•「MitraClip® G4 システム」は、2017年に日本で初めて承認された低侵襲性の経皮的僧帽弁接合不全修復システム「MitraClip」の最新世代製品である。
• クリップサイズを増やしたことにより、個々の僧帽弁の解剖に合わせて留置するクリップの選択をすることが可能になった。
• 弁尖を把持する機能の改善や、システムを介しての術中モニタリングを実現した。
2020年8月3日―アボットメディカルジャパン(合)は、僧帽弁閉鎖不全症(Mitral Regurgitation=MR)の治療を目的としたMitraClipについて、最新の第4世代製品となる「MitraClip® G4 システム」の製造販売承認を2020年6月19日に取得し、本日、発売開始したことをお知らせする。
(医療機器承認番号:22900BZX00358000、販売名:MitraClip NTシステム)MitraClipは、日本で初めての低侵襲性の経皮的僧帽弁接合不全修復システムとして 2017年10月に承認され、2018年4月より保険適用となりました。また、2020年4月には対象患者が、左室駆出率が20%以上の高度左室機能低下患者に拡大された。現在、日本においては第2世代製品が販売されている。
新しい第4世代の「MitraClip G4 システム」では、4種類のクリップサイズを導入したことにより、個々の僧帽弁の解剖に合わせて留置するクリップの選択をすることを可能にし、また、デリバリーシステムのステアリングなどの操作性を向上させた。僧帽弁閉鎖不全症(Mitral Regurgitation=MR)は、心臓の僧帽弁が完全に閉じないために左心室から左心房へ血液が逆流する進行性の心臓病で、息切れや呼吸困難といった症状を呈し、重症化すると心不全を引き起こす可能性があり、最悪の場合死に至る恐れがある1,2,3 。世界での患者数が400万人と推定4 される心臓弁膜症の中で最も多い疾患の一つです。MRは高齢者に多い疾患で、年齢や併存疾患により外科的手術が困難な症例も多く、承認されて以降、MitraClipはMR治療の重要な治療選択肢となってきた。
鳥取大学医学部循環器・内分泌代謝内科教授の山本 一博先生は次のように述べている。「僧帽弁の形状は僧帽弁閉鎖不全の患者さんごとに異なっており、一人ひとりの患者さんに合わせたアプローチが求められていました。新しいMitraClipはこの点に対応し、クリップサイズにバリエーションができました。また、グリッパーラインの設計変更による手順の簡素化、弁尖をそれぞれ独立して把持できるなどの新機能の追加、システムを介しての術中モニタリングを実現といった点も安全で効果的な手技を行う上では重要だと考えています。同時に、クリップサイズの選択、新機能活用の要否などについて、術者のより慎重な判断も求められます。新しいMitraClipを導入することにより、僧帽弁閉鎖不全症に苦しまれているものの外科的手術リスクの高い患者さんに、個別最適化されたアプローチで、低侵襲の治療が提供されていくことを期待します。」
1 Cioffi G, et al. Functional mitral regurgitation predicts 1-year mortality in elderly patients with systolicchronic heart failure.European Journal of Heart Failure 2005 Dec;7(7):1112-7
2 Grigioni F, Tribouilloy C, Avierinos JF, et al; MIDA Investigators. Outcomes in mitral regurgitation dueto flail leaflets: a multicenter European study. JACC Cardiovasc Imaging. 2008;1(2):133-141
3 Enriquez-Sarano M, Avierinos JF, Messika-Zeitoun D, et al. Quantitative determinants of the outcome ofasymptomatic mitral regurgitation. N Engl J Med. 2005;352(9):875-883
4 Millennium Research Group. US Markets for Heart Valve Devices 2014. 2013; RPUS12HV13:151.*Calculations made based on data
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