島津製作所、紫外線照射ロボットによる除菌システムの開発へ ~米シリコンバレーのスタートアップと提携~

2023.06.22

 島津製作所は、米シリコンバレーのスタートアップ企業であるShyld AI社と6月19日に技術提携契約を締結した。島津製作所の「UV照射用の光学系」「人感センサー」といった光学デバイスとShyld AI社のAI技術を組み合わせることで、両社は紫外線(UV)照射を用いた除菌システム「UVシュート」を開発していく。

 感染症対策としての除菌では、人が触れる物体を、アルコールで拭くことが一般的である。しかし手作業による除菌は「手間がかかる」「拭き残しが生じやすい」「拭き取りの際に感染リスクが生じる」といった課題があった。このたび製品化を目指す「UVシュート」は、人が立ち入った範囲における効率的な除菌を実現するシステムである。「天井に設置するUV除菌ロボット」と「除菌ロボットを管理するソフトウェア」から構成されており、ロボットにはUV照射機構、AI機能付きカメラ、人感センサーなどが搭載される。ユーザーがソフトウェア上であらかじめ設定したエリアに人が立ち入ると、AI機能付きカメラが画像を認識・判定し、汚染箇所を認定する。人の滞在時間や前回照射後の経過時間などを勘案した「汚染スコア」に基づき、UV照射の順番や時間を自動的に決定し、除菌を実施する。

 「UVシュート」はロボットによる確実かつ感染リスクのない除菌を実現する。島津製作所は既に「UVシュート」プロトタイプの開発を完了しており、現在、製薬や臨床、介護、食品・飲料やライフサイエンス研究の現場などを含む幅広い市場・用途での活用の可能性を調査中である。島津製作所は「UVシュート」の社会実装を通じて、安心安全な社会の創出に貢献していく。

 なお、「UVシュート」プロトタイプは、6月21~23日に開催される第28回機械要素技術展(第35回日本ものづくりワールド内)で展示される。

除菌システム「UVシュート」プロトタイプ
病院・治療病棟での「UVシュート」使用イメージ図
病院・治療病棟での「UVシュート」使用イメージ図

※「UVシュート」は株式会社島津製作所の商標。

Shyld AI社の概要

代表者CEO Dr. Mohammad Noshad
所在地830 Stewart Dr, Sunnyvale, California 94085
従業員数12名
事業内容AI及びロボット技術を用いた装置の開発
設立2020年6月
URLhttps://shyld.ai/ 

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URL:https://www.shimadzu.co.jp/contact/index.html