日本ベクトン・ディッキンソン (株)(以下、日本BD)は免疫異常症の診断、及び臓器移植後の治療効果の確認等に不可欠な検査機器であるフローサイトメーターと接続して、検査ワークフローを自動化する「BD FACSDuet™自動サンプル調製システム」(以下、BD FACSDuet™システム)を本日7月5日、発売する。
検体前処理から検査レポート作成までを自動化
BD FACSDuet™システムは22種類の採血管チューブタイプに対応しており、「BD FACSLyric™フローサイトメーター」に接続することで、検体の入った採血管をセットするだけで、一度に最大40検体を前処理から検査レポート作成まで、一連の工程をオートメーションで行う。また、バーコード管理により検体や使用された試薬のトラッキングを確実に行うことが可能である。
患者の免疫状態を正確に把握
HIV感染による免疫不全症や、PID(原発性免疫不全症)などの自己免疫疾患の診断には、免疫細胞の詳しい状態を把握することが大切。また、白血病や悪性リンパ腫などにおける幹細胞移植では、移植する造血幹細胞の絶対数を正確に測定することが求められる。こうした検査に用いられるのが幅広い臨床的アプリケーションに対応するフローサイトメーターである。
感染リスクとヒューマンエラーの発生を軽減
フローサイトメーターで標準化された検査を実現するためには、検体の前処理を正確に行うことが重要となる。BD FACSDuet™システムは予め登録された調製プログラムに沿って、内部に設置された検査用分注ロボットが熟達した検査技師に代わり、検体の分注から、試薬や溶剤のピペッティングによる注入、攪拌などを自動で行う。これにより、検体の調製におけるばらつきを抑え、ヒューマンエラーの発生や検査技師の感染リスクを軽減する。
日本BDはフローサイトメトリーシステムのパイオニアとして、疾患の診断や治療につながるソリューションの開発や医療従事者の安全性に配慮した製品を提供していく。
【製品概要】
販売名:BD FACSDuet自動サンプル調製システム
製造販売届出番号:07B1X00003000176
希望小売価格:1,180万円
◆測定の流れ◆
1.採血管の登録
検体の入った採血管をBD FACSDuet™システムにセットすると採血管のバーコードを読み込み、臨床検査情報サービス(LIS)からダウンロードされた検査オーダーに紐づけられる。
2.検体と分注したチューブをリンク
採血管をチューブラックへ収容。チューブラックのバーコードを読み取ることで、検査情報やワークリスト情報がBD FACSLyric™フローサイトメーターへ送信。チューブ一つひとつを検体とリンクする。
3.検査用分注ロボットが調製
検査用分注ロボットが試薬や溶剤をピペッティングにより注入。必要に応じてチューブラックを振動させ、攪拌させる。試薬バイアルはバーコードで試薬種類と使用期日が確認され、使用量(消費量)が追跡できる。
4.BD FACSLyric™フローサイトメーターに自動搬送
調製された検体が自動でBD FACSLyric™フローサイトメーターに搬送され、測定を開始する。チューブラックのバーコードを読み込んで、レポートがダウンロードされる。
【用語集】
フローサイトメーター
フローサイトメーターは人の体を構成する細胞の様々な特徴を高速で測定する技術(サイトメトリー法)を用いた検査装置である。フローサイトメーターでは蛍光標識した細胞を液体の中に流しレーザーを当てることで発生する散乱光や蛍光の強度を測ることで個々の細胞の性質を解析し、細胞集団についての情報を得ることができる。
BD FACSLyric™フローサイトメーター
BD FACSLyric™フローサイトメーターは臨床検査と臨床研究の両方をサポートするよう設計された高性能細胞分析装置である。血液細胞の表面に存在するタンパク質を蛍光標識することで一度に複数、分析することができる。それにより、白血病細胞の特性を分析したり、治療後にごく少量残った白血病細胞まで見分けることが可能となり、治療効果の確認に役立つ。その他にも、FACSLyric™フローサイトメーターでは、HIV患者の病状の進行をモニタリングすることや、白血病の治療などに用いられる骨髄移植などの造血幹細胞移植の幹細胞の計測に用いられる。(販売名:BD FACSLyricフローサイトメーター、製造販売番号:07B1X00003000161)
BD FACSLyric™フローサイトメーターを使って行われる主な検査
1.CD4,CD8 リンパ球サブセット検査
人の体を細菌やウイルスより守る免疫を司る免疫細胞の割合/絶対数を測定する検査で、HIV感染症のモニタリングや患者の免疫の状態を正確に把握するために行われる。
2.CD34 陽性細胞数測定
白血病等の治療に用いられる造血幹細胞の移植量を決定するために、幹細胞数の計測を行う。
3.造血器悪性腫瘍解析
白血病や悪性リンパ腫の診断や分類を行う。
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