株式会社フィリップス・ジャパン(以下、フィリップス)は「2030年までに30億の人々の生活を向上させる」をビジョンに掲げ、健康な生活、予防、診断、治療、ホームケアにいたるヘルスケア・プロセスのすべてにイニシアティブを持ち「もっと健やかな未来へ」をコンセプトとして、すべての人の健康に貢献していきたいと努めている。
このたびフィリップスは、2018年9月18日に発表した「Heart safe city」の構想について、本格始動することを報告した。Heart safe cityではAEDの適正配置、ファーストレスポンダー(救急隊に引き継ぐまで適切に応急手当が出来る救護者)の育成サポート、行政や自治体との体制づくりを推進し、日本の社会復帰率「世界一」を目指す。
日本における心肺停止からの社会復帰率は著しく低く、世界の最善事例であるシアトルやコペンハーゲンと比較すると大きな差がある。これはAEDの適正配置に加え、その場に居合わせる人々がAEDの操作方法を理解するとともに、救命のために一歩を踏み出せるかどうかにかかっている。
そこで、フィリップスではHeart safe cityが本格始動するにあたり、IoT技術とアプリの連動により、より広範囲において、必要な人への一斉通知が可能となる。これにより、人がたくさん集まるような大規模イベントの救護体制をはじめ、各組織における自助・共助を強化した体制作りが可能になる。
特長
1.LTE-M通信規格
2.SOSボタン設置が容易
3.救援者への通知設定範囲が可能
4.ボタン押下より10秒強で一斉通知可能
Heart safe cityとは
1.AEDの適正配置
AEDの適正配置については、令和元年5月17日付けで厚生労働省医政局長から各都道府県知事等あて通知されているようにその重要性は日々高まっている。フィリップスは、AEDの適正配置に関するガイドライン補訂版(H30.12.25)を根拠にし、施設に合わせた提案をおこなっている。いざという時に、使用できるAEDを目指す。
2.ファーストレスポンダーの育成サポート
地域の消防組織や日本赤十字社などが行う講習会の補完的な講習会の位置づけと考えている。例えば、消防組織で普通救命講習を受講した場合、3年間の有効期限となる。その3年間継続的にスキルや意識を保つことを目的としている。自助、共助を強化するためには、そういった継続性が欠かせない。また、時間がないという人にも簡易に学べる場を設けられる学習方法をフィリップスはサポートする。
3.行政や自治体との体制づくり
Heart safe city運用にあたり個人情報の問題や地域住民への参加において行政や自治体からの協力なしでは実現不可能だ。根本となるものは、地域にいる人とのつながりであり、そのつながりが自助・共助を生み出す。様々な組織がそれぞれの役割を担いながら、新しいまちの価値として認識し、協働することが必要不可欠となる。
現状の数値的課題とSOSボタンによる期待値
平成30年版総務省消防庁救急救助の現況によれば、年間日本における心肺停止件数は、約12万件で、心原性の件数が約7万件である。そのなかで目撃のあるものが約2万5千件でAEDが使用された件数は1,200件程度で約4.9%となっている。現在、日本には、50~60万台あるAED(他社含む)といわれており、使用率は年々あがっているが、まだまだ改善の余地はある。
AEDは、医療機器として一般人にも使用が認められている。そして、AEDの蘇生事例が起こると、メディアなどでは“奇跡”と称せられる。その理由は、大きく3つあると考えている。まず、倒れた方に、誰かが気がつき、然るべきひとがAEDを持ってきて、AEDを使用し、蘇生した。こういった救命の連鎖を強固にするためには、この SOSボタンの存在はかかせない。いままで難しいとされてきた早期通報と初動のレスポンタイム短縮を可能にする。
●お問い合わせ
株式会社フィリップス・ジャパン ブランド コミュニケーション部
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