http://www.siemens.co.jp/ITEM2014
CT
新開発のX線管「VECTRON」とチャンネルが25%増加し、最高分解能0.24mmに向上した新しい検出器StellarInfi nity Detector。それら2対を使用した、同社最高機種のデュアルソースCT。
VECTRONの搭載により、最大2.6A(1300mA×2)の管電流発生が可能となった。低電圧撮影により被ばくを抑え、造影コントラストが上がるため、造影剤使用量の低減にもつながる。また、進化したモデルベース逐次近似画像再構成法ADMIRE(Advanced Modeled Iterative Reconstruction)によって、従来と変わらない演算時間で、より自然な画像テイストを得ることが可能になる。
通常の胸部CT検査で使用する被ばく線量5~30mSv程度に対し、SOMATOM Forceでは胸部レントゲン検査と同等の0.1mSv程度でのCT撮影ができる。秒間70cm以上の世界最速の撮影速度を実現し、心臓検査は0.1秒台の実施を可能にした。多くの部位での検査においても息止めが不要になる。
CT
16スライスCTとしてはクラス最小底面積8.0m2というコンパクトな設計。高感度なUFC検出素子を使用した検出器と、逐次近似再構成法を組み合わせ、低被ばくながら高画質な撮影ができる。
ガントリ奥行は692mmとシングルスライスCTと同程度の厚さを実現し、被検者の心理的負担低減が期待される。
また、電力消費を抑えた設計、安定稼働を保ちライフタイムを長期化するためのメンテナンス機構eCockpitにより、長期的な運用コストも抑えられる。
同社の1 6 列C T のラインナップでは、すでにSOMATOM Perspective、SOMATOM Emotionが市場投入されているが、SOMATOM Scopeはもっともコストパフォーマンスに優れ、消費エネルギー削減と運用コスト削減という経済効率を追求したモデルだ。
超音波
世界初のケーブルレス超音波診断装置。「使いたいときにすぐ」「いつでも、どこでも」をコンセプトに開発され、特にPoint of Care領域での使用に注力した。
近距離無線通信技術ウルトラワイドバンドテクノロジーが、これまでの常識を覆したケーブルレスプローブにを実現。ワークフローの向上、拡がる装置レイアウト、自由なアプローチ、感染リスクを低減する。特に手術室においては、プローブのケーブルが患者に触れないよう注意する必要がなくなる。また、コントラスト分解能、境界面の認識を向上させる画像コンパウンドやスペックル低減機能を標準装備し、高画質を実現。15型LEDディスプレイにより、超音波ガイド下穿刺における針の視認性も向上した。装置の立ち上がりの時間は30秒程度。汎用性と専門性の両方を兼ね備えた。
本体、プローブともにバッテリ駆動で、プローブは最大90分の連続使用が可能。
ACUSON Freestyle、実際の使用の様子
SPECT/CT
新機能「xSPECT」は、CT座標系をリファレンス(Frame Of Reference)として、SPECT画像とCT画像を高精度にアライメントし、各モダリティ情報を画像再構成プロセスで統合したSPECT・CT技術。従来のSPECT画像と比較して、CT情報を最大限活用することで画質が大幅に向上し、定量計測を可能とした。
「xSPECT」では、得られたSPECTデータをCT座標系にボクセル単位で合わせこみ、SPECT画像再構成を行う。装置固有のわずかな歪みも演算時に補正情報として反映し、より正確な画像を表示させることができる。これにより解像度の高いSPECT画像を得ることができる。
また、「xSPECT」によって得られる高分解能画像によって、アイソトープの定量計測を実現。PET・CTと並んで、治療効果判定や、それに伴う治療の適合を決める支援情報を得ることができると期待されている。
MRI
独自の静音技術「Q u i e t S u i t e」はハードウェアの交換をすることなく、MAGNETOM Aera、MAGNETOM Skyraなど既存のMRI装置に搭載可能。
撮像時間を延ばすことなく、従来の高画質を維持しながらMR撮像時の騒音を70%以上低減することができる。Quiet Suiteの静音シーケンス「PETRA」と従来のMPRAGEで比較すると、画質は同等ながら騒音は最大97%低減を実現している。ブースでは実際に撮像音を体感できるコーナーが用意されていた。
Quiet Suiteが搭載可能な装置の一つ、MAGNETOM Aera 1.5Tは70cmオープンボアデザインと145cmのショートガントリにより開放的な検査環境を実現している。
X線
Artis zeeシリーズで採用されている「MEGALIX Cat Plus」X線管を搭載した新製品。
CLEARテクノロジーによるリアルタイム画像処理との組み合わせにより、クラス最高レベルの画像クオリティを実現。医師と患者の被ばくを最小限に抑えるための被ばく低減コンセプト「CARE」により、低被ばくと高画質を両立している。
Cアームは複数の可動軸が独立して回転・駆動するため、柔軟性に富んだポジショニングが可能。医師の立ち位置、撮影部位を問わず、アーム位置を任意に設定することができる。撮影範囲は長手方向に210cm、横手に最大190cm。
必要な面積はわずか25m2で、従来の天上懸垂式Cアームと比べ、設置スペースを大幅に削減している。
画像診断ITソリューション
読影ワークフローの改善、そして院内ワークフローの改善を目指して誕生した新しい画像処理システム。サーバ内で画像処理を行うため、ネットワーク環境さえあれば、syngo .viaがインストールされている端末からどこでも様々な機能を活用できる。電子カルテやレポートはもちろん、他社製品も含めた既存読影端末システムなどとの連携も可能。シーメンス社製モダリティからsyngo .viaへの画像転送では、独自の高速画像転送技術Direct Image Transferを用いることで、転送時間を大幅に短縮できる。また、syngo .viaのサーバ内では、予め任意の設定を施すことにより、画像のDICOMタグ情報から検査種別を自動識別、自動選択、自動解析して読影準備が整えられるため、患者名を選択するだけで、最適な環境でスムーズに読影を始めることができる。
【ITEM2014 シーメンスシステムズブースインフォメーション】
ブースNo.357
SPECT・CT装置「Symbia Intevo」
新たな画像再構成技術「xSPECT」を搭載し、SPECT情報の精度が大幅に向上。また、SPECT・CTのルーチン検査におけるアイソトープの定量計測※を実装しており、治療効果などを判断するためのより確かな情報提供を可能にする。
※密封線源を用いたクロスキャリブレーションを活用した計測。
MRI装置「MAGNETOM Aera」
70cmワイドボアデザインと145cmショートガントリによる開放的な検査環境を実現した1.5T「MAGNETOM Aera」を展示する。Tim4Gによる定評のあるコイルの数々や、MR検査のワークフローを改善する操作系エンジンDotがバージョンアップしたDotGOのコンセプト展示、また、各種撮像シーケンスの静音化を可能にする静音技術「Quiet Suite」や肝臓撮像の新しいアプリケーションなど、様々な技術を紹介する。
ブース情報
実物大の装置を多く展示し、実際施設に設置する際のリアリティを体感できるようになっている。また、昨年に引き続き検査環境を模したコーナーを数多く設け、導入後のワークフローも想像できるブースになっている。ブースデザインそのものが「進化」を感じさせる斬新さで、製品プレゼンの見せ方などにも工夫がみられる。
セミナー情報
ランチョンセミナー5
SOMATOM CTが切り開く新たなCT フィールド
~Two steps ahead vs. Trying to keep up~
日時:2014年4月11日(金)
会場:パシフィコ横浜 会議センター「304」
座長:高橋 哲先生(神戸大学医学部附属病院)
演者1:伊藤俊英氏(シーメンス・ジャパン株式会社)
演者2:Professor Hans-Christoph Becker, M.D.(Grosshadern Hospital Ludwig-MaximiliansUniversity)
ランチョンセミナー14
Quiet MR Imaging
日時:2014年4月12日(土)
会場:パシフィコ横浜 会議センター「304」
座長:相田典子先生(神奈川県立こども医療センター)
演者1:“Quiet MR Imaging”Dr. David Grodzk(i Siemens AG)
演者2:“Update in MRI. Quiet sequences and Pediatric MRI”Professor Thomas J. Vogl,M.D.(University ofFrankfurt)
ランチョンセミナー25
速度可変寝台連続移動型PET・CTの基礎と臨床応用
日時:2014年4月13日(日)
会場:パシフィコ横浜 会議センター「311+312」
座長:窪田和雄先生(国立国際医療研究センター)
演者:村上康二先生(慶應義塾大学医学部)