遠隔画像診断の事業形態は一般企業系や大学病院系など様々であるが、京都プロメド(株)は、放射線科医自身が経営者として読影センターを運営するスタイルである。事業形態が様々である一方で、共通した課題となっているのが、読影の質である。大学や大病院と比べ、医療機関の外で行われる遠隔読影は、いかにしてその質や診断スピードを保証するのか。
今年、設立10周年を迎える、遠隔画像診断サービス大手の一角、京都プロメド(株)は、創業以来のポリシーである「読影の質とスピード」に加え、新しいテクノロジーの導入も積極的に進めている。今回は、創業から一貫して変わらない「読影の質」を維持する秘訣、最新の技術に対するチャレンジ精神と今後の展望などについて、代表取締役兼画像診断センター長の河上 聡氏にお伺いした。
遠隔読影を支えるシステム、ネットワーク技術
「当初は病院との接続やネットワーク構築も手探り状態で苦労も有りました。しかし、この10年間で専任のシステム担当者も増え、病院側とのPACS接続や画像取得はもちろんレポートシステム等の院内システムとの連携も全て自前で行えるようになり、システムトラブルも減りました。また、NTT西日本の「Bizひかりクラウドオールインワンネットワーク」を導入し回線から通信機器までNTTに窓口を一本化したことで、ネットワーク環境も整備されると同時にコストも下げられました」と語る。
病院とのデータのやりとりには、専用回線IP-VPNを使用し高速性とセキュリティ保持を確保するとともに、画像サーバ本体もNTT京都データセンターに保管し、データの紛失や情報漏洩のリスクを最低限に抑えている。
なお、個人情報保護についてはシステムやネットワークでの対応とともに、当社自身で医療情報安全管理推進部(MEDIS)が認可する保健医療・福祉分野のプライバシーマークを取得して万全の対策を期している。