富士フイルム和光純薬(株)(以下、富士フイルム和光純薬)と日本ケミファ(株)(以下、ケミファ)は、ケミファが製造販売するアレルギー検査キット「ドロップスクリーン特異的IgE測定キットST1」以下、ドロップスクリーンおよび測定装置である「ドロップスクリーンA1」(製造販売元:上田日本無線(株))を、2020年2月20日「アレルギーの日※1」にそれぞれ販売を開始する。
近年、アレルギー疾患の患者数は増加傾向にある。現在のアレルギー検査は、直接アレルゲンを皮膚に注射して反応を見る皮内テストやプリックテスト※2を院内で実施する方法、あるいは血液を採取して外部専門機関に分析を依頼し、後日、受診者に検査結果を報告する方法が一般的である。また、これまで10種類以上の多項目のアレルギーを調べるスクリーニング検査のためには12ccの血液を注射器で採る必要があった。
今回販売を開始するドロップスクリーンは、「微量採血で受診者の負担を軽減し、アレルギー検査をより身近に」というコンセプトで開発された検査キットである。1滴(20μL)の血液(全血、血漿、血清)で41項目のアレルゲンに対する特異的IgE抗体※3測定を一度に且つ、30分という短時間で実施できるため、検査結果を速やかに受診者へ伝えることができる。また、全血の場合は指先からの微量採血でよい※4ことから、小児など注射器での採血に抵抗感のある受診者にも、安心して検査を受けていただける。
富士フイルム和光純薬と日本ケミファは、ドロップスクリーンの販売を通じて、臨床現場においてより効率的な検査を可能にし、医療の質の向上に貢献していくことを目指す。
※1 2月20日は、1966年(昭和41年)2月20日にIgE(免疫グロブリンE抗体が発見されたことを記念して、「アレルギーの日」として、1995年(平成7年)に公益財団法人日本アレルギー協会により制定された。
※2 アレルゲン液を皮膚の上に一滴のせ、専用の針で軽く指して反応を見る方法。即時型アレルギーに対する検査として、その安全性や有用性、簡便さから日本や欧米で推奨されている検査法である。
※3 免疫の中で大きな役割を担っている抗体は、物質としては免疫グロブリン(Immunoglobulin、略称Ig)と呼ばれ、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類がある。その中で、IgEは最も量が少ないが、即時型アレルギーに関与する重要な物質である。
※4 血漿・血清の場合には注射器での採血が必要である。
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富士フイルム和光純薬株式会社
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