ホロジックジャパン、日本の女性の QOL 向上を目的に婦人科外科手術事業部を立ち上げ、子宮筋腫や子宮内膜ポリープの子宮鏡手術のユーザー拡大を狙う製品群を今月より新たに発売 不妊治療の一部保険適用開始で予測されるニーズの高まりに応える
ウィメンズヘルス分野のリーディングカンパニーであるホロジック社(本社:アメリカ マサチューセッツ州)の日本法人であるホロジックジャパン株式会社(本社:東京都文京区)は、婦人科外科手術領域において、子宮筋腫・子宮内膜ポリープを低侵襲な手技で切除することを可能とする子宮鏡手術に必要な製品群を新たに2022 年 4 月より発売開始する。本製品は、これまで複雑な手技が必要であった子宮鏡手術の分野において、医療従事者にはより簡便かつ短期間で習得しやすい手技を可能とし、異常子宮出血(AUB)や不妊の原因になりうる子宮筋腫や子宮内膜ポリープで悩むより多くの女性のために低侵襲かつシンプルな治療の選択肢を提供する。ホロジックジャパンは、日本の女性の QOL 向上を目的として、昨年ガイネコロジックサージカルソリューションズ事業部を立ち上げ、製品導入準備を行ってきた。
子宮筋腫は子宮にこぶのように発生する良性腫瘍。小さなものも含めると、30 歳以上の女性の 20~30%にみられる。子宮内膜ポリープは、子宮の内側(子宮内膜)にできるポリープであり、子宮筋腫と共に、不正性器出血や過多月経の症状の原因になる。子宮の内腔に発生するポリープや筋腫は着床の障害になり、また筋腫などによる内腔の変形や内膜の血流障害も着床障害の原因として考えられ、不妊の原因の一つになる。子宮筋腫・ポリープは、症状が現れない場合は経過観察することが多いものの、過多月経などの症状が重い場合や妊娠を希望する場合は、治療が必要となる。治療の方法としてはホルモン療法や子宮鏡手術が主として選択され、日本では子宮鏡手術は全身麻酔または部分麻酔を必要とするため、入院手術を行う施設が大多数であった。4 月 1 日より不妊治療の一部が保険適用となり、これまで治療を躊躇していた方や新たに不妊治療を行う方が増加することが予想され、子宮鏡治療に対する需要も高まる状況にある。
この度発売する「Hologic MyoSure® MANUAL ティッシュリムーバルデバイス」および「Hologic MyoSure® ティッシュリムーバルシステム」は、子宮筋腫(主に粘膜下筋腫)や子宮内膜ポリープを短時間で切除することを可能とする手術デバイスである。子宮筋腫、子宮内膜ポリープの両方に対応するシェーバーを患者さんによって選択して使用する。ポリープの切除と組織片の吸引が同時に可能で、器具を何度も出し入れする必要がなくなり、患者様の負担軽減に繋がる。「MyoSure® MANUAL ティッシュリムーバルデバイス」は、ホロジック社独自の電源不要の手動で操作可能なハンドタイプによるシェーバーで、安全な手技を実現する。診断から治療までを1本で実施することができる硬性子宮鏡「Hologic Omni ヒステロスコープ」と併せて使用し、モニターで観察しながら手術を行い、より安全で的確な病変部位の切除を可能にする。外来での手術も選択できる場合があり、日常生活への復帰が早くなることが期待される。「Hologic MyoSure® ティッシュリムーバルシステム」先端のステンレス鋼のブレードが不要な組織を切除すると同時に「Hologic Fluent 灌流液管理システム」が切除後の組織の吸引を行うことにより、子宮から病変部位を除去し、明確な視野を確保する。電気メスは使用せずにシェーバーの回転により病変を切除・吸引するため、熱による子宮内膜の損傷がない。
本製品は、米国での発売以来今日までの 10 年間で 200 万症例以上の海外実績がある。これまでの臨床実績と海外の多くの医師のフィードバックを反映させた製品改良、新製品導入を行ってきており、今回本邦で導入する製品は諸外国で導入されている製品群を新たに本邦にも導入するもの。
日本子宮鏡研究会の代表世話人・順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター婦人科科長・教授の齊藤寿一郎先生は、「従来の電気メスを使用する子宮鏡手術機器の手術より、術者の機器操作の習熟期間が短く、手術合併症が生じにくいことが期待されており、外来手術の選択も可能なため、子宮鏡手術がより多くの先生方に活用されることが期待されます。」とコメントされている。
ホロジックジャパンは、当製品の発売と同時にレファレンスセンターの設置や指導医の派遣など、医療従事者への手技の普及にも力を入れることにより、日本の女性の生活の質(QOL)とウィメンズヘルスの向上により一層貢献していく。
[製品情報]
一般的名称:内視鏡用能動切除器具
販売名:Hologic MyoSure ティッシュリムーバルシステム
医療機器製造販売認証番号:304AFBZX00029000
クラス分類:II(管理医療機器)
機器区分:特定保守管理医療機器
一般的名称:自然開口向け単回使用内視鏡用非能動処置具
販売名:Hologic MyoSure MANUAL ティッシュリムーバルデバイス
医療機器製造販売届出番号:13B1X10179SG0001
クラス分類:I(一般医療機器)
一般的名称:硬性子宮鏡
販売名:Hologic Omni ヒステロスコープ
医療機器製造販売認証番号:304AFBZX00008000
クラス分類:II(管理医療機器)
機器区分:特定保守管理医療機器
一般的名称:内視鏡用灌流・吸引装置
販売名:Hologic Fluent 灌流液管理システム
医療機器製造販売認証番号: 304ADBZX00042000
クラス分類:II(管理医療機器)
機器区分:特定保守管理医療機器
[子宮筋腫とは]
子宮筋層を構成する平滑筋から発生する良性腫瘍が子宮筋腫である。発生原因は分かっておらず、30歳以上女性の20~30%に見られる。推定受診患者数は11万6000人が報告されていますが、実際の患者数はさらに多いと想定される。(*厚労省H29年患者調査 62 総患者数, 性・年齢階級×傷病小分類別)発生する子宮の部位によって、以下の分類がある。
・子宮の外側に発育する筋腫(漿膜下筋腫)
・子宮の壁の中で発育する筋腫(筋層内筋腫)
・子宮の内腔に突出していく筋腫(粘膜下筋腫)
主にみられる症状には過多月経、月経困難症、圧迫症状、疼痛、不妊がありますが、部位により症状は異なる。粘膜下筋腫の場合に着床障害や過多月経による貧血が多く見られ、不妊や不育との関連性が高くなる。
[子宮内膜ポリープとは]
子宮の内腔を覆う表面を子宮内膜といい、子宮内膜が部分的に増殖してできる腫瘍が子宮内膜ポリープである。不正出血が伴うこともありますが自覚症状はないことがほとんどだ。
[不妊症の検査]
不妊症の検査には、誰もが一通り受けておく必要のある一般検査と、一部の方が精密検査の目的で受ける特殊検査がある。
不妊症は①排卵障害、②受精障害、③着床障害の3つに分類され、それぞれに関与する因子を特定するために行う検査としては次のようなものがある。
1. 排卵因子の検査
2. 卵管及び子宮因子の検査
3. 男性因子の検査
一般不妊検査治療で妊娠しない場合、次のステップアップとして、特殊検査(内視鏡検査)を行う。内視鏡検査の種類には次の2つがある。
腹腔鏡検査: 下腹部を0.5~1.5cm程度、2~3か所切開して、胃カメラのような内視鏡をお腹の中に入れて、子宮、卵管、卵巣および骨盤内の状態を観察する検査
子宮鏡検査: 膣を通して胃カメラのような子宮鏡を子宮の中に入れ、子宮の内部を観察する検査
[不妊治療を行う患者様にとっての子宮筋腫・子宮内膜ポリープ]
一般に子宮筋腫があるだけで不妊になることは少なく、子宮筋腫があっても自然妊娠はできる。しかし筋腫の位置や大きさによっては不妊になることがある。筋腫が診断され、不妊原因と考えられる場合には、子宮筋腫核出術が検討される。従来は開腹手術が最も多く行われていたが、現在は腹腔鏡下手術または子宮鏡下手術が選択されることが多くなっている。
[子宮鏡手術の種類]
子宮鏡とは子宮用の細い内視鏡(子宮鏡)を子宮の入り口から挿入し、子宮の内部をモニターで観察する。
そのモニターを見ながら子宮筋腫や子宮内膜にできたポリープなどを手術デバイスで切除することを子宮鏡下手術と言います。子宮鏡検査や子宮鏡手術は膣から内視鏡を挿入するため、腹部など見えるところに傷はできず、体への負担が少ない手術。通常手術室で、全身麻酔下または局所麻酔下にて実施される。細い硬性鏡を用いて局所麻酔下に施行することも可能と考えられる。
子宮鏡の種類には軟性鏡(ビデオスコープ、ファイバースコープ等)と硬性鏡の2種類があり、子宮鏡手術には硬性鏡を用いる。
子宮鏡手術では、子宮内を液体で満たして、膣から内視鏡(子宮鏡)を挿入し、腫瘍を摘出する。切除デバイスには以下のようなものがある。
電気メスを用いた切除方法
シェーバーを用いた切除方法
Hologic MyoSure® ティッシュリムーバルデバイスは、シェーバータイプの手術デバイス
[不妊治療の保険適用について]
人工授精等の「一般不妊治療」、体外受精・顕微授精等の「生殖補助医療」の一部について、2022年4月から新たに保険適用されることとなる。
[ホロジック社(Hologic, Inc.)について]
ホロジック社は、女性のライフステージに影響する乳房、婦人科、骨密度に関連する疾患、子宮頸がんや性感染症に関連する検診や、検査、治療のための革新的なソリューションを提供することを通じて女性の健康(Women’s Health)とウェルビーイング(Well-being)の向上を目指すグローバルヘルスケアカンパニー。アメリカマサチューセッツ州に本社を置き、1986年の創立から25年で、全世界15か国の拠点に従業員5,800人以上を抱え、毎年持続的な成長を続けている。診断・遺伝子検査(Diagnostics Solutions)、マンモグラフィ・骨密度測定(Breast & Skeletal Health Solutions)、婦人科用外科手術(Gynecological Surgical Solutions)、の3つの分野を主要領域とし、医療従事者が下す決断と診断における疑念を最小化し信頼を最大化するために、一歩先を行く確かさ “The Science of Sure”を提供する。
[ホロジックジャパン株式会社について]
2002年にアメリカの体外診断薬・機器企業Third Wave Technologies社の日本支社として設立。2004年株式会社サードウェイブジャパンへ改組、2012年10月にホロジックジャパン株式会社に社名変更し、体外診断用医薬品・医療機器、マンモグラフィシステム、乳房生検装置、婦人科外科手術デバイス・機器を主力事業として活動している。
・本社所在地 東京都文京区後楽1-4-25 日教販ビル
・設立 2004年6月
・資本金 7,000万円
・代表取締役 山崎恵一
・事業 遺伝子関連試薬、医薬品、診断薬等の輸入、販売
医療機器及び理化学機器の輸入、販売
・主要仕入先 米国Hologic社(親会社)
・国内拠点 3拠点 [ 東京本社、大阪営業所、神戸事務所 ]
・ウェブサイト https://hologic.co.jp/
2022 年 4 月 28 日
ホロジックジャパン株式会社 〒112-0004 東京都文京区後楽 1-4-25 日教販ビル TEL:03-5804-2340 FAX:03-5804-2321