がん対策推進 企業アクション、「緩和ケア」周知を目的に、メディア向けセミナーを開催

2022.07.13

~痛みを除く「神経ブロック」「放射線照射」の活用を~

 がん対策推進 企業アクション(厚生労働省委託事業)は、6月28日「がん治療における緩和ケア」をテーマに、メディア向けセミナーを、TKP ガーデンシティ竹橋(東京都千代田区一ツ橋1‐2‐2)で開催した。

 はじめに、中川恵一氏(東大病院 総合放射線腫瘍学講座 特任教授/厚生労働省 がん対策推進企業アクション 議長、がんの緩和ケアに係る部会 座長)は、がん緩和ケアが、今大きな転換点にきていると話す。

 これまで、緩和ケアのスタートは治療時期からだった。しかし、今年、厚生労働省より発出された3つの文書、「診断時の緩和ケア」「告知時の説明文書」「痛みへの対応」により、緩和ケアの時期が診断時からに定義され、緩和ケアの種類も「診断時の緩和ケア」、「診断時からの緩和ケア」と増えた。そこで、早期からの痛み緩和ケアとして、「緩和的放射線治療」「神経ブロック」の存在があると話し、これらを行うことで、患者のQOL向上、生存期間の延長などの効果があると説明した。

 つづいて、服部政治氏(医療法人徳州会 沖縄中部徳州会病院 疼痛治療科 総括部長)は、早期から「神経ブロック」を行うことで、家で過ごせる時間が増えると強調。「早い時期から神経ブロックを行うことで、残された短い時間をなるべくよく過ごせるようにする」ためにも、専門的治療を早期から行う重要性を説いた。

 しかし、「神経ブロック」を行える医師は、日本に50人程度と少ない。今後、緩和ケアの周知や人材育成に力を入れ、「患者に何が必要か?」を考えていかなければならないと話した。

中川恵一氏(東大病院 総合放射線腫瘍学講座 特任教授/厚生労働省 がん対策推進企業アクション 議長、がんの緩和ケアに係る部会 座長)