その他
ワークステーション
愛媛大学、オランダのエラスムス大学と共同で開発したソフトウエア。
冠動脈CTデータに肝臓の門脈支配領域を計算するアルゴリズムを用いることで冠動脈枝が栄養する心筋領域を推定することが可能である。これにより狭窄部が持つ心筋リスク領域を推定することが出来ると期待されている。研究によって当手法によって分割された心筋領域は同患者の負荷心筋SPECTにおける虚血領域と相関することが分かっており、今後の心臓解析の新しい手法として期待される。
ワークステーション
「VirtualPlace」で作成された3D画像は3Dプリンタの出力形式であるSTLファイルに変換することで、近年注目される3Dプリンターでのデータ出力が可能となっている。口腔外科や整形外科などで行われる高い精度が求められる手術前の計画策定時に役立つ。また、患者への手術計画の説明などのインフォームドコンセントにも使用することができ、読影以外の用途が広がった。
ビューア
AZEの新機軸ビューア「AZE Phoenix」は通常の読影業務をよりスムーズに、ストレスなく行うために開発された。インターフェースは基本的に1面で構成されている。従来のビューアでは、モニターを4分割した画面を使っての読影が基本であった。しかし実際の現場では4分割された画面のうち1面しか使用されておらず、そこに画像をドラッグ&ドロップで持っていき、作業が行われてきた。そこで「視線を動かさないで作業をすることができる」という要望に応えた機能を搭載。画像の切り替えはドラッグだけで行え、視線を固定しながらデータを動かせる。視線を固定することで、肉体的なストレスだけでなく、認知的なストレスも軽減させ、より効率の良い読影を可能にした。
ビューア
院内に様々なメーカーのモダリティが導入されていると、DICOMタグ情報が異なることが多いため、タグ情報のみを利用したハンギングプロトコルは適切に動作しないことが多いとされる。Phoenixのビューアは融通が利くよう設計されている。Phoenixに搭載されているスマートタグ機能を用いれば、異なるメーカー間の情報も関連づけられるため、より正確なレイアウト設計が可能である。さらに複数データを1シリーズとして扱うバーチャルシリーズ機能と併用することで読影者が好みのレイアウトをその場で設計することも可能である。
【ITEM2014 AZE インフォメーション】
ブースNo.413
患者を中心としたより良い医療を提供するために、質の高い製品を提供するAZE。
新機軸のワークステーション「AZE Phoenix」シリーズをはじめとした同社製品やコンセプト、注目必至のブースなどについて、各担当者にお話を伺った。
患者中心の医療と読影医の使用感を重視した製品ラインナップ
「患者さん中心の医療を進めるために製品開発を進めたいと考えています。読影医が使いやすいという点と、患者さん中心チーム医療の両方を重視しています」と畦元将吾氏(AZE 代表取締役社長)は製品開発にかける熱意を語る。ブースにもこの考えが反映されているという。
毎年話題となるAZE のブースだが、今回のデザインについて畦元秀隆氏(同社営業本部プロダクトマネージャー)は次のように語る。
「お客様に親しみを持っていただける、落ち着いたイメージを目指しています。日本の迎賓館をイメージしたつくり(図1)で、和の庭園の中に4 つの東屋を配置し、各東屋の中でデモンストレーションを行う予定です。お客様とのコミュニケーションを大切にした空間を目指しました。」
AZE Phoenixシリーズ
ITEM2014でAZEが中核に据えている製品はAZE Phoenixシリーズだ。同社のワークステーションとしてはVirtualPlaceシリーズが存在するが、AZE PhoenixシリーズはVirtualPlaceシリーズとは異なるコンセプトのシリーズとして位置づけられている。
今回AZE Phoenixシリーズの新製品として、AZE Phoenix Lexus networkがラインナップに加わった。同製品はAZE Phoenix同様、3D解析機能、ネットワーク型読影診断コンソールとしての機能や比較画像機能や多モダリティへの対応、他システムとの連携等の統合システムとしての機能、レジストレーション機能を搭載している。有料オプションとして容量を100TBまで増設可能なため、シンスライスサーバーに対応したワークステーションとなっている。また、AZE Phoenixシリーズには解剖辞書の
情報(図2)が内蔵されており、検査画像を見ながら同じ画面上で辞書をチェックすることができる。
iIR for CT Perfusion
近年CT 装置に搭載されている逐次近似法による画像再構成技術は、従来のFBP(Filtered Back-projection)法と比較して画像ノイズを大幅に低減することが可能である。従来と同等の画像ノイズ(SD)であれば被ばく線量を低減することが可能となり臨床での応用が広まっている。
従来このような技術はもっぱらCT装置でのみ開発されていた。現在AZEではワークステーションにおいて、この逐次近似法を応用してCTパフュージョン用の被ばく線量低減技術であるiIR(image-based Iterative Reconstruction)を開発中である。
iIRでは、CTパフュージョンで経時的に撮影された画像データを順投影(Forward Projection)することで投影データを再構築し、投影ノイズの統計モデルを作成し応用することで、時間分解能を劣化させることなく画像ノイズを低減することが可能である。多時相撮影によりしばしばその線量過多が懸念されるCTパフュージョン検査において有用な機能であると考えられる。CT装置側に既に逐次近似法による画像再構成が備わっている場合でも応用が可能であるためFBP法と比較してさらなる被ばく低減の可能性が期待される。
MRI解析ソフトウェア
AZE はMRI 解析ソフトウェアについても開発を進めている。3D Cine PC MRIの画像データを処理し、2D ベクトル表示、3D 流線表示、血管壁剪断応力の計算などを可能にするソフトウェアの開発や、シンプルなワークフローによって動脈瘤の予後の推定や治療方針の決定に有用な情報が容易に得られるよう4D MRI Flow 解析ソフトウェアの開発を進めている。
また、Computed DWI(cDWI)では異なる2 つ以上のb 値のDWI 画像データから任意のb 値のDWI 画像を得ることができ、MRI 装置の種類によらず、低いb 値のDWI 画像の組み合わせから高いb 値のDWI 画像を容易に作成することができる。このほか、ADC Map は腫瘍の性状評価や化学療法の効果判定に用いられている。3D Mapping では、T2 Mapping、T1ρMapping の自動計算が可能で、セグメンテーションツールを用いて軟骨を3 次元的に抽出し、編成や形態異常部位を立体的に把握することができる。
同社のソリューションであるサーバー仮想化について、束村智浩氏(同社事業推進統括部新規事業開拓部部長)は「2012年にソフトウェアの単独流通が薬事法で認められ、施設でお持ちのハードウェアにAZEのソフトウェアをご提供することができるようになりました。それによって、1つの物理サーバーに仮想化アプリケーションを用いて複数のOS環境を構築し、それぞれにPACS、電子カルテなどのシステムを実装することで単一のサーバーを仮想的に複数のサーバーとして利用でき(図3)、コスト削減、運用効率化などを果たすことができます」と語る。
また、外科や産婦人科からの需要を見越し、3D プリンターでAZE Phoenix やVirtualPlace から各画像を出力可能にするといった対応も検討しているという。ブースには3D プリンターも設置されるとのことなので、ぜひ実際に体験してみてはいかがだろうか。
●セミナー情報
日時: 4月11日(金)12:00~12:50
場所: パシフィコ横浜 会議センター3階 311+312
司会: 南 学 先生( 筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻 教授 )
講演: 三木聡一郎 先生( 東京大学医学部附属病院コンピュータ画像診断学/予防医学講座 特任助教)
演題: 『再考・効率よく読影できる画像ビューア』
講演: 片平 和博 先生( 国家公務員共済組合連合会熊本中央病院放射線診断科 部長)
演題: 『躯幹部MRIの新たなる潮流-簡便で・美しく・有用なMRIアプリケーションの数々-』