キヤノンメディカルシステムズ、医療AIに関するラウンドテーブルを開催~モダリティーを持つ強みで医師・技師を楽にしたい~

2024.04.08

 キヤノンメディカルシステムズは、4月5日、キヤノンマーケティングジャパン本社(東京都港区)で、医療AIに関してメディア向けラウンドテーブルを開催した。
 まずはじめに、布施雅啓氏(同社ヘルスケアIT事業統括部部長)は医療業界を取り巻く環境と同社AIについて語った。「国内では、医師の診断を支援するソフトに対して、画像診断管理加算の改定が予想される。またグローバルにみると、WHOはAI技術の医療への適用ガイドラインを公開し、医療AIは大きな流れになっている。

布施雅啓氏

 我々の医療AIは、低コストかつ患者負担を軽減させ、より高品質な検査を支援し、AIによって検査時間短縮や被ばくの低減などを図っている。また分析面では客観的・定量的データの精度を上げ、より医療現場で求められるデータを提供していくことだ。
 さらに診断でも迅速かつ精度の高い診断を寄与していき、臨床に必要な鮮明な画像を提供していくことを可能にしている。
 同氏は、我々の医療AIソリューションの展開方針は、下記の4つに分類されるとし、
1つめは、医用画像解析ワークステーションであり、AI解析、自動解析アプリなどで医師・診療放射線技師の補助を行うもの。2つめは、Abierto Reading Support Solutionは、自社以外のアプリを搭載し、過去からの経時変化を確認し、見落とし防止に貢献し、最適ワークフローを追求するものだ。
 さらに3つめは、読影用ビューワはPSP社との協業で、AI解析の結果確認と読影を可能にし、多忙な読影医を助けるもの。4つめは、診療支援ソリューションは音声認識などを使い、モニターには必要な情報を一画面に表示して見落としなどを防ぎ、情報共有を迅速にするものである。

宮谷美行氏


 宮谷美行氏(同社営業企画部ITEM統括)は、ITEM2024展示概要を次のように述べた。
「今年の弊社展示ブースはITEM2024企業ブースで一番大きく(過去最大の1,300m²)で、より一層、本展示会に注力している。中でも、弊社はAIに力を入れ、AIソリューションブランド『Altivity』がもたらす、臨床面や経営への寄与を体感できるようなシームレスなブース配置が最大な特長だ。新型3TMRIや新型CT、超音波診断装置やX線アンギオも新機種がある。どうか足を運んで頂き、『Altivity』ブランドの意味あるイノベーションを理解して頂きたい」と述べた。
 最後にコミュニケーションアプリ「Medical Image Plece Mobaile Chat」も紹介された。これは、キヤノンITSメディカル社のもので、チャットによる医療従事者の効率的なおかつ安全な情報共有をはかるもの。医用画像などの添付も可能で自宅にいても情報共有が可能になり、医師の働き方改革の一助になるものだ。
 なお今回のラウンドテーブルも主旨どおり、我々記者との積極的に意見交換が行われ、同社AIの強みは
モダリティーを持っている点なのでより連携が図れる、また将来的に疾患別な医療ソリューションに力を入れたいなども確認でき、非常に有意義な意見交換会であった。