ファイザーがさまざまな疾患の治療に革新をもたらす バイオシミラーについてのセミナーを開催

2022.04.08

 2022年4月5日、東京・大手町の三井カンファレンスでファイザー株式会社によるプレスセミナー「バイオシミラーの現状と課題」が開催された。同セミナーは同時にオンラインによる配信も行われた。

 オープニングコメントとしてサビーネ・ジリアム氏(ファイザー株式会社取締役執行役員 オンコロジー部門長)が挨拶した後、小野知穂氏(同オンコロジー部門 メディカル・アフェアーズ部)より「バイオシミラーとは」と題したプレゼンテーションが行われた。小野氏はバイオ医薬品と低分子医薬品の違いや安全性について説明した後、バイオシミラーについて「国内で既に承認されたバイオ医薬品と同等の品質、安全性、有効性を有する医薬品であり、従来の医薬品では困難であった疾患の治療に対して革新をもたらしている」と述べた。

 次に桜井なおみ氏(一般社団法人CSRプロジェクト代表理事)による患者の立場からの「バイオシミラーの現状と課題」についてのプレゼンテーションがあった。「患者側の懸念として本当に信頼できるのか、安定して供給されるのか、患者の自己負担はジェネリック医薬品同様に安くなるのか等が挙げられるが、実際には安定供給、価格面等の懸念は問題ない。もっと、医薬品開発に患者を含めた市民の参画を推進し、普及活動に努めるべきである」との説明があった。

桜井なおみ氏

 続けて坂巻弘之氏(神奈川県立保健福祉大学大学院教授)が「バイオシミラーの現状と課題」について医療従事者の立場からの発表を行った。坂巻氏は2017年以降は着実に増加している日本におけるバイオシミラーの承認数等について説明した後、「使用される数量、市場規模も確実に増加している。医療関係者の受け入れも増加しているが、患者からの認知はまだまだ低いのが現状である。国民参画によるバイオシミラーの普及・啓発活動を通して、持続可能な社会保障制度を構築していくことが不可欠である」と語った。

坂巻弘之氏

 最後に松元亮介氏(ファイザー株式会社 オンコロジー部門  マーケティング部)より「日本におけるバイオ医薬品市場の将来推計とバイオシミラーによる医療費適正化効果の検討」に関するプレゼンテーションが行われ、バイオシミラー開発、普及に関するファイザーの取り組みを紹介した。