厚生労働省による「飲酒ガイドライン」 公開が待たれるいま、「減酒治療アプリ」 治験で有効性を確認、CureAppは薬事承認申請準備中~減酒治療と健康増進をより身近に~

2024.02.14


 株式会社CureApp (キュア・アップ/本社:東京都中央区 代表取締役社長:佐竹 晃太氏)は、2023年2月より実施していた減酒治療アプリの治験 (国内第Ⅱ相臨床試験)を完了し、 主要評価項目を達成した。 治験結果から有効性と安全性が確認されたため、薬事承認申請準備を進めてまいる。なお、治験結果の詳細については、今後改めて国内外の学会、 学術誌にて発表予定だ。

減酒治療の意義 (開発の背景)

 2024年中に厚生労働省により 「飲酒ガイドライン」が正式に公開される予定である。「飲酒ガイドライン」案に記載の通り、過度の飲酒はがん等の重篤な疾病発症のリスク、事故や他人とのトラブルなどの行動面のリスクを上昇させるほか、 生産性の低下にもつながることが知られている。 このように明らかに有害な事象が想定されるにも関わらず飲酒習慣を変えず、 自身で飲酒量を減らしたり、飲酒を止めたりできない場合には、アルコール依存症が疑われる。 アルコール依存症の方では上記の疾病発症のリスク、行動面のリスクがさらに高くなる。
 アルコール依存症の従来の治療目標は、お酒をやめる 「断酒」が中心だった。 一方で、 この 「断酒」 への抵抗感
から、 初期のアルコール依存症の方が治療を避けてしまうことが問題となっていた。
 そこで、新しい選択肢として減酒(飲酒量低減)を目標とした治療が欧米で提唱され、日本においても関連諸学
会から飲酒量低減治療マニュアルが2019年に公開された。
 株式会社CureAppはこの減酒(飲酒量低減) 治療普及のために、 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED) が公募した令和3年度 「医工連携イノベーション推進事業 (開発・事業化事業)」 の補助を得て、アプリを開発した。 有効性、安全性の検証を重ね、 2023年2月から今回のアプリの薬事承認、 保険適用を目指して、 治験を開始していた。

治験概要

 今回の治験は飲酒による非常に重篤な身体的、心理的、 社会的問題がまだ生じていないアルコール依存症の診断基準を満たす患者さんを対象にして、内科、精神科医療機関で実施されたランダム化比較試験である。 主要評価項目である登録時点から登録後12週時点までの多量飲酒日数の変化量において、通常診療とアプリを併用する介入群は、 通常診療と飲酒記録機能のみのアプリを併用する対照群に対して、統計的に有意な改善を認めた。

今後の予定

 今回の治験の詳細は国内外の学会、 学術誌に発表する予定である。 また、治験で確認されたアプリの有
効性、安全性を踏まえて、薬事承認申請準備を進めていく。