第14回3D PACS研究会は2022年1月16日(日)、「VUCA(予測不可能)時代におけるイノベーション~新型コロナ感染症の対応のあと…~」と題し、前回に続きWebセミナー形式で開催された。
開会に当たり当番世話人の金沢 勉氏(新潟大学医歯学総合病院)は、「オミクロン株によるCOVID-19の急速な拡大は、今回のテーマにあるVUCA時代を象徴している」とし、「このような時代において、アフターコロナの放射線診療を考える機会にしたい」と述べ、4つのプログラム構成について説明した。なお、総合司会は小林隆幸氏(北里大学北里研究所病院)が務めた。
セッション1「新型コロナ感染症対応」では、麻生智彦氏(国立がん研究センター中央病院)が座長を務め、荒木隆博氏(山形県立中央病院)が、「予測不可能?放射線領域のニューノーマル」をテーマに発表した。
続く、セッション2「伝えたい線量管理の現状と問題点」では、松村光章氏(Cardiovascular Research Foundation)が座長を務め、2名の発表のほか、企業の情報提供が行われた。先に倉元達矢氏(新潟大学医歯学総合病院)による、「Radimetricsを用いたCT線量管理〜実運用における問題点〜」と題した発表があった。続いて、「レバレッジ 核医学検査における線量管理と記録」をテーマに、池田龍二氏(熊本大学病院)が発表した。池田氏は、ユーザーエクスペリエンス(UX)デザインの重要性について言及した上で、核医学検査の標準化に向け日本核医学会などが策定した「核医学分野における診療用放射線の安全利用のための指針策定のガイドライン」や、DICOMのRDSR、RRDSRについて解説した。また、核医学検査の線量管理・記録の課題として、管理・記録の場所とタイミングの違い、放射線医薬品の投与記録と添付文書、RRDSRの普及率などを挙げた。そして、熊本大学病院における核医学検査の線量管理・記録のためのシステムと、その運用方法について解説。さらに、データ分析・処理のために導入したオープンソースの“R Studio”によるデータ解析の手法を紹介した。
セッション3「サブスクリプション・オーケストレーションの現状と未来」では、富田博信氏(済生会川口総合病院)と牛尾哲敏氏(滋賀医科大学医学部附属病院)が座長を務め、「サブスクリプション時代における3Dワークステーションの立ち位置」をテーマに、行方正紀氏(テラリコン・インコーポレイテッド)の発表があった。
それぞれのセッションの間には、バイエル薬品,フォトロン M&E ソリューションズ(株)、(株)メディカルクリエイト、EIZO(株)、フジデノロ(株)、インフォコム(株)、(株)イメージワン、(株)アイ・エス・ビー、フクダ電子(株)、富士製薬工業(株)などの各社から情報提供が行われた。
最後のセッション4「最新のAI情報」では、金沢氏が座長を務め、近藤世範氏(新潟大学大学院保健学研究科教授)による特別講演「医療用AI研究の動向—AI-CADを中心に—」が行われた。
すべてのセッション終了後は、次回当番世話人である牛尾氏が挨拶し、閉会となった。
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http://3dpacs.kenkyuukai.jp/