ボストン・サイエンティフィック ジャパン、非弁膜症性心房細動による脳卒中を予防する次世代「WATCHMANFLX TM左心耳閉鎖システム」新発売

2021.10.08

~多様な左心耳形状への適合、手技性能と安全性の向上を目指した設計~

ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:スティーブン・モース)は、左心耳閉鎖術において多様な左心耳形状に適合し、さらなる手技の安全性の向上に寄与する次世代「WATCHMAN FLXTM 左心耳閉鎖システム」を発売した。本製品は「WATCHMANTM 左心耳閉鎖システム」1(2019 年9月発売)をベースにデザイン変更・設計されている。本製品は、安全性と有効性を評価するPINNACLEFLX 試験において、主要安全性評価項目および主要有効性評価項目を達成し、高い手技成功率と直接経口抗凝固薬(DOAC)中止率が証明された。
【次世代「WATCHMAN FLXTM 左心耳閉鎖システム」の特長】
■手技の安全性と精度向上のための新設計
①全体を球状化したボール設計により、左心耳内でのよりスムーズな位置調整が可能だ。
②2 列18 個の精密なアンカーは左心耳組織への長期安定性が期待できる。
③再収納、再設置と再展開可能なデザインとすることで、より正確な位置での留置が期待できる。
④左心耳入口部の接触点が80%増加したことにより、左心耳閉鎖率向上が期待できる。
⑤スクリューの金属露出が77%減少し、デバイス血栓発生の低減を目指す。
■多様な左心耳形状に適応可能な5 つのデバイスサイズ展開
各デバイスサイズの適合範囲が増え、左心耳入口部14mm~31.5mm に対応する5 つのデバイスサイズを取り揃え、また、浅い左心耳でも留置できる設計となり留置可能な左心耳の幅が広がった。

販売名:WATCHMAN FLX 左心耳閉鎖システム(医療機器承認番号:30200BZX00383000)

【左心耳閉鎖術について】
心房細動により、心臓にできた血栓が原因となる心原性の脳卒中の場合、血栓形成の約9割が心臓の左心房にある「左心耳」に起因するといわれている。本製品は、非弁膜症性心房細動による血栓の形成に起因する左心房にある「左心耳」を閉鎖し、脳卒中を予防する医療機器で、非弁膜症性心房細動を罹患し長期間の抗凝固薬の服用ができない患者さんに対して、心房細動による脳卒中を予防するという新しい治療選択肢だ。開心術を行う必要がなく、鼠径部の静脈から細い管(カテーテル)を通して心臓に挿入され、左心耳を閉鎖し、脳卒中のリスクを低減。また、出血リスクを伴う抗凝固薬の服用を中止できる可能性がある。約1,200人の患者さんに留置実績のあるWATCHMAN TMの次世代製品WATCHMAN FLXTM は、さらなる手技の安全性の向上が期待され、患者さんへの適切な治療に貢献する。
東邦大学医療センター大橋病院の循環器内科准教授 原 英彦先生は、「今後、更に高齢化が進み、心房細動の患者数は2010 年の約80 万人から、2030 年には100 万人を突破すると予想。WATCHMAN FLXTM による左心耳閉鎖術は、引き続き有効な治療選択肢となり、患者さんのQOL 向上に貢献するだろう。新たな臨床試験の実施により、将来的にさらなる発展を期待する」と述べている。
WATCHMAN FLX TM に関する臨床試験は引き続き継続しており、経口抗凝固薬(NOAC)と比較評価する多施設国際
共同試験「CHAMPION-AF 臨床試験」が開始されている。非弁膜症性心房細動患者さんにおいて本製品による左心耳閉鎖術が経口抗凝固薬(NOAC)の合理的な代替療法となりうるかという検証を目的とした試験で、日本でも9月下旬より登録が開始された。
ボストン・サイエンティフィックでは、引き続き明確なエビデンスとともに費用対効果の高い医療技術、よりパフォーマンスの高い医療サービスを提供し、低侵襲治療領域におけるイノベーティブな製品により患者さんとそのご家族のQOL 向上に貢献する。
■PINNACLE FLX 試験
次世代WATCHMAN FLXTM の安全性と有効性を評価するPINNACLE FLX 試験では、主要安全性評価項目および主要有効性評価項目を達成し、高い手技成功率と直接経口抗凝固薬(DOAC)中止率が証明された。

●主要安全性評価項目1)を達成

 ー虚血性脳卒中 0.5%

 ー全死亡率 0%

 ー開胸手術を要する心嚢液貯留 0%

 ーデバイス塞栓 0%

●主要有効性評価項目を達成

 ー左心耳有効閉鎖率 100%2)

●DOAC 服用中止率 96.2%3)

●手技/留置成功率 98.8%4)


PINNACLE FLX 試験の詳細に関しては、弊社ホームページにてリリースされておりますので、下記アドレスよりご確認できる。
https://www.bostonscientific.com/jp-JP/news-releases/2021-news-releases/2021-9-1-news-release.html

1)手技後7 日又は退院時のいずれか遅い時点までに発現した、以下のいずれかの事象の発現率:
すべての死亡、虚血性脳卒中、全身性塞栓症、又は開心術や重大な血管内インターベンションを要する試験機器もしくは手技関連事象、例えば仮性動脈瘤修復術、又は他の重大な血管内修復術など
2)12 ヵ月時点。左心耳の有効閉鎖はデバイス周囲の残存血流が5 mm 以下の場合と定義し、独立したコアラボで判定
3)留置後45 日間フォローアップ時点
4)手技成功はWATCHMAN FLX デバイスの左心耳へのデリバリーとリリースが成功した場合と定義

■心房細動について
心房細動は、心臓の中で血液が流れ込む心房が細かく震えることで起こる不整脈の1 つで、血液がよどみ形成された血栓が移動することで、脳卒中を引き起こすリスクがある疾患だ。特に高齢者で罹患のリスクが高く、高齢化に伴い、患者数は2010 年の約80 万人から、20 年後の2030 年 には100 万人に増加するといわれている2。心房細動がある人は、心房細動がない人と比べると、脳卒中リスクが5倍高く、心房細動のある患者さんの約3分の1が脳卒中を発症するといわれている。脳卒中は、寝たきりの原因の1位、認知症の原因の2位にあげられ3、要介護となるリスクも高いことから、脳卒中の発症を抑制するための治療が重要になっている。これまで、薬物療法として、抗凝固薬により血栓形成を予防していたが、出血リスクが高まるという課題もあった。
1:2019年9月2日プレスリリース https://www.bostonscientific.com/jp-JP/news-releases/2019-news-releases/2019-9-2-news-release.html
2:国立循環器病研究センターウェブサイトより
3:日本脳卒中協会ウェブサイトより


<ボストン・サイエンティフィックについて>
ボストン・サイエンティフィックは、低侵襲治療(インターベンション)に特化した医療機器メーカーとして、1979年に米国で誕生した。現在の取扱製品は13,000種以上であり、グローバルで約29,000名の従業員、13ヵ所の製造拠点を擁し、125ヵ国近くのマーケットで確固たる地位を誇る世界最大級の医療機器メーカーとして、医療テクノロジーをリードし続けている。
世界第2位の医療機器市場である日本においては、心血管疾患領域をはじめ、不整脈・心不全疾患領域、末梢血管疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、婦人科疾患領域、疼痛管理・パーキンソン病の治療領域で、患者さんの人生を実り多いものにすることに全力で取り組み、日本の医療に意義のあるイノベーションを起こしていく。


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