

 富士フイルムは、今後もさまざまな医療現場のニーズにこたえ、検査の効率化と医療の質の向上、人々の健康維持増進に貢献していく。

※1 従来機の気管支内視鏡「EB-530H」では、近接3.0mm から観察可能で、鉗子口径は2.0mm だった。
※2 出典:国立がん研究センターweb ページ「年次推移(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual.html)」より。
※3 組織や臓器への動脈血の流入が減少または途絶すること。局所的な貧血。

1.品名
販売名:電子内視鏡 EB-580S
一般的名称:ビデオ軟性気管支鏡
認証番号:228AABZX00082000
2.発売日
2019 年3 月4 日
3.主な特長
(1)高精細・高画質な画像を実現。近接観察に対応
・撮像素子に高解像度スーパーCCD ハニカムを採用。高精細・高画質な画像を実現した。
・最短2 ㎜からの観察が可能なレンズを採用した。従来機※4 よりも近接からの観察が可能となり、粘膜表層の微細な血管などの視認性向上が期待できる。
(2) 処置具の挿通性と体液などの吸引力が向上
従来機※4 よりも鉗子口径(2.2 ㎜)を大きくすることで、処置具の挿通性を向上。また、処置具を挿入した状態でも、痰や血液などを短時間で吸引し、明瞭な視野の確保をサポートする。
(3) 上葉気管支※5 への挿入性向上
従来機※4 よりもスコープ湾曲角度(210°)を大きくすることで、特に挿入が難しいとされる上葉気管支へのアプローチ性能が向上した。
(4)「マルチライトテクノロジー」により、微小な病変の観察をサポート
本製品が対応する「6000 システム」などのLED 光源搭載の内視鏡システムは、複数の照明の発光強度比を高精度に制御して、白色光と短波長狭帯域光を生成し、画像処理を組み合わせることで、観察に適した画像を作り出す技術「マルチライトテクノロジー」を搭載。粘膜表層の微細な血管や構造などを強調して表示する機能「BLI」や、画像の赤色領域のわずかな色の違いを強調して表示する機能「LCI」により、微小な病変の観察をサポートする。

★★

※4 従来機の気管支内視鏡「EB-530H」では、近接3.0mm から観察可能だった。また、鉗子口径は2.0mm、スコープ湾曲角度(UP)は、180°だった。
※5 肺上部にある気管支。

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富士フイルム株式会社
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