櫻井 諭氏
行田勇人氏
油原俊之氏
和田 健氏
大和真一郎氏
蟇目泰良氏
田沢範康氏
市川幸宏氏
赤塚吉絋氏
森 孝子氏
会場風景
GEヘルスケア・ジャパン(株)は6月9日、同社研修室(東京都港区)にて「第2回TOMO友の会」を開催した。
会の冒頭、櫻井 諭氏(同社X-Ray Sales&Marketing部部長)が「前回同様、運用実績や研究成果のポジティブなフィードバックを期待している。本会を通じて寄せられる様々な要望を反映させることで、弊社製品をより有用なものにしていきたい」と挨拶。続いて、行田勇人氏(同社X-Ray Sales&Marketing部)が製品プレゼンを実施。線量・画質、生産性、信頼性の3つをコンセプトに開発された「Volume RADシステム」や従来のポータブルディテクタより軽い「ワイヤレスフラットパネル」、そして高速かつ高い信頼性を兼ね備えた「Ultra Wide Band Technology」などを紹介した。
油原俊之氏(東京女子医科大学東医療センター)座長の元、まず3演題が発表された。和田 健氏(財団法人芙蓉協会聖隷沼津健康診断センター)は「胸部トモシンセシスによる肺がん検診実施にむけて」を発表。任意型検診で肺がんCT検診が急速に普及しその必要性が高まっている現状を挙げた上で、トモシンセシス撮影がCT撮影の代替と成りうるかを考察。トモシンセシスの空間分解能の高さ、撮影の容易さ、そして低線量であるといった特徴を挙げた上で、一次肺がん検診レベルでのトモシンセシスの有用性を解説した。講演の最後には、「メーカ側には画像再構成時間の短縮や新アルゴリズムの開発を期待している」と語った。
次に、大和真一郎氏(JA広島総合病院中央放射線室)が「トモシンセシスにおける実効断層圧測定法の検討及び断層面分解と断層厚依存性」について講演。まず実効断層厚の測定に適したファントムの材質としてアルミニウム製ワイヤーφ1㎜が適切であると考察した後、実効断層厚と断層面の分解能について検討を発表。「ワイヤー法を用いたトモシンセシスの断層面の分解能は、幾何学的な構造や画像再構成法における再構成フィルタの影響を受ける。また実効断層厚は、天板からの高さに影響されるが、断層厚の分解能はほぼ均一に保たれていた」と述べた。
蟇目泰良氏(近畿大学医学部附属病院中央放射線部)は「Volume RADにおけるイメージJを使用した、創外固定アーチファクト低減の取り組み」を発表。3㎜スライス厚のデジタルトモシンセシス画像において、創外固定金属からのさざ波アーチファクトが目立つ点を指摘。「Image Jソフトを使用することで、アーチファクト低減が可能である。今後は、撮影時に任意のスイープ角、収集枚数等の設定ができる機能が追加されることを期待する」と語った。
後半の講演は、田沢範康氏(財団法人芙蓉協会聖隷沼津健康診断センター)が座長を務めた。まず市川幸宏氏(社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会野江病院放射線科)が「陥入爪、巻き爪の末節骨診断~トモシンセシス撮影を用いて~」と題して発表。「CT検査と比べ、トモシンセシスは低被曝・低コストが特徴だ。単純X線検査の延長として利用できるため、陥入爪、巻き爪患者に対する末節骨の変形確認手段として、十分有用な検査法である」と語った。
赤塚吉絋氏(札幌医科大学附属病院放射線部)は「トモシンセシスにおけるX線管走査方向と描出能の関係」について報告。トモシンセシスにおけるX線管球走査方向が関節、金属デバイス周囲に与える影響について検討を行い、「金属デバイスのない関節では垂直方向、金属デバイス周囲では平衡方向にX線管走査方向が走る。金属デバイスの有無や目的部位により、適切なX線走査方向が異なることがわかった」と結んだ。
最後に森 孝子氏(東京女子医科大学東医療センター放射線科)が「THAにおけるトモシンセシスの有用性」を講演。トモシンセシスの利点について、1回の走査で任意の断面の構成が可能である点や、金属アーチファクトの影響が少ない点、一般撮影の延長として走査可能といった点を挙げた上で、単純X線撮影と比較。その結果、「トモシンセシスでは、ポーラス面への侵入像で単純X線よりも早期の検出が可能であり、検出能の向上が見受けられた。臼蓋ソケット部の描出能の向上を今後は期待したい」と述べた。
会の冒頭、櫻井 諭氏(同社X-Ray Sales&Marketing部部長)が「前回同様、運用実績や研究成果のポジティブなフィードバックを期待している。本会を通じて寄せられる様々な要望を反映させることで、弊社製品をより有用なものにしていきたい」と挨拶。続いて、行田勇人氏(同社X-Ray Sales&Marketing部)が製品プレゼンを実施。線量・画質、生産性、信頼性の3つをコンセプトに開発された「Volume RADシステム」や従来のポータブルディテクタより軽い「ワイヤレスフラットパネル」、そして高速かつ高い信頼性を兼ね備えた「Ultra Wide Band Technology」などを紹介した。
油原俊之氏(東京女子医科大学東医療センター)座長の元、まず3演題が発表された。和田 健氏(財団法人芙蓉協会聖隷沼津健康診断センター)は「胸部トモシンセシスによる肺がん検診実施にむけて」を発表。任意型検診で肺がんCT検診が急速に普及しその必要性が高まっている現状を挙げた上で、トモシンセシス撮影がCT撮影の代替と成りうるかを考察。トモシンセシスの空間分解能の高さ、撮影の容易さ、そして低線量であるといった特徴を挙げた上で、一次肺がん検診レベルでのトモシンセシスの有用性を解説した。講演の最後には、「メーカ側には画像再構成時間の短縮や新アルゴリズムの開発を期待している」と語った。
次に、大和真一郎氏(JA広島総合病院中央放射線室)が「トモシンセシスにおける実効断層圧測定法の検討及び断層面分解と断層厚依存性」について講演。まず実効断層厚の測定に適したファントムの材質としてアルミニウム製ワイヤーφ1㎜が適切であると考察した後、実効断層厚と断層面の分解能について検討を発表。「ワイヤー法を用いたトモシンセシスの断層面の分解能は、幾何学的な構造や画像再構成法における再構成フィルタの影響を受ける。また実効断層厚は、天板からの高さに影響されるが、断層厚の分解能はほぼ均一に保たれていた」と述べた。
蟇目泰良氏(近畿大学医学部附属病院中央放射線部)は「Volume RADにおけるイメージJを使用した、創外固定アーチファクト低減の取り組み」を発表。3㎜スライス厚のデジタルトモシンセシス画像において、創外固定金属からのさざ波アーチファクトが目立つ点を指摘。「Image Jソフトを使用することで、アーチファクト低減が可能である。今後は、撮影時に任意のスイープ角、収集枚数等の設定ができる機能が追加されることを期待する」と語った。
後半の講演は、田沢範康氏(財団法人芙蓉協会聖隷沼津健康診断センター)が座長を務めた。まず市川幸宏氏(社会福祉法人恩賜財団大阪府済生会野江病院放射線科)が「陥入爪、巻き爪の末節骨診断~トモシンセシス撮影を用いて~」と題して発表。「CT検査と比べ、トモシンセシスは低被曝・低コストが特徴だ。単純X線検査の延長として利用できるため、陥入爪、巻き爪患者に対する末節骨の変形確認手段として、十分有用な検査法である」と語った。
赤塚吉絋氏(札幌医科大学附属病院放射線部)は「トモシンセシスにおけるX線管走査方向と描出能の関係」について報告。トモシンセシスにおけるX線管球走査方向が関節、金属デバイス周囲に与える影響について検討を行い、「金属デバイスのない関節では垂直方向、金属デバイス周囲では平衡方向にX線管走査方向が走る。金属デバイスの有無や目的部位により、適切なX線走査方向が異なることがわかった」と結んだ。
最後に森 孝子氏(東京女子医科大学東医療センター放射線科)が「THAにおけるトモシンセシスの有用性」を講演。トモシンセシスの利点について、1回の走査で任意の断面の構成が可能である点や、金属アーチファクトの影響が少ない点、一般撮影の延長として走査可能といった点を挙げた上で、単純X線撮影と比較。その結果、「トモシンセシスでは、ポーラス面への侵入像で単純X線よりも早期の検出が可能であり、検出能の向上が見受けられた。臼蓋ソケット部の描出能の向上を今後は期待したい」と述べた。