ジョンソン・エンド・ジョンソン、パルスフィールドアブレーション技術を採用した心房細動治療カテーテルカテゴリ群では日本初「バリパルス® カテーテル」が保険収載へ~より安全なアブレーション治療の普及と患者さんの状態に合わせた治療選択肢の拡大に期待~
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 メディカル カンパニー(本社: 東京都千代田区、代表取締役プレジデント: 玉井 孝直氏、以下「ジョンソン・エンド・ジョンソン メドテック」)のバイオセンス ウェブスター事業部は、「VARIPULSEパルスフィールドアブレーションカテーテル(以下、「バリパルス® カテーテル」)」が、2024年8月7日に開催された厚生労働省中央社会保険医療協議会総会にて議論され、2024年9月1日からの保険収載が決定したことをお知らせする。パルスフィールドアブレーション技術(PFA)を採用した心房細動治療カテーテル製品カテゴリ群としては、日本で初めての保険収載予定となる。同社では、より安全な導入を図るため段階的な販売を予定しており、今後全国の医療施設への導入を目指していく。
「バリパルス® カテーテル」について
「バリパルス® カテーテル」は、心筋を焼灼することで心房細動の発生に関連する肺静脈を電気的に隔離させ、心拍を正常なリズムに戻すことを目的とする治療、カテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)に用いるカテーテルである。熱的影響に依存しないPFAを用いているのが特徴であり、ターゲットとする心筋細胞のみを組織選択的にアブレーションすること、また、熱に依存しない技術により、心臓周辺臓器への損傷を抑え、合併症低減をサポートすることが期待されている。
この度保険収載された「バリパルス® カテーテル」は、円周状の管に電極を複数備えた形状により、ターゲットとなる肺静脈付近の心筋に対してスムーズにアプローチし、治療時間の短縮に貢献することが期待されている。
また、本製品は不整脈治療の診断から治療のフェーズを通して手術をサポートする、当社の不整脈診断・治療機器システム「バイオセンスCARTO 3」専用製品として開発されており、従来通り、3次元マッピングシステムにより、立体構造である心房内を可視化しながら施術を行うことが可能である。
PFA治療の安全性と有効性に関する研究結果(inspIRE試験)
inspIRE試験は、薬剤抵抗性の発作性心房細動(PAF)患者を対象とした多施設共同前向き単群試験であり、3次元マッピングシステムを併用下にバリパルス® カテーテルを用いて肺静脈隔離(PVI)を実施した。その結果、PFAジェネレータおよび3次元マッピングシステムを併用したPFAについて、良好な安全性および75.5%の長期有効性が示された。
心房細動とは
心房細動とは、心房と呼ばれる心臓上部の部屋が小きざみに震えて十分に機能しなくなる不整脈の一種で、脳梗塞などの合併症を起こすリスクがある。健診結果データから、国内の心房細動の患者数は約100万人と推計されており、超高齢社会の日本では、心房細動の患者数は今後も増加し続けると予測されている。主な症状として、動悸、めまい、脱力感、胸の不快感、呼吸しにくい感じがすることがあげられる。一方で自覚症状がないケースもあり、その場合はさらに疾患の発見がしにくいため、心不全や心原性脳梗塞予防のためにも、心房細動の早期診断と治療が必要とされている。
心房細動の治療について
心房細動の治療には大きく分けて薬物治療と非薬物治療の2つのアプローチがある。薬による治療は、服用し続けることで不整脈の症状を抑えたり、正常の拍動に戻したりすることを目的としている。一方、非薬物治療のカテーテルアブレーション治療は、不整脈の根治を目指す治療法である。この療法は低侵襲的処置であり、カテーテルと呼ばれる細い管を、主に脚の付け根にある太い血管(大腿静脈ないし大腿動脈)から入れ、心臓まで到達させ、心筋のうち不整脈の原因となっている異常電気信号を受ける部分を細胞死させることによって、心房細動を引き起こす異常な電気信号の伝導を止める治療法である。
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