CT検査 性能評価‐評価法‐
周波数特性の異なる画像に適用可能なcontrast-to-noise ratio 測定の検討
静岡県立静岡がんセンター 瓜倉厚志
X線CT装置における低コントラスト検出能評価の物理指標として、今まではCNRが用いられていた。しかし、周波数特性の異なる画像間では、視覚評価と一致した結果が得られないとされていた。そこで、演者は、評価対象となる円形ロッドの周波数成分を求め、その周波数成分における背景のNPS値を従来のSDに置き換えることで、異なる再構成関数間においても、CNRと視覚評価が一致した結果が得られたと報告していた。この報告は、今までのCNR測定に関する問題点を解決する可能性のある素晴らしい報告であった。しかも、本手法は表計算ソフトで計算が可能であることから、多くの方が用いることのできる手法である。しかし、今回の報告では、円形ロッドの直径が5mmのみの報告であったことから、もう少し小さな信号についても、どの程度視覚評価との整合性が得られるか検討していただきたい。勿論、どの程度の小さな信号までを検出可能とするかは、別途議論が必要であると考える。また、今回、評価対象を円形に限定し、周波数成分の算出を行っていたが、臨床を想定した場合かならずしも対象物が円形とは限らない。是非、形状の異なる対象物に関しても、このような周波数成分を考慮した手法についての報告を期待したい。