なかでも次の分野は近年急成長を遂げている:
・脳機能イメージング:脳機能のマッピング性能を向上させ、発達障害や機能障害の診断に役立てる。
・放射線生物学:ガン治療への応用が進められているもので、フランス原子力庁(CEA)が共同研究を行っている。CEAはイオン化放射線とその検出器の分野で世界最高レベルの知識を誇る。
・遠隔医療:遠隔地から患者の健康を監視することを目的とし、遠隔モニタリング・遠隔診断、社会的接触を維持するための通信技術からなる。平均寿命の延長や自立生活維持の支援などを行っている。
フィリップス、GEヘルスケア、シーメンスメディカルソリューションズ、東芝、日立、Agfa Healthcare社、Bioptics社、Digirad社、MITAなど、医用イメージングで活躍する多くの外国企業がフランスに進出し、製造拠点や研究所を置いている。その売上は仏医用イメージング市場の3分の2を占めるほか、輸出高の約80%をも占める。
医用イメージングの発展には医療・病院施設の研究体制が整っていることが不可欠だが、この点でフランスは先端研究の実績だけでなく、大規模な専門機関も多い。フランス原子力庁(CEA)の脳神経機能イメージングの拠点NeuroSpin、イメージングのプラットフォームであるMIRCEN(Microbial Resource Centre:微生物資源センター)、BroussaisやPitie-Salpetriereといった病院、フランス国立情報学自動制御研究所(INRIA)、フランス国立農学研究所(INRA)、フランス国立医学研究機構(INSERM)、フランス国立科学研究センター(CNRS)など。
フランスの産業クラスターでは画期的なパートナーシップが次々と実現しており、その多くに外国企業が参画する。各地方が誘致先としての産業クラスターの魅力を重視しており、オープンな「生態系」ビジネス例となっている。Alsace BioValley(アルザス)、Atlanpole Biotherapies(ペイ・ド・ラ・ロワール)、Cancer-Bio-Sante(ミディ・ピレネー)、Elopsys(リムーザン)、Eurobiomed(プロヴァンス=アルプ=コートダジュール、ラングドック=ルシヨン)、Optitec(プロヴァンス=アルプ=コートダジュール)、Minalogic、Lyonbiopole(ローヌ=アルプ)、Medicen Paris Region、Cap Digital Paris Region、Systematic(イル=ド=フランス)、Images et Reseaux (ブルターニュ/ペイ・ド・ラ・ロワール)、Alpha-Route des lasers(アキテーヌ)など、フランスには産業クラスターが71拠点あり、これに参加する外国企業は計650社以上にのぼる。
外国企業のクラスター進出を支えているのは、イノベーションを奨励する税優遇措置「研究開発税額控除」制度である。また政府が導入した「将来への投資プログラム」の一環として、フランス国立研究機構(ANR)が主催する医療・バイオ関連プログラムに対し、これまでに15億5000万ユーロの予算を拠出している。官民共同研究が推進され、フランスの研究開発活動がより一層盛んになり、ポストゲノム技術の進歩が経済効果を生み、生物学的データ収集が加速されるなどが期待される。
医用イメージングの大企業も、フランスの中小企業が持つ高い専門性とイノベーション技術に注目している。これら多くの中小企業は、専門性の特化やニッチ戦略で成功している。世界で唯一、ガン治療用マルチウェーブイメージング装置を扱うスーパーソニックイマジン社、医療用造影剤のトッププレーヤーで欧州シェアの25%を占めるゲルベ(Guerbet)社がその一例だ。
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広報担当 ジェレミ・エルヴェ(Jeremy HERVE)
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