キヤノンマーケティングジャパン、キヤノングループにおけるヘルスケアIT事業強化に向けた組織再編 キヤノンメディカルシステムズの病院情報システムのシステムインテグレーション事業をキヤノンITSメディカルへ統合することについて基本合意書を締結

2022.07.25

 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(代表取締役社長:足立正親、以下キヤノンMJ)、キヤノンMJの子会社であるキヤノンITSメディカル株式会社(代表取締役社長:黒井慶信、以下キヤノンIM)およびキヤノンメディカルシステムズ株式会社(代表取締役社長:瀧口登志夫、以下、キヤノンメディカル)は、キヤノングループにおけるヘルスケアIT事業の強化に向けて、キヤノンメディカルの電子カルテや医事会計システムなど病院情報システムのシステムインテグレーション事業をキヤノンIMに統合することについて、基本合意を行った。

 キヤノンMJグループは、『2021-2025長期経営構想』で「社会・お客さまの課題をICTと人の力で解決するプロフェッショナルな企業グループ」をビジョンに掲げ、ITソリューション事業を中核とした企業へ向けた変革を進めている。ヘルスケアIT領域においては、キヤノンIMを通じて医療現場の業務効率化を支援する電子カルテや医事会計システムなどの医療機関向けのITソリューションを国内に提供しており、医療従事者がより一層患者さん対応に専念できる環境創出を目指している。

 キヤノンメディカルは、CT・MRI・超音波診断装置・X線診断装置などの画像診断装置をコア事業に、体外診断、ヘルスケアITに事業領域を広げ、世界150以上の国や地域に製品、サービスを提供し、グローバルに医療に貢献。このうちヘルスケアIT領域では、画像診断装置で得られたデータを効率的に保管、解析する画像ソリューション、画像処理ワークステーションや、電子カルテや医事会計システムなど病院情報システムの提供を通じて、高品質かつ効率的な医療の実現を支援している。

 この組織再編は、キヤノンIM、キヤノンメディカル双方で行っていた病院情報システムのシステムインテグレーション(以下、SI)事業に関して、キヤノンメディカルが持つ営業およびシステム構築、保守などSI機能をキヤノンIMに統合。対象となる病院向けの情報システムの導入には専門的かつ高度なSIが必要である。キヤノンIMは病院情報システムのSIを強みとしており、統合によって従来以上に顧客ニーズに合致したソリューションを効率的に提供できる体制を整える。他方、キヤノンメディカルは病院情報システムのソフトウェア技術の強みを活かし、アプリケーション商品の開発と販売を継続していく。

 キヤノンIMは、今回の統合を通じて医療市場におけるシステムインテグレーターとしての体制をより一層強化し、医師の働き方改革や遠隔診療、医療情報の共有など、今後ますます多様化する医療現場のニーズをいち早く捉え、これらの課題に応える最適なソリューションを高度なSIとともに提供する予定だ。さらに、キヤノンMJグループが保有する幅広い業務知見やIT技術を活かし、医療機関における喫緊の課題とされる災害対策やサイバー攻撃に対応する情報セキュリティ体制の構築並びに医療ドキュメントの電子化支援など、新たなサービスの提供も含めて医療のデジタル化と運用をトータルでサポートしていく。

 キヤノンメディカルは今回の再編を通じて、病院情報システムのソフトウェア技術、およびAIと3Dを活用した画像解析技術の開発を加速。そして画像診断システム事業との関連が深くグローバルな成長が見込まれる読影支援ソリューション、診療支援ソリューションなどの分野に注力することにより、医療現場のDXおよび効率的な運用をサポートし、患者さん中心の質の高いケアを提供する医療施設の支援を強化していく予定だ。

 今後、キヤノンMJおよびキヤノンIM、キヤノンメディカルは、病院情報システムのSI事業に関して、2023年中の統合を目指して具体的な協議を進める。

 キヤノンMJグループとキヤノンメディカルは、両社の強みをより活かし、キヤノングループとしてシナジーを最大限発揮できる効率的な事業体制を構築することで、病院や医療施設の診療支援から業務の効率化まで総合的にヘルスケアITソリューションを提供し、医療現場のDXを推進していくだろう。

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