【JSMP2015参加レポート】Calibration of the ionization chamber dosimeter by high-energy photon beam—小澤修一先生(広島がん高精度放射線治療センター/広島大学)より

ITEM2015 Report(ITEM in JRC 2015 国際医用画像総合展):Expert's View
2015.04.21

小澤修一先生(広島がん高精度放射線治療センター 開設準備室 広島大学 医歯薬保健学研究院 放射線腫瘍学)より、JSRT2015参加レポートを頂きました!
 
ITEM in JRC 2015 On-Site Report! ―医学物理士向け―
 
広島がん高精度放射線治療センター 開設準備室
広島大学 医歯薬保健学研究院 放射線腫瘍学
小澤修一

 
4月19日
 
oz1901
 

 今年のJRSもいよいよ最終日となりました。今回はたまたま展示場の片付けに立ち会うことになり、その際の風景を撮影しました。忙しかったJRC2015も無事に終わりほっとする気持ちと同時に、何だか寂しい気分になります。
 本日は、広島大学と医用原子力技術研究振興財団、産業技術総合研究所で共同研究を行っているリニアック標準場による電離箱校正に関する研究発表がありました。
 
4月19日(日) 31. Detector and Dose Measurement Tools 11:00~11:50 場所:419
「Calibration of the ionization chamber dosimeter by high-energy photon beam」
Hiroshima Univ. Tatsuhiko Suzuki

 
 この研究では、まだ標準計測法12で網羅されていないリニアック標準場で得られる水吸収線量校正定数を用いてユーザーがどのように水吸収線量を得るのか、またその際に得られる水吸収線量の不確定性はどの程度かという考察を行っています。近年、これまでの数倍の線量率を出力できるフラットニングフィルターフリー(FFF)ビームが普及しているにも関わらず、現状は連続波のコバルト標準場における電離箱校正しか標準計測法で取り扱っていないため、FFFビームの測定における標準計測の信頼性の議論が行われることが多いですが、今後、リニアックのFFFビームの標準場で電離箱校正ができるようになれば、より信頼度の高い計測ができるようになることが期待できます。世界的にもリニアック標準場での電離箱校正は一般化されていませんし、FFFビームによる標準場は全く確立されていません。本研究を今後も粛々と進め、今後日本がこの分野をリードしたいですね。
 

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