シーメンスヘルスケア株式会社は、4月4日、ゲートシティ大崎ウエストタワー(東京都品川区)で事業戦略説明会を開催した。
それに先立ち社長交代の挨拶が行われた。シーメンスヘルスケアおよびシーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス代表取締役を務めていた森秀顕氏は、Siemens Healthineers Varian アジア・パシフィック・ジャパン リージョンの代表になったことを伝え、続いて4月1日付でシーメンスヘルスケアの新社長に就任した櫻井悟郎氏が挨拶を述べた。
櫻井悟郎氏(同社代表取締役社長)は中長期戦略を次のように述べた。
「我々は、予防・早期発見から治療・フォローアップまで強みを生かした領域で勝負をしていく。Varianとの統合により成長が見込める事業にも参入し、成功してきた。今後もさらなる成長が見込める事業にも注力し、2025年以降も世界のマーケットリーダーたる位置を確保していくつもりだ。
また日本では生命にかかわる疾患との闘いやオペレーションの効率化を強化したい。さらに医療アクセスの向上も図り、多くの患者さんに我々は貢献していく」と発表した。
さらに同氏は、ダイアグノスティックイメージング事業について、
「昨年上市した、NAETOM Alphaはお陰様で、非常に好評で日本でも10施設で稼働している。世界に目を向けると26カ国に及ぶ実績がある。もう言うには及ばないと思うが日本発の技術が生かされ、先頃「Nature」にも取材記事が掲載されたばかりで我々日本人として誇らしい。
今年の弊社の目玉となる2製品をここでは紹介したい。
①SOMATOM Pro.Pluse
本製品は2対のX線管と検出器が同時にデータを収集する第5世代のDual Source CTである。最大の強みを発揮する心臓検査では新機能である画像補正技術「ZeeFree」によってバンディング・アーチファクトが解消され、連続性を保ったCT画像により、高心拍や不整脈が見られる場合でも、信頼性の高い心臓CT画像を提供する。
また、AI技術を用いて開発された全自動撮影システム「myExam Companion」がSOMATOMシリーズのDual Source CTでは初めて搭載された。
②MAGNETOM Cima.X
同製品は強力な傾斜磁場を用いた拡散強調画像により,脳や体内の微細な構造を高コントラストで描出する3T MRIシステムである。患者ケアと研究領域において変革をもたらすため、最大傾斜磁場強度200mT/mの超強力傾斜磁場コイルを採用し、比類のないパフォーマンスを全身において実現する。さらに、Deep Learningを用いた画像再構成技術であるDeep Resolveにより、撮像時間の短縮と高画質化を同時に実現した。
続いて荒川泰一郞氏(同社アドバンストセラピー事業本部執行役員)が、「アドバンストセラピー事業は手術現場で活躍する医療機器を中心としている。我々はさらにイノベーションにより、リーダーシップを拡大したい。それには生産性向上のための効率的なオペレーションを実現。医療アクセスを拡大などがあげられる。今後はスマート手術室を適用して、ロボット支援やナビゲーション、さらに多くの画像を運用したりして環境整備を促進させることが重要だ。また低侵襲治療にもさらに力を入れ、回復までの時間の短縮を実現したい」と語った。
最後に、渡邊隆史氏(株式会社バリアンメディカルシステムズ取締役)は、「高精度低侵襲放射線治療への要求に包括的に応えたい。具体的にはAI技術の活用して、治療計画の自動最適化や適応放射線治療を実現させる。また画像自動転送やマルチモダリティーな治療計画イメージングを実現させ、ワークフローの改善を図る」と強調した。