COCOLY

ITEM2022 Report:
2022.04.17

独自の散乱像再構成技術「リングエコー撮像法」によって、受診者に寄り添う乳がん検診を実現するのがCOCOLYである。受診者はベッド型検査装置の上でうつ伏せになり、ベッド中央にある脱気されたお湯で満たされた開口部に乳房を片側ずつ下垂させる。すると、穴の中に設置された約2,000の素子から構成されるリング型振動子アレイの一部素子から超音波が送信され、360°から撮像し自動的にエコーデータを取得する。リングアレイが下に移動して断層像撮影を繰り返すことで、撮像時における乳房の形状変化がほぼないまま高い再現性を持つ3D画像を作成する。術者は位置を調整し、深さを入力して開始ボタンを押すだけなので、術者のスキルに左右されない安定した画像が再現できる。また、受診者と術者が直接触れることや、術者に乳房を直接見られることなく検診ができるため、受診者はコロナ禍でも安心感を持って受診できることもメリットの一つである。

ブースで取締役兼CTOの東 隆氏は「この装置によって、受診者に触れずに3D画像を撮影し、検査を行うことに成功した。しかし、まだ完全に自動で読影までができるわけではない。次の段階としては、AIを活用し、完全に自動で撮像から読影までが可能な装置を作りたい。本製品は開発当初から近い将来にAIを組み込むことを前提として作られているため、術者や撮り方によって同じ症例でも画像が変わるということがない。そのため、AIも組み込みやすいのが特徴である」と述べた。

また、取締役兼COO/CFOの近藤洋平氏は「本製品はこれからの乳がん検診において、受診者、医療従事者双方の負担を大きく軽減することが期待されている。特に、多くの女性受診者に喜んでいただける製品だと考えている」と語った。

 

 

ブースにて、写真左から近藤洋平氏、東 隆氏、寺田 曜氏

 

受診者は腹臥位となり、ベッド型検査装置中央にある開口部に乳房を入れて検査を行う。