アストラゼネカと富士フイルム 肺がんの化学放射線療法の過去症例を検索・参照できる医療情報システムの共同開発を開始
切除不能ステージⅢ非小細胞肺がん同時化学放射線療法において医師の治療計画のサポートを目指す
アストラゼネカ株式会社(本社:大阪市北区、代表取締役社長:ステファン・ヴォックスストラム、以下、アストラゼネカ)と富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:助野 健児、以下、富士フイルム)は、切除不能なステージⅢ非小細胞肺がん(Non- small cell lung cancer、以下、NSCLC)に対する同時化学放射線療法(Chemoradiotherapy、以下、CRT)の過去症例を搭載し、類似する症例が検索できる医療情報システム(以下、検索システム)の共同開発を開始したので、お知らせする。
CRT は、がんの治療法の 1 つで、放射線療法と化学療法を同時に組み合わせる治療法です。肺癌診療ガイドラインにおいて、全身状態が良好な場合の切除不能なステージⅢの NSCLC の治療法として、根治を目的とした CRT が推奨されている 1。近年の放射線治療の高度化や免疫治療薬の登場による治療法の進展に伴い、切除不能なステージⅢNSCLC 患者さんにとって根治を目的とした CRT はますます重要性が高まっている。
今回、共同開発する検索システムは、NSCLC における過去の CRT 症例を収載し、医師の治療計画の参考となる情報を提供する。医師が CRT 症例の CT 画像を検索システムに入力し腫瘍の位置を指定すると、システムに収載されている過去の症例の中から、症例画像と腫瘍の位置が類似した症例を検索できる。医師は検索結果として表示された類似症例の中から、参照したい症例を選択し、治療計画情報を表示させることができる。
【検索システムの流れ】
アストラゼネカと富士フイルムは、複数の医療施設のご協力のもと、過去に CRT 治療を適用した症例の放射線治療計画情報を、共同開発を進める検索システムに収載し、医師の治療計画のサポートを目指す。検索システムの構築においては、アストラゼネカが症例を収集し、富士フイルムが症例のデータベース化および検索機能の開発を行います。その後、医療施設とともに検索システムの品質を確認し、富士フイルムの診断システムに搭載する予定。
アストラゼネカと富士フイルムは、検索システムの構築を、CRT 適応患者さんにおける治療の最適化につなげ、一人でも多くの患者さんの予後改善に貢献することを目指す。
肺がんについて
肺がんは、男女共にがんによる死因の第 1 位であり、すべてのがんによる死亡の約 5 分の 1 を占めている 2。日本では、2019 年に約 122,300 人が肺がんと診断され、肺がんによる死亡は約 76,000 人にのぼりました 3。肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大きく分けられ、肺がん患者さんの 80~85%が NSCLC と診断される 4。
ステージ III の NSCLC(局所進行性)は、一般的に、「局所的にどの程度がんが拡がっているか」、および「手術の可否」によって定義される 3 つのサブカテゴリー(IIIA、IIIB および IIIC)に分類され、5 ステージ III の患者さんの大半は根治目的の治療を行う 5,6。日本におけるステージ III の非小細胞肺がん患者さんは、肺がん患者さん全体の 21.1%を占めており、毎年約 20,000 人が新たにステージ III の非小細胞肺がんと診断されているといわれている 3。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器・自己免疫疾患の 3 つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。英国ケンブリッジを本拠地として、アストラゼネカは 100 カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細については
http://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。
日本においては、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器を重点領域として患者さんの健康と医療の発展への更なる貢献を果たすべく活動している。アストラゼネカについては https://www.astrazeneca.co.jp/をご覧ください。
富士フイルムについて
富士フイルムは、写真フイルムで培ってきたさまざまな技術を生かし、「ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション」・「イメージング ソリューション」の領域で幅広い事業を展開している。ヘルスケア領域では、「予防」から「診断」、そして「治療」まで、すべての領域で人々の健康に貢献できる幅広い技術と知見を持った「トータルヘルスケアカンパニー」として、多種多様な製品・サービスを通じて、人々の生活の質のさらなる向上に取り組んでいる。
ヘルスケア領域の中核を担うメディカルシステム事業においては、医療 IT システムを核に、X 線画像診断システム、内視鏡システム、超音波診断装置、体外診断システムなどを展開しており、独自の画像技術、光学技術、システム設計技術、さらには最先端の AI 技術や ICT を各製品・サービスに応用。画像診断における医師の診断支援やワークフローの効率化を目指したソリューション開発・提供をスピーディに進めている。富士フイルムについては https://fujifilm.com/jp/をご覧ください。
お問い合わせ先
アストラゼネカ株式会社
東京都千代田区丸の内 1-8-3 丸の内トラストタワー本館コーポレート・アフェアーズ統括本部:白井、杉本
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