株式会社日立製作所(以下、日立)は、このたび、香港養和病院(Hong Kong Sanatorium & Hospital)を傘下に持つHKSHメディカルグループ(以下、HKSH)に陽子線がん治療システム一式を納入し、7月11日に治療を開始した。本システムは、香港で初めての陽子線がん治療システムとなる。
本システムは、スポットスキャニング技術を搭載し、回転ガントリ室2室を備えており、都市部の狭い敷地においても設置ができるよう、コンパクトな構造となっており、今後、都市部の限られた敷地に陽子線治療システムを設置する際のモデルケースとなる。
HKSHは、一世紀以上にわたり、その医療の質で有名な都市型の民間病院である。アジアのもっとも優良な病院に一貫してランクされているHKSHは、アジア太平洋地域のケアモデルとして、さまざまな先進的な医療技術、介護、患者中心のケアのパイオニアとなっている。
日立の粒子線がん治療システムは、世界的に著名な病院に納入されており、これまでに85,000名*以上の患者が日立のシステムで治療を受けるなど、高い信頼性と実績を有している。HKSHに納入した陽子線がん治療システムの他、重粒子線がん治療システムをはじめ、陽子線と重粒子線のハイブリッドがん治療システムなど、高性能で高付加価値のある製品・サービスを提供している。
日立は本事業を推進することにより、香港および周辺地域の患者に優しい治療や、治療後の患者のQoL(Quality of Life)の維持・向上などを支援する。また、粒子線がん治療システムのグローバル展開を加速させ、低侵襲ながん治療のさらなる発展に貢献していく。
*PTCOG(Particle Therapy Co-Operative Group)のホームページ(https://ptcog.site/index.php/patient-statistics)で公開された2021年12月までのデータを集計したもの。
■粒子線がん治療について
粒子線がん治療は、放射線によるがん治療法の一つである。水素の原子核や炭素イオンを加速器で光速の約70%に加速させ、腫瘍に集中して照射することでがんを治療するもので、水素の原子核を加速したものを陽子線、炭素イオンを加速したものを重粒子線という。治療に伴う痛みがほとんどなく、他の放射線治療に比べて副作用が少ないため、治療と社会生活の両立が可能であり、生活の質(QoL)を維持しつつ、がんを治療できる最先端の治療法として注目されている。
■日立の粒子線がん治療システムに関するホームページ
https://www.hitachi.co.jp/products/healthcare/products-support/pbt/
■日立製作所について
日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進している。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決する。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざす。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696 社、全世界で約32万人の従業員を擁している。
詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)から。
■お問い合わせ先
株式会社日立製作所 ヘルスケア事業本部 ヘルスケアイノベーション事業部 スマートセラピー本部
フロント戦略推進本部 放射線治療事業推進部
〒277-0871 千葉県柏市若柴226番地44中央141街区1
問い合わせフォーム:
https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/life/jp/general/form.jsp?UM_QNo=99