ソフトウェア
高度で膨大な計算を超高速で行う、同社独自の基幹技術”超四次元画像 PhyZiodynamics”。ITEM2013ではこの技術をCT肺野検査画像、CT心臓検査画像に応用した動態解析が紹介されていた。
呼吸による肺の収縮・拡張の動態をカラーマップとして、胸部CTの4D画像に重ね合わせ表示を行っている(速度が速い部分が赤く、遅い部分が青い)。
PhyZiodynamicsは、ボクセルを追随してフェイズ間の連続性を補完し、自然な動態を表現する画像処理技術。これにより詳細な動態を観察する事ができる。呼吸による肺組織の動態・速度の変化を定量的に表示できることから、腫瘍の有無や形状、硬さといった新たな臨床情報を得られるようになることが期待される。
ソフトウェア
脳血管のCT検査画像データから血管および脳動脈瘤にかかる血流状態・圧力を視覚化し、術前診断や治療を支援するシミュレーションソフトウェア。高度な流体解析(CFD:Computational Fluid Dynamics)ソフトを、汎用の医用画像ワークステーションでAll-in-oneなアプリとして提供できるのは同社が世界初となる。解析にはEBM社が開発したHemoscopeを利用している。
カラーマップで壁面圧力が高い部分が赤く、圧力が低い部分が青く示されている。
血管径、表面積、体積のほか、血流、剪断応力、壁面圧力などを分かりやすく観察。動脈瘤の破裂前の兆候や、血流の遅滞によって血栓・動脈硬化が発生しそうな箇所をいち早く発見する助けとなることが期待される。
従来、流体解析のソフトウェアを医療に用いるケースでは、使用者ごとに異なる解析条件を設定することによる結果のばらつきに課題があった。本アプリであれば、CT等の検査データ入力、VRによる形態の確認・目的血管の抽出および血流解析と解析結果表示を単一システム上で使用できることで、解析条件の標準化が容易になり、誰でも再現性の高い解析を行うことができ、信頼性の高い臨床情報を得ることができる。
ソフトウェア
ここで、ziostation2の新しいアプリケーションをいくつかご紹介していく。
TAVR術前プランニング
経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVR)の術前シミュレーションを支援するアプリケーション。経大腿・経心尖アプローチごとに最適なワークフローで術前プランニングを支援する。
例えば経心尖部法の場合は、カテーテル刺入位置と心尖部の距離や、心筋の厚み、大動脈弁へのアプローチ角度などを簡便に表示できる。
また、弁の動きもPhyZiodynamicsの技術によって滑らかな動態で表示することが可能。同社独自のDynamic ROI機能により、置換する位置にROIを設定し動画再生すると、心臓の拍動に合わせて、ROIおよび弁の直径と面積のグラフが連動して表示されるため、拍動する動態をみながら弁輪や弁輪面と冠動脈起始部の距離を計測できる。
CT肺動脈自動分離
肺野、気管支、肺動脈、肺静脈を自動で抽出し、VR表示で色分け(マスク)表示する機能。マルチデータフュージョン機能により、腫瘍などの病変と重ね合わせ表示も可能。抽出部位はMPR上でオーバーレイ表示することができる。
大きな臨床メリットの一つは、肺の動静脈の自動抽出精度が非常に高く、技師の負担軽減につながる点。
末梢血管など、分離の困難な部分でも、動静脈マスクの修正が簡便で、修正の手間も非常に軽減されている。
CT大腸解析
近年、日本でも積極的に実施されているCTコロノグラフィの解析アプリケーション。
歪みの少ない展開像(VGA)を取得する独自アルゴリズム、高い精度での腫瘍・ポリープ等の自動抽出、豊富な表示機能で大腸スクリーニング検査のワークフローを改善する。
デジタルクレンジング機能は精度がさらに向上し、埋没した部分の観察が可能となっている。
また、ポリープを強調するPhyZio Enhance Filter機能で診断精度の向上に貢献する。
【ITEM2013 ザイオソフト/アミン ブースインフォメーション】
Cブロック
ブースNo.202
従来観察が困難であった動態における部位観察や、評価を実現する世界初の「4Dモーション解析」をはじめ、PhyZiodynamicsの技術を利用したダイナミックデータの定量化を実現するアプリケーションのライン
ナップを強化した、ziostation2の最新アプリケーションを実機にていち早く紹介。経カテーテル的大動脈弁置換術におけるワークフローをサポートする「TAVR術前プランニング」や、MRIタギング画像を利用して、心筋の収縮程度を定量化する「MR心筋ストレイン解析」や、右室の機能解析を実現した「MR右心機能解析」、さらに改良された「CT大腸解析」など、既存のアプリケーションも一新されている。このほか非接触センサーを用いて人体の動きに追随して3D表示を操作することができる「非接触手術支援ナビゲーションシステム」など、先進の技術を実際に体験できる。