GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、ベルサール八重洲で、4月12日に2023年成長戦略発表会を行った。本年度の発表会は、ビジネス戦略の中核を担う、AIやデジタルを駆使した新製品や新サービスのの開発、地域の医療連携の貢献、リーダーシップ育成のプログラムについて紹介した。GEグループより分社化して独立・上場を果たした新会社GEヘルスケアの中核拠点として、日本の課題解決により一層貢献できるよう取り組む姿勢を明らかにした。
初めに、多田荘一郎氏(GEヘルスケア・ジャパン株式会社 代表取締役社長兼CEO)は、「“ひと”にフォーカスしたDXの先に見える新たな医療の在り方」と題して、「GE HealthcareからGEHealthCareに」を合言葉に、新たなパーパスと共に新生GE HealthCareとしてヘルスケアの無限の可能性を追求しよりよい社会を実現するという企業理念を語った。また、2040年までに患者、医療従事者、医療経営者にとってのパラダイムシフトが起こることを予測し、それをとらえて変革を推進していきたいと述べた。
さらに今後のビジョンについて「つながる医療、近づく医療」の実現に向けて、病院単位から地域単位へと範囲を広げたいとし、医療DXを活用し、地域で支えるペイシェント・フロー・マネジメント(PFM)に取り組むことに意欲を示した。
次に、松岡慎一氏(GEヘルスケア・ジャパン株式会社 執行役員 超音波本部長)は、『プレシジョン・ケア+テクノロジー、そして「ひと」』と題して今後の取り組みについて話した。同社のプレシジョン・ケアとして、精密な診断、精密な治療、精密な観察の3つを軸に、一人ひとりにあった質の高い医療を効率的に提供することを掲げた。また、医療改革のロードマップを発表し、コロナ対策・地域医療構想・医師の働き方改革などの計画で2024年度以降の方向性を確かなものにするために、本年は大切な年であると語った。
最後に横井宏佳氏(医療法人社団高邦会 福岡山王病院 病院長)が「福岡山王病院のグレートリセット」というテーマで講演した。横井氏は「コロナ禍に入ったことで医療現場での環境がすべて変わり、ショッキングな3年間となってしまった。そこで新たに掲げたものが『グレートリセット』である。コロナから目を背けるのではなく、コロナに立ち向かうことで、大きく変わったのは医療従事者の心だった。改めて、困っている患者を助けるという事が医者の重要な使命であることを思い出し、コロナに対応したことで自信が生まれ、患者あっての医者であることを実感した。グレートリセットの柱として断らない医療を掲げている。コロナ禍という事もあり、ここ数年で浮き彫りになったベッドマネージメントの問題があった。GEヘルスケアにて日本で初めて設置したコマンドセンターを視察した際に、ぜひ導入したいと感じた」と語った。