キヤノンは、病院や眼科クリニック、眼鏡店、健診向けに、眼の他覚※1屈折力と角膜形状を自動で測定するオートレフケラトメーターの新製品として、“フルオートレフケラトメーター RK-F3m”を2022年12月中旬に発売する。
オートレフケラトメーターは、眼の他覚屈折力測定（レフラクトメーター）と角膜曲率半径測定（ケラトメーター）の２つの測定を行う眼科機器である。他覚屈折力測定は、瞳孔に光を照射し、眼底から反射して戻ってきた光の状態を調べることで、屈折度数を算出し、遠視・近視・乱視などの屈折異常の程度を測定する。角膜曲率半径は、角膜表面にリング像を投影させ、そのリング像の大きさから測定。これらの測定データはコンタクトレンズの処方時に利用されている。さらに、近年では職場においてパソコンなどを多用する人を対象としたVDT※2健診でも活用されているのである。
新製品は、従来機種※3のオートアライメント※4性能を引き継ぎながら、10.4インチタッチパネル液晶モニターを新たに採用することで、操作性を向上させている。また、モニターを上下左右に動かせるため、設置環境に合わせた自由な検査レイアウトを可能とした。
1. 大画面液晶モニターを採用し操作性を向上
10.4インチタッチパネル液晶モニターを採用することで、角膜が写った画面をタッチするだけで左右の眼の連続測定から結果のプリントまでを自動で行うことができ、従来機種と比べ操作性を向上。
2. 設置環境に合わせた自由な検査レイアウト
液晶モニターを上下左右に動かすことができるため、設置環境に合わせた自由な検査レイアウトを実現。
3. 調節力測定機能を新たに搭載
調節力を測定する機能を新たに搭載し、老眼鏡を作る際などに参考値として測定結果を活用することが可能。
- ※1他覚視力とは眼の光学系における近視、遠視、乱視の度数を客観的に数値化したものを指し、自覚視力は眼の主観的検査で得られる値を指す。
- ※2「Visual Display Terminals」の略。VDT機器とは、パソコンやスマートフォンなど、ディスプレイで画像・文字などを表示する情報機器。
- ※3「フルオートレフケラトメーター RK-F2」（2012年６月発売）
- ※4検査する眼と測定機器の距離が適正となるように自動的に位置合わせを行う機能。
| 製品名 | 希望小売価格（税別） | 発売日 |
|---|---|---|
| フルオートレフケラトメーター RK-F3m | 297万円 | 2022年12月中旬 |
主な特長
1. 大画面液晶モニターを採用し操作性を向上
- 10.4インチタッチパネル液晶モニターを新たに採用することで、より簡単なオペレーションを実現。
- 角膜が写った画面をタッチするだけで、左右の眼の連続測定から結果のプリントまでを自動で行うことができ、従来機種から操作性を向上。
操作画面のイメージ
2. 設置環境に合わせた自由な検査レイアウト
- 10.4インチタッチパネル液晶モニターを上下左右に動かせるため、設置環境に合わせた検査レイアウトを実現。
- 従来のように検者と被検者が対面で検査するレイアウトに加えて、検査室の状況に合わせて検者が被検者と同じ側や横側に立てることで、検査レイアウトの自由度が向上。
検査のイメージ
3. 調節力測定機能を新たに搭載
- 調節力を測定する機能を新たに搭載し、老眼鏡を作る際などの参考値として測定結果の活用が可能。
- タッチパネル液晶モニターを用いて、画面タッチによる簡単な操作で調節力を自動的に測定可能。
4. 多彩な測定モードを搭載
- 眼鏡やコンタクトレンズの処方に使われるレフ値の測定において、従来機種の0.25Dステップと0.12Dステップに0.01Dステップを新たに加えることで、被検者のレフ値をより細かく確認することが可能。
- 白内障などにより混濁した眼の観察に用いられるレトロイルミネーションモードでは、オートゲイン機能を新たに搭載することで、光量を調整することなく適切な明るさでの観察が可能。
〈製品仕様の詳細はホームページにて〉
https://mts.medical.canon/
