フィリップス、ヘルステックカンパニーとして「2030年までに年間30億人の生活向上」を目指す -ヘルスケアモビリティを発表し、伊那市との連携強化-

2019.12.02
 (株)フィリップス・ジャパン(以下、フィリップス)は11月26日、帝国ホテル(東京都千代田区)にて2020年事業戦略発表会を開催した。
 第一部として「2020年戦略発表~ビジネス領域の拡大と深化~」と題し、堤 浩幸氏(フィリップス・ジャパン代表取締役社長)が登壇した。
 「我々は2030年までに年間30億人の人々の生活を向上させるという目標を掲げ、ヘルスケアの観点からMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)に取り組み、企業や自治体とパートナーシップを通じて更なるオープンエコシステムの構築を目指している。
 また、トータル・ホスピタル・マネジメント・ソリューション(Tasy)を11月より日本市場に導入した。日本市場向けTasy開発及び導入にあたり、日本アイ・ビー・エム(株)(以下、日本IBM)と協業する事に合意した。Tasyの導入によりこれまで個別だった電子カルテや部門システム、医事会計、物流・在庫管理機能、経営管理等が統合され、1つのデータベース、統一されたユーザーインタフェースで使用可能となり、リアルタイムな情報共有が可能となる」と述べた。
さらに同社は赤ちゃんと母親の健康を守る「マザー&チャイルドケア事業」として、新ブランド「PHILIPS AVENT(フィリップス・アベント)」の立ち上げとアプリ「マタニティ+」の12月9日より日本市場向けに運用開始を発表した。「マタニティ+」とは、健康な妊娠期と安全な出産をサポートするため、日々の妊娠情報や成長過程に合わせたデイリーブログ、ウィークリー記事、ガイドやヒント等、妊娠期に必要な情報を確認できるアプリである。
 続いて白鳥 孝氏(伊那市長)は「現在、伊那市を始め多くの地方自治体では医療施設及び従事者の不足、もしくは外出困難な患者の増加等により医療が十分に受けられない事が課題となっている。我々は『伊那に生きる、ここに暮らし続ける』をスローガンに掲げている。フィリップスと連携して医療とMaaSの組み合わせで伊那市に住む方が健康な生活を送れるようにならないか期待している。
 ヘルスケアモビリティ特別車両は地元開業医と連携し、看護師等が車両で患者の自宅等を訪問し、車両内のテレビ電話により医師が病院から患者を診察し、看護師が医師の指示に従って検査や必要な処置を行う事を想定している」と語った。
 2021年3月まで伊那市にて実証事業にて運用開始し、実証事業以降は地元開業医との連携に加え中核病院との連携を通じ、事業のモデルケースを確立させていく予定だ。
 最後に宮川 潤一氏(MONET Technologies代表取締役社長)は「この車は第一歩だ。将来は移動型調剤薬局や、移動クリニックも視野に入れている。また今後は自動運転にもなってくるだろう。過疎地の医療にも貢献したい」と意気込みを語った。

●お問い合わせ
株式会社フィリップス・ジャパン
https://www.philips.co.jp