スウェーデンのストックホルムに本社を構える放射線治療のパイオニアであるElekta AB。日本においては放射線治療に関わる製品・サービスを提供して放射線治療のプロセス全体をサポートしてきた。今回、千葉大学医学部附属病院への同社製品「Elekta Unity MR リニアックシステム(以下、Elekta Unity)」の導入に際し、プレスセミナーを11月11日(木)に開催した。
高精度放射線機器Elekta Unityの導入は、日本初の試みであり、これまで見えにくかった腫瘍や重要臓器を明瞭に描出することを可能にした治療機器に注目が集まっている。MR画像誘導放射線治療を用いる理由として、①5つの画像コントラストによるサブミリメートルレベルの鮮明な視覚化、②大きさや形状といった日々の変化に即時適応、③1㎜のビーム精度で高精度治療を実現、④3平面で同時にモーションモニタリング、⑤生物学的MRによる早期放射線応答評価が挙げられる。チャールズ・シャーネン氏(エレクタ株式会社 代表取締役社長)は、「見えなかったものが見えるようになり、放射線治療は新たな時代を迎えています。現在世界中で37台のUnityシステムが臨床使用中であり、40以上の部位、3,100人以上の患者さんを治療し、治療効果が示されています」と述べた。また、放射線治療にElekta Unityを用いることについて宇野 隆先生(千葉大学大学院医学研究院 副研究院長 画像診断・放射線腫瘍学 教授)は、「画像誘導技術が画期的に変わります。がん放射線治療が見える化され、病巣の動きを見ながら正確に放射線を照射することができ、即時適応も可能になります」と語った。
小さな腫瘍を見つけ、正常組織への照射が抑えられる確実性、安心感を備えた高精度な放射線治療は、患者にとってやさしい治療であるばかりではなく、色々な可能性を秘めている。